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5Gを非通信事業の成長ドライブに

NTTドコモ吉澤社長が語る5G戦略 −「5G・IoTソリューション推進室」新設でビジネス創出を図る

2019/03/08 Senka21編集部 徳田ゆかり
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株式会社NTTドコモは、LTE-Advancedの次の世代となる第5世代通信システム<5G>の2020年春サービス開始、2019年9月のプレサービス開始に向け、5Gを活用したソリューション協創の拡大や具体的なビジネス化を加速することを目的としたB to B向けイベント「DOCOMO 5G Open Partner Program 5G BUSINESS CAMP」を開催。本稿では、その冒頭で行われた「5Gでより豊かな未来を」と題した同社代表取締役社長の吉澤和弘氏の講演の模様をお伝えする。

株式会社NTTドコモ 代表取締役社長の吉澤和弘氏

10Gbpsを超える通信速度、LTEの約1000倍の大容量化を目指す5Gは、「高速・大容量」「低遅延」「多数端末との接続」を特長としており、4K/8K高精細映像の伝送や自動運転、機器の遠隔制御などを活用したさまざまなビジネスの創出が期待されている。NTTドコモでは本日、5Gの技術や仕様に関する情報提供、パートナー間の意見交換を行う5Gパートナーワークショップの場を提供するプログラム「ドコモ5Gオープンパートナープログラム」に参加する2300超のパートナー企業・団体向けに、5G時代に求められるソリューションを創出して全国の課題を抱える現場での5Gソリューションのサービス検証を推進するための「ドコモオープンイノベーションクラウド」を、2019年9月予定の5Gプレサービス開始にあわせて提供することを発表した。

また併せて、これに先駆けた2019年4月1日より、NTTドコモの持つ5G・IoT・AIなどの先進技術とパートナーのアセットを組み合わせた新たなソリューションの協創活動をさらに推進するため、新組織として「5G・IoTソリューション推進室」を設置する旨を発表。これをもとに全国営業支援体制を強化する。

NTTドコモのこうした取り組みは、同社の事業展開を現状での柱とする「通信」に止まることなく、さらなる価値創造の追求へチャレンジし拡大しようとするもの。その具体像を見せる意味合いを持つ今回のイベントに対して吉澤氏は「ソリューションの創出と実用化の足固めを推進する。課題解決や価値創出につながる展示となった。ご覧になりフィールドパートナーとしてぜひ手を挙げていただきたい」とアピール。今回の講演で5Gの意味や意義、「どのように豊かな未来をつくっていくか」について語った。

1987年4月に登場した携帯電話TZ-802以来の30年間のモバイルの進化を振り返り、「進化の要因はデバイス、ソフトウェア、ネットワークの3つの要素がある。データ通信速度は1993年の2400bpsから2015年には1288Mbpsと、26年で54万倍となった。これが5Gで20Gbps以上になる。そこで何ができるようになるのかが重要」と提起する。

データ通信速度は26年で54万倍に

データ通信速度は5Gで20Gbps以上になる

NTTドコモの事業も「ベースはテレコム。そこからiモードをはじめとするプラットフォームを展開。さらにdマーケットなどのサービスを提供してきた」と変遷を説明。そして「5Gの時代、ドコモだけでは何もできない。5Gのネットワークを提供して、そこからソリューションや新たな価値、ビジネスを生み出すのはパートナーの皆様との協創による」として、これを“+d”と表現した。

ドコモの事業変遷

NTTドコモでは5G時代を想定し、2017年に「beyond」を宣言した。「新しい価値を創出する。お客様へ、社会へ価値を提供するため、5Gをベースにパートナーとともに作り上げていきたい」として、「2020年の春に5Gのローンチを始める意志を固めている」と強調する。

5Gでより豊かな未来を創出する


5G導入の意義について、「世の中ではデジタルトランスフォーメーションと言われているが、デジタル化の意味合いは、生産性の向上やUI/UXの抜本的な改善、革新的なサービスの創出といった狙いがある。それを実現するための柱として、IoTやAI、xR、クラウドといったテクノロジーがあり、なかでも5Gは非常に太い柱になる」と説明する。

5Gはデジタルトランスフォーメーションを実現する太い柱

5G導入のスケジュールとしては、2020年春の商用サービス開始に向け、2019年9月よりプレサービスが開始される。「プレといっても正式ローンチと同じようなサービスやソリューションを実現させる、という意気込みでやっている。2023年頃までにしっかりとネットワークをつくるため、1兆円ほどの設備投資を考えている」との旨も明らかにされた。

2023年頃までに1兆円の設備投資を計画

「LTEのサービスは人口カバー率を上げるために大都市から進められたが、一次産業や遠隔医療など社会課題の解決を考えると、5Gの展開は必ずしも大都市からとは限らず地方の都市から始めるということもある。必要とされる場所に必要な機能で展開するということになる。電波の周波数の取得で開設の申請をした際、10キロメッシュとして5年間で必ず特定基地局入れるようにとされた。そうしたエリア展開を我々も考えている」。

5Gは地方の都市から始めるということもある

「ドコモ5Gオープンパートナープログラム」では、2300超のパートナー企業・団体が参加しており、147件ほどのトライアルを実施しているという。今回のイベントでもその中の50以上が展示された。「それを5Gローンチの時期にしっかりと合わせて、サービス、ビジネスとして始めていく状況をつくる」と意気込む。

2300超のパートナー企業・団体が参加しており、147件ほどのトライアルを実施


バルセロナで開催された「MWC2019」では、「5G Cyber Jam Session」として、ヤマハの技術によって遠くに離れた演奏者とのジャムセッションが実現した模様が披露された

スマートフォンをハブにして見る、聴く、録る、計測するなど、 周辺機器との連携による新体感のサービスを提供する総合体をつくりあげていく


ソリューションパートナーをどんどん増やすという

2019年9月でのプレサービスの時から使えるオープンイノベーションサービスをしっかりと構築する

5Gサービスの協創はグローバルへも拡大する。東京、大阪、沖縄に展開している「ドコモ5Gオープンラボ」を、今月からグアムにも展開。ここから海外パートナーへもアプローチする。「国境を超えた協創も実現できるようにしたい」とした。

5Gサービスの協創はグローバルへも拡大

新組織として設置される「5G・IoTソリューション推進室」については、「地域のみなさんには全国のドコモ法人営業部がサポートするが、推進室チームはソリューション実装としてそれをしっかりと支援する」と説明した。使ってみたいサービスやソリューションにマルをつけるネクストアクションシートが用意されており、「これを提出いただくと支援部隊が駆けつける。ぜひシートをお書きいただきたい」と紹介した。

「5G・IoTソリューション推進室」を新設

NTTの事業戦略として「5Gはネットワークの提供として通信事業にも関連するが、パートナーと協創することによって新しいビジネス、ソリューション、サービスも生まれる。5Gはパートナーの皆様との利益や成長を生み、非通信事業での成長のドライブとなるもの」と位置付けられた。

5Gは非通信事業での成長のドライブ


最後に吉澤氏は「ぜひ皆様と一緒にやっていきたい」と強調し、5Gの展開に大きな期待を寄せた。

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