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駆動性能を決める “電子移動度” を従来から約1.5倍に

シャープ、「第5世代IGZO」を開発。8Kや有機ELディスプレイ、超低消費電力モバイルなどに展開へ

公開日 2019/04/24 12:32 編集部:平山洸太
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シャープは、ディスプレイを駆動するTFT(薄膜トランジスタ)に酸化物半導体 “IGZO” を用いた液晶パネルの新バージョンとして、「第5世代IGZO」を開発したと発表した。

80型8Kチューナー内蔵液晶テレビ向けだけでなく、中小型液晶モジュールの量産技術の開発を完了することで、モバイルから大型パネルサイズまでの幅広いラインナップが可能になったとする。

IGZO5は、製膜などのプロセス条件の工夫により、液晶パネルの駆動性能を左右する “電子移動度” を従来から約1.5倍に向上。これにより一般的なアモルファスシリコンと比較すると約30倍の電子移動度を持つという。

IGZO登場からIGZO5まで

また120Hz以上の高速駆動を行うことで、低消費電力でもなめらかな表示が可能なほか、電子移動度の高さからTFTサイズの小型化が可能になり、輝度向上に寄与するとのこと。さらに周辺回路のサイズダウンによって、狭額縁化やタッチパネルなどセンサー機能の搭載などが容易になるとする。

低消費電力や大画面化は有機ELディスプレイの駆動用TFTとしても適しているため、今後の有機ELディスプレイの展開にも寄与するという。今後はIGZO5の技術を活用することで、8Kディスプレイのラインナップ拡充を実施、また超低消費電力モバイル、超高速駆動/高画質のプロ用モニター、中型有機ELディスプレイなどへの応用を進めていくとしている。

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