京王電業社、本店を大改装オープン

「えっ、これが街の電気屋さん?」。カフェにサブスク型美容セルフエステ、体験型へ大胆リニューアル

PHILE WEB ビジネス編集部・竹内純
2019年12月16日
■街の電気店の従来概念を打破

最新のプレミアム美容家電やおすすめの化粧品を使って効果を体感できるセルフエステ、さらに健康に特化したオリジナルスムージーやこだわりのチョコレートドリンクが楽しめる上に、Wi-Fi完備でくつろいだ時間を過ごせるカフェコーナー。実はここ、“街の電気屋さん” なんです。

プレミアム美容家電によるセルフエステコーナーがお目見え

一見して従来の電気店とはイメージが異なる明るい店内

12月16日(月)、京王線の新宿駅から特急・急行で1駅の笹塚駅から徒歩5分、1952年の創業以来、地域のお客様に愛され続ける街の電気店「ケイオー笹塚本店」(京王電業社)が、大胆にリニューアルオープンした。

テープカット。中央右が福田勝則社長、中央左が福田順亮専務

12月14日(土)、15日(日)にはお得意様1,200世帯に招待状を送付してお披露目会を開催

皆さんがこれまでイメージしてきた “街の電気屋さん” の姿とは一線を画す、ショールームかと見紛う明るく清潔なイメージの店内。入ってすぐ左手に広がるのが「カフェコーナー」。 “疲労回復・風邪防止” “体質改善・夜更かし・目の疲れ・デトックス効果” “アンチエイジング・むくみ対策” 等、健康をテーマとしたプレミアムスムージーと自慢のチョコレートマシーンによるチョコレートドリンクを提供する。

落ち着いた雰囲気のカフェコーナー

提供されるドリンクメニュー

“電気屋さん” であるからにはもちろん、家電もあるわけだが、店内に展示されているのはラインナップ上位に位置するの高付加価値タイプのものばかり。さらに、その多くが使用できる状態にしてあり、なぜプレミアムなのか、その価値を実際に体験して存分に実感できる仕組みとなっている。イベント開催を目玉とするキッチン家電のコーナーには、アイランドキッチンを中心とした “あこがれの我が家のキッチン” が再現されている。

テレビはニーズの高まる壁掛けを間接照明を使って演出

店舗奥に構えるのが「セルフエステ・ケイオースマイルビューティー」。化粧品会社の協力も得て完成した、ショールームなど一部でしか販売されていないパナソニックのプレミアム美容家電や化粧品を使えるセルフエステのコーナーだ。本コーナーのみ有料で、現在、期間限定で初回1,500円の料金が700円に。お得な回数券3回券3,000円、5回券4,500円、さらに定額使い放題月額4,500円のサブスクリプションサービスを提供する。

ビューティー家電だけでなく、こだわりの化粧品も使用できる

エステコーナーの料金メニュー

■価値は体感、実感しないと伝わらない

既成概念を打ち破る大胆なリニューアルを指揮したのは、家電販売が厳しい局面に立たされる中で、次の一手を模索してきたと語る京王電業社 専務取締役・福田順亮氏。「家電を購入する時に感じられたワクワクする気持ちが、今は感じられなくなったように思います。そのためなのか、購入を検討されるお客様のほとんどが、『壊れて困った』『調子が悪くて困った』と “困った” ところから始まっています」と課題を指摘する。

「そんなお客様にどうしたら喜んでもらえるか。この家電をぜひ買いたい、手にすることで豊かな暮らしをしたいと思っていただくためには、まず何より、商品の価値をきちんとわかっていただくこと。そこで出した答えが “体験型” でした」。

“体験型” のメリットを存分に活かし、今後、プレミアム家電の特長を実感できるイベントも積極的に開催していく構え。美容では魅力を引き出すメイクアップ術やぴったりの髪色がわかるパーソナルカラー診断、料理ではダイエットをテーマにした料理や水素水を活用したレシピなど、アイデアが続々控えているという。「お客様を会員制にして、その中から10名くらいをご招待する計画です。美容以外は無料で、まずは美容会員200名を目指しています」と説明する。

IHを3口備えたアイランドキッチン

さまざまな種類のキッチン家電が揃えられている

進化する家電が備える価値をもっと身近に、自ら手軽に触れて体験できる、これまでになかった新しい場を提供。「カフェコーナーでは食料品の取り扱いもあり、準備がこんなに大変なのかと痛感しましたが、それも皆が集まってスパっと解決してしまう。本当に素晴らしいスタッフに恵まれていると改めて実感しました。お客様にスタッフ、皆が集まってくることで、そこに活気が生まれてくる。需要が芽吹いていくはずです」と新しい流れを創造していく。

京王電業社社員一同と関係者による記念撮影

■順調に立ち上がったリフォーム

今年創業67年を迎えた京王電業社。「雨漏りして、屋根の上にテントを張って営業していた時期もありました」と振り返る福田勝則社長。「今回のリニューアルはすべて息子(順亮専務)に任せました。これだけの大掛かりな改装は初めてですが、工事も業者任せとはせず、2/3以上はうちの工事部門で自ら行っています」と工事部門の力量をアピールする。経費も抑えられたという。

創業67年の歩みを振り返えることができるコーナーも設けた

50年間使用したレジスターや1978年のカラーテレビなど昭和の家電を展示

ECの台頭など、家電販売を取り巻く環境が大きく変化していく中で、昨年はリフォームの店舗を新たにつくり軌道に乗せた。今年の売上げは3億6000万円を見込む同社だが、うち7割をリフォームの売上げが占める。専務は「リフォームを扱うことで、年間で新規顧客が約300件増えています。新聞折り込み(10万枚)の効果が大きく、見積依頼はさらに増えています。現在は毎月平均で約40件があり、そのうち7割を実需に繋げることを目標に置いていますが、来年は月平均60件を目指したい」と手応えを訴えた。

リフォームでは、バスやキッチンなど大型工事は外部の業者へ委託するが、それ以外はトイレや洗面台などの水回りも自社で工事を完結できることが大きな強み。大型案件が中心となるリフォーム業者が多い中で存在感を見せつけ、着実に実績に結び付けている。

今回の体験型店舗へのリニューアルにより、「家電の売上げが劇的に立ち直ることは考えにくいですが、商品単価、客単価を上げることはできます。また、リフォームの新規顧客に家電を、反対に家電のお客様にリフォームをご案内できるシナジーにも大きく期待しています」と語る。

見たこともなかったお店の登場に、お客様がどのような反応を示すのか。「住まい、暮らしを少しでも豊かにできる、暮らしていて楽しくなる。そんな生活を実現するために “この家電が欲しいな ”と思っていただける体験を提供できる店を目指します」と意気込む福田専務。新たなチャレンジに目が離すことができない。

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