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ホームシアターがもっと身近になる

“レンタルするホームシアタールーム”「アバック座」が女性からも支持、ライブ鑑賞など楽しみ方の幅を広げる

公開日 2019/03/06 17:26 Senka21編集部・竹内純
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■徹底した作り込みでホームシアターへの憧れを引き出す

“レンタルできるホームシアタールーム” という斬新なコンセプトで、アバックが2017年12月に大阪・梅田に立ち上げた「アバック座」が好評だ。同社アバック座事業部長・小田裕子氏は「より多くの方にホームシアターを知っていただき、ホームシアター文化の輪を広げたい。そんな思いから立ち上げました。映画館さながらの環境を貸し切りにして好きなコンテンツが楽しめる。家庭ではなかなか味わえないし、また、周りの目を気にすることなく楽しむことができます」と魅力を訴える。

完全貸し切りのプライベートシアタールーム「アバック座」。随所にこだわり、映画館に匹敵するクオリティを実現する。スクリーンにも映画館で採用される音響透過型スクリーン(サウンドスクリーン)を採用

ホームシアター販売を手掛けるアバックでは、住宅展示場内への店舗展開、「自宅でお試しホームシアター出張体験サービス」の提供など、ホームシアターの啓発へ向けたさまざまな施策を積極的に展開する。世間では “ホームシアター” の認知度はまだ高いとは言えず、また、関心を抱いても、相談するためにホームシアター専門店まで足を運ぶのは敷居が高い。そうした課題を打開するホームシアター普及への新たなアイデア、それが「アバック座」だ。

ゆったりと寛げる幅広でリクライニング機能を備えたソファ。一人部屋用のソファにはマッサージ機能も装備されている

海外の映画館をモチーフにした内装や照明を備えた極上の空間には、電動リクライニング機能を備えたラグジュアリーなソファがあり、新宿アバック座と梅田アバック座Liveにはさらにスクリーン前に豪華な緞帳が下がる。大画面サウンドスクリーンに4Kプロジェクター、最新のイマーシブサウンドを含む立体音響システム、誰でも手軽に操作できるホームオートメーションを導入するなど至れり尽くせり。没入感を最大限に引き出すため定員は最大4名に設定されている(※後述する梅田アバック座Liveに例外あり)。

高画質の4Kプロジェクターを全室に採用する

「ホームシアターってこんなものなのかと期待外れの結果に終わってしまえば、反対にマイナスイメージになってしまいます。本格的なホームシアターを知ってもらうため、だからこそ一切妥協することなしにとことん作り込みました。扉を開けるとほとんどのお客様が『おっ、凄い!』と思わず声をもらします」と笑みをこぼす。

コストパフォ―マンスに優れた「Unisonic」のスピーカーの採用をはじめ、ホームシアターづくりで培われたアバックのノウハウが、それぞれの商品のコストパフォーマンスを最大限に引き出す

現在、「新宿アバック座」「横浜アバック座」「新潟アバック座」「梅田アバック座Live」「心斎橋アバック座」「博多アバック座」の6店舗を展開。一室の利用料金は店舗や部屋(1名用、2名用、4名用、8名用がある)で異なり、一幕当たり基本利用時間は2時間から2時間半で、2,000円から14,000円まで。地域性やラインナップされる部屋により客層は異なるが、男女比ではほぼ半々。「アバックのお客様は圧倒的に男性が多いですから、ホームシアターやアバックという店舗の存在を新しいお客様に知っていただく意味からも手応えを感じています」と順調な滑り出しを見せる。

劇場を思わせるエンターテイメントに溢れる室内演出。新宿アバック座、梅田アバック座Liveのスクリーン前には緞帳が下がる

■想定を上回る人気のライブやアニメなど楽しみ方は千差万別

映画を鑑賞するスペースが当初のコンセプトだが、スタートするとジャニーズなどアイドル系を中心としたライブやアニメのソフトを楽しまれる方が非常に多いことに驚いたという。「映画ソフトを購入した経験がない方でも、好きなアーティストのライブソフトは皆さん当たり前のように購入されているようです」。うちわやLEDペンライトまで持ち込んで楽しむお客様が少なくなく、同様にファミリー層では子どもが見るアニメDVD/BDの所有率が高い。

(株)アバック アバック座事業部長 小田裕子氏

アバック座にはソフトの用意はなく、利用者自身が持ち込むのがルール。レンタル店で借りてきてもいいし、待合スペースでは販売も行っている。また、スマートフォンでNetflixなどを再生して接続することもできる。「映画館というアバック座のコンセプトからすれば、当初は正直、『えっ、スマホで?』という印象でした。舞台鑑賞を楽しまれる方もいらっしゃいますし、コンテンツも楽しみ方も千差万別です。既成概念に捕らわれないことの大切さを改めて思い知らされました」。

映画鑑賞の雰囲気を高めるシックなエントランス

さらに、「プロポーズで利用されたお客様には本当に驚かされました」と振り返る。二人で思い出の映画を観ながら、また、スタッフに協力を仰ぎ、彼氏の自作動画を彼女が友達と見ているところへ彼氏が登場する凝った演出もあったという。レストラン等のシチュエーションではよく耳にする話だが、「二人にとってアバック座が一生忘れられない思い出の場所になります。こんなに嬉しいことはありません」。

アバック座の立ち上げにあたっては、アバック既存顧客へのDM発送やWEB・SNSでの告知活動を展開。現在は「こんなにいい所があったよと動画付きであげていただくなど、お客様に効果的に拡散していただいています」と手応えのもっとも大きかったツイッターを中心に展開する。「アバック座にいらっしゃる方は、ディスクやコンテンツを楽しむことが最大の目的です。いつでも気軽に利用できる傍ら、家庭でも映画館のような臨場感が楽しめるホームシアターの存在を知らなかったり、ホームシアターショップとしてのアバックを知らなかったりするお客様も少なくありません。アバックを知ってもらえたことは何より嬉しいこと」とホームシアターの裾野の広がりに期待する。

■30万円を切るホームシアタースターターセットを展示開始

「ガレージに趣味のクルマを何台も所有しているが、乗り回せる年齢でもなくなったので、今度はホームシアタールームをつくろうと思う」と相談に来た70代の方。「ホームシアターを始めてみたいが、まずはアバック座で実際に楽しんでから」という男性。いずれの例もホームシアター導入の相談をするためにアバックへ足を運ぶのではなく、アバック座に足を運ばれている。ホームシアターへ誘う新たな窓口として、アバック座が間口を拡げる役割を果たしている。

待合スペースではお菓子やジュース、お酒を含めた飲み物を販売。清潔なシアタールームを楽しんでいただくために、外からの飲食物の持ち込みは原則禁止とする

店舗は6つまで拡大、同時に、「さらに満足度を高められるものへと一店一店をしっかりと深掘りしていきたい」と語る。実際にふたを開けてみると、ライブやアニメのコンテンツを楽しまれるお客様が多く、最大定員4名を超える人数で利用したいとの要望も寄せられた。そこで、近接して立地する大阪の梅田アバック座と心斎橋アバック座が共に最大定員4名の部屋があったことから、梅田アバック座の定員を8名へ変更し、名称も「梅田アバック座Live」へ改称。「テストケースとして決断を下しました。要望が高かった食べ物・飲み物の持ち込みもOKとして、より自由度の高いサービス内容に変更してみました」とニーズを探る。

テストケースとして定員を8名として飲食可とした「梅田アバック座Live」。ただし、“コンテンツを楽しむ心地よい空間を提供する”というコンセプトには一切のブレはない

「ホームシアターの啓発」「店頭への誘導」「ホームシアターの導入・購入」とステップアップしていく流れを目指す中で、「ホームシアターを知らない人が本当に多い。また、多少知ってはいても、高価で自分には関係のないものだと敬遠されています」と指摘する。そこで2月よりアバック座の待合スペースに「100インチ・5.1chホームシアター スターターセット」(298,000円)の展示を開始した。ホームシアターが身近な存在であることをアピール。「100万円以上するのが当たり前のように思われているためか、価格差のギャップに皆さん大変驚かれます」と関心を引き寄せる。

ホームシアターを実現する実際の商品や価格を実感してもらうため、待合スペースに「100インチ・5.1chホームシアター スターターセット」(298,000円)の展示を2月からスタート

「ホームシアターをより身近な存在に感じていただき、販売店へと足をより運びやすくする環境づくりにも一層工夫を凝らしていきたい」と店頭誘導へのパイプを強化。「若い世代の人を中心にホームシアターをご家庭で始めてもらいたいですね。決して低いハードルでないことは認識していますが、ホームシアターへの興味を高めていくことで、導入へのより具体的なイメージを抱いていただければ」と訴えた。

「100インチ・5.1chホームシアター スターターセット」(298,000円)はアバック座に併設された店舗で限定販売する

■既成概念に縛られないアバック座にしかできないチャレンジ

アバック座では利用前に丁寧な説明を行うなど、接客面からも高い評価を集める。室内での機器の操作にはiPadを活用した集中型のタッチパネルリモコンを採用。タッチパネル上の「スクリーンシアターON」「スクリーンシアターOFF」のボタンを押すだけでよい。料金はホームシアター啓発に重きを置いてお手頃な価格に設定。ハードのみならずソフト面からも、ホームシアターへのハードルをぐっと引き下げる工夫が凝らされている。リピーターが多いことからも満足度の高さがうかがえる。

タッチパネルによる簡単快適操作なので、機械の操作が苦手な方にも安心

アバック座の楽しみ方や鑑賞するソフトのレコメンド、仲間募集などをつぶやける登録制のコミュニティ「アバック座倶楽部」も新たにスタートした。「もっと多くの人にアバック座を知っていただき、利用してほしいですね。そこから得られるお客様からの声を還元してさらに進化させ、お客様に寄り添う存在として展開していきます」と意欲を示す。

「1年余にわたるアバック座での経験から、専門店を経営するが故の固定概念が必ずしも当てはまらないといったことに何度となく気づかされました。アバック座は、そうした課題を飛び越えることができる存在です」と語る小田氏。「アバック座だからこそできることがあります。ホームシアターの魅力を伝えていくため、新しいコト消費のチャネルを持てたことに大きな意義を感じています」と力を込めた。

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