最上位DAC「AK4499」など技術力アピール

<CES>AKM、超低消費電力なADC「AK5706」。ウェアラブル機器の音声認識に活用想定

編集部:平山洸太
2020年01月10日
米ラスベガスにて開催中の、世界中から様々な分野の企業が集う「CES 2020」。メイン会場とは別にプライベートブースを構えるAKM(旭化成エレクトロニクス)の出展内容を紹介していく。

AKMブースの様子

今回展示の目玉となっているのは、超低消費電力を実現したという開発中のADコンバーター「AK5706」だ。主に音声認識での用途が想定されており、バッテリー式のスマートスピーカー、ウェアラブル機器への音声アシスタント搭載などに役立つという。

「AK5706」を用いたデモシステム

「AK5706」

どのようにして低消費電力を実現しているかというと、SoCのうち、音を認識する部分とその他の部分を分け、音声を認識した場合のみSoCを起動させることで、待機時の電力消費を大幅に抑制。これによって32μAという消費電流を実現している。

とはいえ、すべての音に反応してしまっては常に起動状態となってしまう。それを解決するのが「Acoustic Audio Analyzer(AAA)」という技術だ。AK5706では反応する音を周波数の高低/長短の4パターンで認識・設定できる機能を搭載しており、人間の声(低くて長い)、叩く音(高くて短い)など、音声の種類をある程度判別できるようになっている。

周波数と音の長さの組み合わせにより、ある程度の音声判別が行えるという

なお、オフ状態のSoCはオンにするまでにラグがあるというが、これはバッファーを内蔵することで解決しているとのこと。また音声認識を想定しているとはいうものの、人間以外の声の検出にも使用可能。会場では火災報知器に反応する試作ボードも用意されるなど、幅広い用途で活用できると紹介されていた。

またDACでは、ハイファイオーディオ向けフラグシップモデル「AK4499」を紹介。さらに、昨年登場したばかりとなる、完全ワイヤレスイヤホンにも使える超低消費電力DAC「AK4332」もアピールされた。

「AK4332」もアピール

「AK4499」を搭載する評価用ボード

IoTや自動運転などでセンサーデバイスの需要が高まる昨今だが、AKMのブースでも多くのセンサーが紹介されていた。注目されていたのは、クルマの自動ブレーキシステムなどにも使われるミリ波レーダーを、室内でも使用できるようにした「AK5811」。レーダーによって物体の位置を捉えており、さらに物体の動きを読み取ることで、呼吸までも計測できるという。

「AK5811」によって検出が行われている様子

そのほかセンサーなどでは、中赤外線を用いることで人間を判別できる人感センサーの開発中の製品も展示。これは前モデルから素材を改良することで、より長い検出距離を実現しているとのこと。また、スマートフォンの回転式カメラの位置検出に使える磁気センサー「AK9970D」、安価でステッピングモーターの精度を向上できる角度センサー「AK745X」など多くのモデルが展示されていた。

人感センサーを搭載するデモシステム

「AK9970D」

そのほか、6GHz帯のマイクロ波を金属製のケースの中で発することで、接点を気にせずウェアラブルデバイスを充電できる「ワイヤレス充電器」、磁石による磁場によって障害物を気にせず使用可能なVRコントローラーを実現する「AK09940」など、AKMの持つ多彩な技術がアピールされていた。

「AK09940」を使用し、米Ommo社との協業によって作られたデモシステム

「ワイヤレス充電器」のサンプル。提携しているイスラエルHumavox社の技術を使用することで、距離が離れるとパワーが落ちてしまうマイクロ波の弱点を克服したという

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