昨年末の発売以来高い注目集まる

両耳独立 “完全ワイヤレス” イヤホン「EARIN」、開発者が語る誕生までの道のり

編集部:小澤 麻実

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2016年03月10日
モダニティが取り扱う、スウェーデン・EARINブランドのBluetoothイヤホン「EARIN」(関連ニュース)。耳栓のように身につけられる“完全ワイヤレス”で、カプセルに入れて持ち歩きながら充電できるというユニークなスタイルで注目を集めている。日本では2015年12月に発売がスタート。現在は多数の注文に製造が追いつかないほどだという。

“完全ワイヤレス”なBluetoothイヤホン「EARIN」

EARINブランドを手掛けるEpickal AB社は、2013年1月に創業したまだ若く小さな会社だ。Bluetoothイヤホン「EARIN」は、元々クラウドファウンディングサービス「Kickstarter」にて出資を募ったところ、約8,000人から150万ドルもの資金を集めたことでプロジェクトが具体的にスタートした。

Kickstarterで出資を募ったところ150万ドルもの資金を獲得。世界中で高い関心を持たれたプロジェクトとなり、製品化への道のりがスタートした

今回、創業者のひとりであるPer Sennstrom氏が来日し、「EARIN」誕生までの道のりとその魅力についてプレゼンテーションを行った。なおPhile-webでは同氏への単独インタビューも実施。こちらについては後日お届けする予定だ。

EARIN開発者で創業者のひとりでもあるPer Sennstrom氏


“完全ワイヤレス”を実現できた背景とは?

Epickal AB社は、スウェーデンの南にある学術都市・ルンドに本社を置く。創業者はCEOである電子エンジニアのKiril Trajkovski氏、メカニカルエンジニア・Olle Linden氏、そして電子エンジニアのPer Sennstrom氏。元々ソニーエリクソンおよびNokiaでの同僚だった間柄だ。お互い音楽が好きだったことから集まって話すうちに「通常のイヤホンからケーブルをなくしたい」というコンセプトが生まれ、EARIN誕生への道のりがスタートした。

ソニーエリクソンなどの同僚だった3人が2013年1月にEpickal AB社を創業した

しかし、その道のりは平坦なものではなかったという。Sennstrom氏は「当初の予定だと、今頃は大金持ちになっているはずだったのですが」と冗談めかす。


EARIN開発にあたっては様々な問題をクリアする必要があったという
まず問題となったのは、“完全ワイヤレス”を実現するための技術の問題だ。EARINは左右のイヤホン部のうち左ユニットとプレーヤーをBluetoothでペアリングし、左ユニットで受信したデータをL/Rchに分離して右ユニットに送信するしくみ。この開発に非常に時間が掛かったのだという。「実現の肝となったのは、小型で高感度なアンテナ。貧弱なアンテナだと音質などにも影響してしまいますから。新たな技術を開発し、特許を取りました」(Sennstrom氏)。

さらに、耳栓のように装着できるコンパクトサイズを保ちつつ、バッテリーやアンテナ、アンプを内蔵するのにも苦心したとのこと。

「筐体サイズとバッテリーの保ちのちょうどいい落としどころを見つけるのには試行錯誤しました。また、製造にも高い技術が必要です。製造委託を行った工場にも新しい方法を開発してもらうことになりました」(Sennstrom氏)。

結果、約1年半ののちプロダクトとして作れる見込みがついたことから、2014年5月にKickstarterで発表。出資者からのコメントをを取り入れつつアップデートを重ね、2015年12月、EARINの発売が開始となった。行ったアップデートは31回、寄せられたコメントは13,000にものぼったという。

2013年1月にプロジェクトが始動してから、プロトタイプ試作や製造方法の模索などを重ねた。その道のりは平坦なものではなかったという

「クラウドファンディングで資金を募ったのは、従来の方法では生活にも開発にも支障をきたすと考えたから。それに、出資者からダイレクトに反応がもらえますし、製品が魅力的であれば自然と注目も集まります。EARINの企画には自信がありましたし、成功する自信がありました。でも実際にKickstarterで発表してみると…。予想以上の反響でした」と振り返るSennstrom氏。


初回モデル(写真左)と製品版(写真右)。様々なブラッシュアップを重ねたがコンセプトはブレなかったという
しかし「様々なブラッシュアップを行いましたが、EARINのコンセプトは最初から全く変わっていません。それは、完全ワイヤレスであり、シンプルな操作性を持ち、コンパクトながら音質も優れるプロダクトということです」と語る。

今後の展開はどうなる?

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