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マランツ、“同社AVアンプ史上最高”の15.4 ch AVプリ「AV10」

公開日 2023/02/14 11:00 編集部:小野佳希
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クロック発振器は、同社フラグシップSACDプレーヤー「SA-10」と同グレード品を採用し、さらに通常のAVアンプの1/1000にまでジッターを抑えたクロック・ファンアウトバッファーを用いてジッターを極小化。加えて、クロック回路からそれぞれのDACまでの距離差に起因するタイミングのずれをインピーダンスマッチングにより補正している。アクティブ方式のI/V変換回路と超低ノイズなディスクリート電源回路、高品位なコンデンサーを用いることでDACの性能を引き出し、極めて高精度なD/A変換を可能にしたとアピールしている。

DAC部

筐体を“新世代のマランツデザイン”に刷新したことに伴い、機構設計も見直し。トップカバーやシャーシを構成する鋼板の形状や各部を固定するネジの太さや本数を最適化することにより、ビルドクオリティも大きく進化させたという。3層構造のメインシャーシや肉厚なアルミを用いたフロントおよびサイドパネルにより剛性を高め、振動の影響を効果的に抑制するとしている。

筐体の機構設計も刷新

最大15.4chのプロセッシングに対応しており、9.4.6 chまでのシステム構築が可能。プリアウトは17.4chを装備しており、再生するフォーマットに合わせて使用するハイトスピーカーを切り替えられるため、Dolby AtmosとAuro-3Dの両方を最適なスピーカーレイアウトで楽しめる。また、ソースがハイトスピーカー信号を含まない従来のチャンネルベースのコンテンツであっても「Dolby Surround」や「Neural:X」「Auro-Maticアルゴリズム」などによって3Dサウンドにアップミックスできる。

新4K/8K衛星放送で使用されている音声フォーマットであるMPEG-4 AAC(ステレオ、5.1ch)にももちろん対応。そのほか、Dolby Atmos Height Virtualizer、およびDTS Virtual:Xに対応し、ハイトスピーカーやサラウンドスピーカーを設置していない環境においても、高さ方向を含むイマーシブオーディオ体験が可能になる。

■各部パーツも厳選して高音質化を図る



電源回路のキーパーツには、入念なリスニングテストによって厳選したという高音質パーツを使用したとのこと。アナログオーディオ回路用には専用の電源トランスとディスクリート構成の整流回路/平滑回路を搭載しており、これにより、デジタル回路との相互干渉の排除と極めて優れたリップルノイズ除去率を実現したという。さらに、アナログオーディオ基板やHDAM回路など、回路ごとにトランスの巻き線を分けることで、回路間の干渉の排除も図っている。

内部構造

ブロックコンデンサーには本機専用に開発したカスタムコンデンサー(10,000μF ×4)を搭載。電源トランスには、OFC巻き線のトロイダルトランスを採用し、さらにアルミ製のケースとボトムプレートを追加している。そして、電源部の高品位化と合わせて周辺回路の細部に至るまで徹底した音質チューニングを行ったと説明している。

DSPやネットワーク、USBなどのデジタル回路への電源供給には専用のトランスを使用することで、アナログ回路との相互干渉を排除。また、デジタル電源回路の動作周波数を通常の約3倍に高速化してスイッチングノイズを再生音に影響の及ばない可聴帯域外へシフトさせている。

そして、アナログ回路、デジタル回路を基板ごと、ブロックごとに完全に分け、シールドを追加するにより回路間のノイズの飛び込みを抑制。また、デカップリングコンデンサーを用いることで、電源ラインに流入するノイズを除去している。

回路間のノイズ干渉にも配慮

なお、コンデンサーの品種や定数は、サウンドマスターによる試聴を繰り返して本機に最適なものを選定。さらには基板やシャーシを固定するビスやワッシャーの種類を使用する箇所に応じて変更しグラウンドインピーダンスを最適化するなどもしている。

AV8805Aとの特徴比較

■HDMIは7入力/3出力。HDMI 2.1のALLM/VRR/QFTにも対応



背面端子部のパーツも、17.4chすべての出力端子を同一グレードとすることで、チャンネル間のクオリティ差を排除。また、アンバランス出力にはHi-Fiコンポーネントにも使用されている真鍮削り出しの高品位なRCA端子を採用することで、バランス出力とアンバランス出力のクオリティ差も出ないようにした。そして、端子の間隔を十分に確保することで、プラグの太い高級ケーブルも使用できるようにしている。

端子部には、独立した4系統のサブウーファープリアウトを装備。出力端子はバランスとアンバランスの両方があり、4台のサブウーファーの音量レベルとリスニングポジションまでの距離は個別に設定することができる。なお、この設定はマニュアル操作に加え、Audyssey Sub EQ HTによる自動設定にも対応している。また、4台のサブウーファーすべてから同じ音を再生する「スタンダード」と、各サブウーファーの近くにある「小」に設定されたスピーカーの低音を再生する「指向性」の2モードから選択できる。なお「指向性」モードの場合はAudysseySub EQ HT は機能しない。

CD用の入力端子にはプリアウトに用いられているものと同じ真鍮削り出しのRCA端子を採用。また、ステレオのバランス入力も1系統装備しており、バランス出力を持つCDプレーヤーやネットワークオーディオプレーヤーなどを接続することができる。

HDMI端子は、入力7系統と出力3系統を装備。入力は7系統すべて、出力は2系統(Monitor 1 / 2)が8K/60Hzおよび4K/120Hz映像信号のパススルーに対応している。また、ゾーン出力を含む7入力/3出力すべてのHDMI端子が最新の映像コンテンツに対する著作権保護技術であるHDCP 2.3に対応している。そのほかeARCやHDMI CECにも対応している。

また、HDMI 2.1の新機能であるALLM(Auto Low Latency Mode)、VRR(Variable Refresh Rate)、QFT(Quick Frame Transport)にも対応。8Kアップスケーリングや、HDMIスタンバイパススルーにも対応している。

■上位グレードの音場補正「Audyssey MultEQ XT32」なども搭載



自動音場補正機能では、下位グレードであるAudyssey MultEQ XTに対して32倍のフィルター解像度で補正を行う「Audyssey MultEQ XT32」を搭載。2台のサブウーファーを個別に測定、および補正する「Sub EQ HT」も搭載しているほか、ドルビーイネーブルドスピーカーについては、Audyssey MultEQによる自動補正に加え、天井までの高さを設定することでさらに補正の精度高めることができる。

また、有料アプリ「Audyssey MultEQ Editor」を使用しての音場補正にも対応。AVアンプ単体では設定できない詳細な調整項目に基づいて音場補正が行える。

そのほか、前述のとおりDirac社の特許技術「Dirac Live」に有償アップデートでの対応を予定。周波数特性だけでなく、部屋内の反射やスピーカーの位置のずれに起因する音の遅延についても測定、補正を行う同技術に、2023年のファームウェア提供で対応を予定している。

Wi-Fiは2.4GHzと5GHzのデュアルバンド(IEEE 802.11 a/b/g/n/ac)対応で、インターネット関連機能ではAmazon Alexaにも対応。独自のネットワーク技術「HEOS」を用いてネットワークオーディオ再生を行えるほか、Amazon Music HDをはじめ、AWA、Spotify、SoundCloudなど様々な音楽ストリーミングサービスに対応している。また、AirPlay 2やBluetoothにも対応し、Bluetoothは送信機能も備えている。そのほか、無料アプリ「Marantz AVR Remote」に対応し、スマートフォンやタブレットから本機を操作することもできる

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