イノべーティブな製品を発見、体験、購入

日本初進出の体験型店舗「b8ta」、伝統的な小売業とは一線を画す新業態“サービスとしての小売り”

PHILE WEB ビジネス編集部・竹内純
2020年07月28日
■販売を主目的としない“発見”と“体験”の場

b8ta Japanは、b8ta(ベータ)の日本初進出となる2店舗「b8ta Tokyo – Shinjuku Marui」「b8ta Tokyo – Yurakucho」を2020年8月10日(土)にオープンする。

ブランドを主役として引き立てる落ち着いた什器は米国b8taと同一のものを使用。日本仕様で少し高さを抑えてある

「b8ta Tokyo – Yurakucho」外観

2015年にサンフランシスコで創業した体験型店舗「b8ta」は、リアル店舗への出品をまるでオンラインのEC店舗へ出品するのと同じくらい手軽にした独自のプラットフォームで、世界中のイノべーティブな製品を発見、体験、購入できる場を提供する。現在、米国で23店舗、ドバイで1店舗を展開し、1,000以上のブランドが出品され、年間300万人以上が来店する。

ベータ・ジャパン合同会社 カントリーマネージャー・北川卓司氏は「もっともイノベイティブな商品を体験していただく新しい体験型の店舗。“発見”と“体験”をメッセージとして展開するもので、主目的は販売するところには置いていない」とその特徴を説明した。

ベータ・ジャパン合同会社 カントリーマネージャー・北川卓司氏

リテールを通じて人々に新しい“発見”をもたらすことをミッションとして掲げ、従来の伝統的な小売業とは一線を画すビジネスモデルが「Retail as a Service(サービスとしての小売り)」。Retail as a Serviceに注目が集まる理由として北川氏は、従来型小売りが苦戦し、メーカー側に消費者の声が届きにくくなる中で、その状況を打破する可能性があること。オフラインでの買い物では購入前の体験が重視されるようになる中で、今後、販売を主目的としないビジネスモデルの拡大が予想されること。そして、OMO時代に店内でのお客様の行動やスタッフの声をデータ化して提供できることなどを挙げた。

店内には、お客様の年齢層や性別を識別するデモグラフィックカメラと店内での行動動線や立ち止まり率を把握するAIカメラ、さらに、商品横にはタブレットが設置され、収集したマーケティングデータはすべて出品企業に開示される。

2020年8月10日(土)にオープンする2店舗「b8ta Tokyo – Shinjuku Marui」「b8ta Tokyo – Yurakucho」には、海外の最新ガジェットから日本のモノづくりの技術を活かした商品、D2Cブランドのコスメ、ファッション、フードなど、幅広いジャンルから145商品以上が揃えられた。お客様は購買のプレッシャーに縛られることなく、日本初進出の商品やサービスを手に取り、魅力的な商品との思いがけない出会いを楽しむことができる。もちろん、実際に試して気に入れば、その場で購入することも可能だ。

商品情報は横に設置されたタブレットにも映像やギャラリーを含めて網羅。写真はしっぽのついたクッション型セラピーロボット「Qoobo(クーボ)」。なでるとしっぽを振って心を癒してくれる

遠隔観光体験やスポーツ観戦、リモートワークを遠隔地にいる人と体験を共有できるウェアラブルデバイス「IoAネック」

中規模の区画に仕切られた半個室スペース「エクスペリエンスルーム」では、他の出品スペースとは異なり、出品ブランドが独自に壁面装飾や什器を設置でき、ブランドの世界観を体現した空間となり、お客様はブランドの世界観に入り込み、商品やサービスを体験することができる。「b8ta Tokyo – Shinjuku Marui」には1室(オープン時はBASE株式会社が出品)、「b8ta Tokyo – Yurakucho」には3室(オープン時にはGoogleとCAINZが出品)が用意されている。

エクスペリエンスルームの「Google」

エクスペリエンスルームの「CAINZ(カインズ)」

一方、出品者にとっては、ブランド・商品とお客様とをつなぐ都内一等地の魅力的な出店場所が月額のサブスクリプションで提供され、リアル店舗におけるお客様へのブランド体験を低コストで実現できる。販売を主目的としないため、企業のミッションを基点に、ブランドから直接トレーニングを受けるスタッフの高度な接客をお客様へ提供。さらに、上記のお客様の行動データを活用し、一歩先をいくマーケティング活動が展開できる。出品料は月額30万円前後。契約期間は6カ月。

b8taの日本進出にあたり、丸井、三菱地所、カインズ、凸版印刷が出資企業として名を連ねた。記者発表会で登壇した株式会社丸井 代表取締役社長・青野真博氏は「私自身凄くワクワクしている。私も2016年に米国で初めてb8taに行き、こんなショップがあるのかとびっくりした。米国では小売りの未来を象徴する店として大きな支持を集めている。いまのままでは小売りのビジネスは難しくなる。いつでもどこでもスマホで買い物ができ、リアル店舗の価値は何かと考えさせられることが多くなった。b8taに行くと1時間くらいあっと言う間に経ってしまう。本当に面白いし、革新的な商品がたくさんある。今は個人や中小企業、スタートアップの皆さんが新しい商品やサービスをどんどん開発している。そうした方が気軽に都内の一等地に商品をお披露目し、お客様と触れ合える場所ができることは大変素晴らしいこと。当社もいろいろなリソースを活用し、b8taさんと一緒に進化しながら、新しい小売りの姿を創っていきたい」と大きな期待を寄せた。

株式会社丸井 代表取締役社長・青野真博氏

従来の伝統的な小売業とは一線を画す体験型店舗「b8ta」。北川氏は「こうした体験型の店舗を『b8taっぽい店だね』と呼んでいただけるようになるまで成長させていく。OMOの時代に新しい風を吹かせたい」と意気込みを示した。

関連記事