いびきなど人の声を消音して眠りやすく

ボーズの “睡眠サポート” イヤホン「Bose noise-masking sleepbuds」本日発売、3万円

編集部:川田菜月
2018年09月06日
ボーズは、睡眠をサポートするイヤホン「Bose noise-masking sleepbuds」を本日9月6日に発売した。価格は30,000円(税抜)。

Bose noise-masking sleepbudsは、同社初となる“入眠サポート”に特化した小型ノイズマスキングイヤープラグ。左右独立した完全ワイヤレスイヤホンのようなデザインで、主に睡眠時の妨げになりがちな“いびき”や“ねごと”など、「人の声」を聞こえにくくし、入眠をサポートするという。6月21日に米国にて先行して発表され、すでに北米では販売が開始されている(関連ニュース)。

「Bose noise-masking sleepbuds」

搭載するノイズキャンセリング機能は、人の声をノイズと捉えて消音するため、中低域をコアとして効果的に消すことに注力し、新たに開発したもの。なおマイクは非搭載で、外音のノイズキャンセル処理などは行わない。

イヤホンの設定は、スマートフォンなどとBluetooth接続して専用アプリ「Bose Sleep App」から行う。なお、スマホからの音楽ストリーミング再生や音楽ファイルの転送・保存には対応しない。充電は専用ケースに入れてから約8時間、フル充電からの連続使用は約16時間。

専用ケースで充電する

メモリーを内蔵しており、各騒音の周波数に合わせた10種類の音源「sleeptrack」がプリセットされている。その中からシチュエーションに最適な音源を選んで音量を調整、眠りに入る前に再生をスタートすると睡眠中はループ再生されるという仕組み。

イヤーチップはシリコン製で、スタビライザーを一体化した本機専用の「StayHear+ Sleep tips」を用意。外部ノイズを物理的に遮音するという。また寝汗をかいても機器が故障しないようイヤホンは防滴加工としている。

ボーズは本日プレス向け製品発表会を開催し、Bose noise-masking sleepbudsの詳細説明およびデモンストレーションを実施した。

ドライバー、イヤーチップも新開発。ノイズ抑制に特化した超小型イヤホン

ボーズ合同会社 プロダクトマネジメント部 部長・大久保 淳氏は、まず製品の開発背景として「夜間の騒音問題は世界中に存在しており、成人の約60%は“寝つきが悪い、眠りが浅い”といった問題を抱えている。睡眠不足の慢性化による研究では、健康上様々な悪影響を及ぼすことが判明している」と説明。

ボーズ合同会社 プロダクトマネジメント部 部長・大久保 淳氏

騒音(ノイズ)に対しては、イヤープラグやホワイトノイズマシン、ヘッドホンなどノイズ対策を目的とした様々な製品が発売されている。ボーズではアクティブノイズキャンセリング機能を搭載したヘッドホンを発売しているが、「日中と夜間では感じる騒音の種類が異なるため、新しい技術とアプローチが必要」とし、快適で安定した装着感/一晩中持続するバッテリー/効果的なノイズ抑制の実現を目指して開発したという。

従来のボーズ製品に搭載されたアクティブノイズキャンセリング機能とは異なるものの、その技術を活かして開発されたという

ケースはつや消し仕上げのアルミ製

Bose noise-masking sleepbudsの筐体は、就寝時に負担にならず、快適に装着できるよう非常にコンパクトにできており、本体質量は約1.4g、外形寸法は約1cm四方と、ボーズ製品の中でも最小サイズ。内部には外側から充電式銀-亜鉛バッテリー、音源を保存するフラッシュメモリを搭載した回路基板、トランスデューサーを配置する。バッテリーも最大約16時間駆動と、充電した状態で使えば寝ている最中に音が途切れることもない。

装着した様子。小型かつ軽量で、イヤーチップも圧迫感がなくつけ心地が良い

スマホやタブレットとの安定接続を図ったという、レーザーエッチングによるアンテナは、筐体外側の周囲に配置することで、内部のスペースを確保している。カラーはホワイトで、これは暗い場所でも見つけやすいよう考慮したとのこと。

内部構成。アンテナはイヤホン外側の周囲に配置して、内部スペースを確保

本体のホワイトカラーは暗所でも見つけやすいよう考慮したとのこと

デモンストレーションでは、実際にBose noise-masking sleepbudsを装着し、同社のポータブルスピーカー「SoundLink Revolve」から流れるダミーの騒音に対して、どれだけ効果があるかを試すことができた。

本製品はStayHear+ Sleepチップによる物理的遮音と、本体に保存されたノイズマスキング用音源でノイズをマスキングするという組み合わせによって、より効果を高めているとのこと。実際に試してみて、特に近隣の話し声(ホテルの隣の部屋から聞こえてくるような声)といった騒音パターンの際には、川のせせらぎのような音だけが聞こえることで不快感が減りそうだと実感した。音源はデジタル加工を施してノイズマスキングに最適化しているとのこと。今後も追加予定としている。

ボーズのポータブルスピーカー「SoundLink Revolve」から、ダミーの騒音が流れてくるのに対して、ノイズ抑制効果を試した

ノイズと感じる音は消して、リラックス効果のありそうな自然の音によって安眠できるようサポートしてくれる

イヤーチップも本機用に新開発した。「優れた装着感と、寝返りなど横向きになってもその装着感を持続させる点が重要」とし、より人の肌になじみやすい、非常に柔らかなシリコンを採用。これにより高いフィット感と快適な装着感を実現している。

また遮音性も高く、装着するだけでもある程度ノイズが抑えられていた。この高い遮音性を発揮するためには、装着前にS/M/Lサイズの中から自分の耳に合う最適なものを選択する必要がある。

StayHear+ SleepチップはS/M/Lサイズ。記者はMサイズがフィットした

使用イメージ。実際に枕に耳を押し当てても、当たって痛かったり、装着したままで寝ている違和感といったものも感じなかった

製品の開発には、騒音管理や音響学、電子回路の微小化など各分野のスペシャリストを集めて専属チームを編成。夜間の騒音には、いびき、犬の鳴き声、近隣の騒音、サイレンや車のクラクション、エアコンやエレベーター等の駆動音といった様々な周波数の音が存在し、数々の測定・分析が行われたという。

今回ボーズが“睡眠専用”の製品を手がけた理由として、「“より良い豊かな生活”のために、同社がヘッドホンなど従来製品の開発で蓄積した知識や技術を、さらに活用できないかと考えた時、睡眠という分野で活かせるのではと考えた」と語る。

ノイズによる睡眠障害を克服できるようなソリューション提供を目指す

「出来る限り多くの人たちに効果を体験してもらいたい」と、米国のクラウドファンディングサービス「Indiegogo」にてプロトタイプを試験導入したところ、プロジェクト開始からわずか6日で完売したという。その際に寄せられたフィードバックを元に品質改良を図り、今回の製品化を実現。なお出資者にはプロトタイプとの交換にて製品版の「Bose noise-masking sleepbuds」が無償提供される。

日本では本日9月6日から発売される本製品だが、北米では6月21日から先行して販売が開始されている。北米・日本市場の違いについて、Bose Corporation ウェルネス部門プロダクトマネージャー・Jack Yu(ジャック・ユー)氏は、「睡眠は健康的な生活に必要不可欠で、国や文化の違いは関係なく、誰にとっても重要。特定市場ではなく世界中で受け入れられる製品だと考えており、睡眠障害を克服できるようなソリューションを提供していきたい」とした。

専用アプリ「Bose Sleep App」を用いてスマートフォンなどと接続し、アプリでは、音量や再生時間、アラーム機能、サウンド選択が可能

現在は10種類の音源を用意。今後もファームウェアアップデートで追加していく予定

また、「睡眠障害は世界的に大きな問題で、日本でも成人の30%は睡眠時間が7時間未満、また50%は日中に眠気を感じているという調査結果もある」とのこと。「要因は様々だが、多くはノイズが影響している。北米では、いびきの音によって配偶者と同室で寝られなかったという問題が解消したなど、ライフスタイルの変化にも繋がったという意見もある。これは日本でも同様だろう」と語った。

Bose Corporation ウェルネス部門プロダクトマネージャー・Jack Yu氏

なおウェルネス製品の市場には、睡眠中の状態を記録してアラームのタイミングを最適化するなど、眠りのリズムや質の改善を図るアプリや活動計なども多く存在する。そうした方向性があるか聞いたところ、現時点で回答はできないとのことだったが、「ボーズの技術力を活かし、睡眠に対して様々な角度で研究を進めていく予定」とした。

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