発表会とイベント体験会をレポート

ソニーの最新技術で渋谷に“未来”が出現。3日間限定の「WOW Studio」を体験してきた

編集部:小野佳希
2018年11月02日
ソニーの最新テクノロジーや研究開発段階のプロジェクトを体感できる実験的な展示を集めたイベント「WOW Studio」が本日11月2日から11月4日(日)までの3日間にわたって渋谷で開催される。開幕を前に、ソニー幹部や渋谷区長も参加しての記者発表会が行われた。



■渋谷に“未来”を出現させるソニーの最新技術

イベントの会場となるのは、渋谷キャスト スペース・ガーデン(東京都渋谷区渋谷1-23-21)、ソニースクエア渋谷プロジェクト(渋谷モディ1F)、渋谷モディ1F 店頭プラザ(東京都渋谷区神南1-21-3)の3ヶ所。ソニーの最新技術によって未来のグラフィティアートが体験できる「Doodle Pen(ドゥードゥルペン)」、Xperia Ear Duoを使って“音のAR”を体験できる「迷子のおばけたち - Sound AR with Xperia Ear Duo」など、「未来のストリートアートやゲームセンター、カフェを渋谷の街に出現させる」としている。

渋谷キャストの会場では、前述の「Doodle Pen」や“音のAR”「迷子のおばけたち」、未来のゲームセンターをイメージしたエアーホッケー「A(i)R Hockey(エーアール エアーホッケー)」といった複数の展示を用意。

「Doodle Pen」は、デジタルペンの動きを、ソニーが開発した高速ビジョンセンサー「IMX382」を利用して毎秒1,000フレームでセンシング。ペンの動きに追随してプロジェクションマッピングするというもので、壁などにまるで本当に絵を描いているかのような体験ができる。グラフィティ・アーティストのNumber-D氏も「ペンを動かして描かれるまでのディレイも気にならなかった。観光名所など実際には絵を描けない場所で(デジタルペイントでグラフィティを)描いてみたい」と語った。

グラフィティ・アーティストのNumber-D氏がデモを披露

“音のAR”「迷子のおばけたち」では、Xperia Ear Duoと専用スマートフォンを身に着けて会場内を散策。会場内で迷子になってしまったオバケを探すというストーリーで、池(の絵柄が描かれた地面)を通るときには自分の歩みに合わせてバチャバチャと水の音が聞こえたりする。

Xperia Ear Duoを装着して様々なイベントをクリアしていく。写真はジャンプして木の上のリンゴを落とすイベント。着地のタイミングにあわせて木が揺れたりリンゴが落ちる音がする

「A(i)R Hockey (エーアール エアーホッケー)」にも、高速ビジョンセンサー「IMX382」を活用。独自の予測アルゴリズム、触覚提示技術(ハプティクス技術)を組み合わせ、高速で移動するパックとマレットをリアルタイムにトラッキングし、動きに合わせたプロジェクションを実現している。

A(i)R Hockey

また、映像や音、光などを組み合わせることで様々な表現ができる体感型ステージ「Interactive CUBE」も設置し、著名DJを始めとするアーティストのライブも実施。Interactive CUBEの前にはAIBOも登場し、自由に触れ合うことができる。

Interactive CUBE

そのほか、原宿に本日11月2日から期間限定オープンする「うさまるカフェ」ともコラボ。ソニーの技術を活用したテーブルプロジェクションマッピング席を展開しており、料理をテーブルの上に置くとキャラクターが登場し、メニューに合わせたアニメーションが繰り広げられる。渋谷キャスト会場では、食品サンプルでコラボカフェでの演出を実際に体験することもできる。

料理や食器の絵柄をトリガーにプロジェクションマッピングが発動

こちらの料理ではうさまるが料理を温めてくれる

渋谷モディ会場では、エントランス前の特設会場に大きなデジタルメッセージボードを設置。Xperia Touchで渋谷のミリアいや思いを描いて、そのデジタルメッセージボードに表示させるなどといったことができる。

渋谷モディ エントランス前の展示

イベント期間中に、渋谷ファイヤー通りで義足アスリートとともに60m走の世界記録に挑戦する「SHIBUYA CITY GAMES」を行うことにちなんでアスリート用義足の装着体験もできる

また、渋谷モディ1階にあるソニースクエア渋谷では、独自技術「マルチディメンションオーディオ技術」を使った「新たな音楽体験」を展開。これは今回のイベントに先行して10月18日から公開されているもの(関連ニュース)で、スペース内の三方向に映像を投影し、17.1chのスピーカーシステムによってアーティストやオーケストラ、バックバンドが聴衆を取り囲んで演奏しているかのような体験ができる。

「新たな音楽体験」



■“文化を生み出し続ける街”渋谷とソニーの理念が一致

今回の「WOW Studio」イベントは、渋谷の産官連携プロジェクト「#SCRAMBLE」と10月中旬より「#SCRAMBLE×Sony」として行っている様々な取り組みの一環で、「渋谷の街やそこに集う人々との共創活動を通じて、テクノロジーを組み合わせることで新たなエンタテインメントの創出を促し、それにより醸成される文化の発展に貢献するとともに、クリエイターが創造性を広げる機会を提供していくことを狙いとしている」という。

渋谷区観光協会の金山淳吾 理事長は、「2年前に、アメリカのSXSW(サウス・バイ・サウスウェスト)でソニーが展示していたWOW Factoryに出会ったことが私のなかでの今回のきっかけだった」とコメント。

渋谷区観光協会 金山氏

「精神的・肉体的に障害をもつ成人に対して芸術面の支援をする『クリエイティブ・グロース・アートセンター』というNPOがオークランドにあるのだが、こういった取り組みとソニーのWOW Factoryのようなものをうまく融合させられれば渋谷らしいものが生まれるのではないかと思いソニーに相談したところ『ぜひ実現しましょう』と言ってもらった」と語る。

これに対し、ソニー(株)ブランド戦略部の森 繁樹 統括部長は、「2015年に渋谷モディへソニービジョン(500インチ超えの大型街頭ビジョン)を設置して以降、未来のエンターテイメントをつくっていく実験的な取り組みを何かできないかとずっと考えていた」のだとコメント。両者の理念が一致した結果、今回のプロジェクトにつながったことを説明した。

ソニー 森氏

また、渋谷で生まれ育ったという長谷部 健 渋谷区長は、古くは竹の子族やロカビリー族、コギャルなど様々なカルチャーが渋谷から誕生してきたことに言及。「渋谷に住んでいると言うと、人からは「いいね」と言われてずっと育ってきた。それは文化、イノベーションがが生まれ続ける街だからと思う」とし、今回のようなプロジェクトを積極的に行うことで「そのアクセルをさらに踏んでいく」と述べた。

渋谷区長 長谷部氏

そして前述の金山氏は、今回のイベントを小学生や中学生といった若い世代に体験してもらいたいと発言。「文化は長い時間をかけてつくっていくもの。小学生中学生といった世代が、こうした活動を体験して未来にどういう文化をつくっていくのかが非常に楽しみだ」とした。

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