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中国市場の減速により

パナソニック、‘15年度3Qは営業利益増も通期予想を下方修正

2016/02/03 編集部:小澤貴信
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パナソニックは、2015年度第3四半期(2015年4月1日〜2015年12月31日)の連結決算概要を発表。売上高は5兆6,713億円で前年同期比から1%減となった。営業利益は3,203億円で前年同期比から10%増、純利益は2,545億円で前年同期比から22%増となった。

国内売上高は白物家電は堅調だったが、太陽光発電システムや住宅設備機器の販売減などにより、全体では減収となった。海外売上は、BtoBソリューション事業の伸張に加えて、第2四半期までの円安による押し上げ効果などによって、収益改善に向けて販売の絞り込みを行うテレビ事業やデバイス関連の減収をカバー。全体では前年からわずかに増収となった。

2015年度第3四半期(2015年4月1日〜2015年12月31日)の連結決算概要

営業利益の増益については、事業の撤退・縮小による収益の改善、構造改革による事業構成の良化、高付加価値商品へのシフトなどが寄与したとのこと。また純利益の増益には、前年の営業外費用に計上した家庭用ヒートポンプ給油機の市場対策費用の減少などが影響した。株主に帰属する当期純利益は、1,602億円(前年同期比14%増)。

セグメント別の売上高については、アプライアンスの売上高は1兆7,772億円(前年同期比3%減)となった。テレビ事業の販売絞り込みの影響に加えて、中国におけるエアコンや冷熱空調デバイスの減販を受け、全体としては減収になったものの、白物家電や美・理容機器の販売は、国内・アジアを中心に堅調に推移したとのこと。営業利益は703億円(前年同期比21%増)となったが、これは為替の悪影響を白物家電などの増販効果やテレビ事業の収益改善等によりカバーしたことによる。

アプライアンスの売上高と営業利益

エコソリューションの売上高は1兆1,822億円(前年同期比3%減)で、配線器具やブレーカーなどの事業は、アジアを中心に堅調に推移したが、住宅関連事業や、国内市況の悪化影響を受ける太陽光発電システム事業が減収となった。営業利益は、太陽光発電システムの減販影響が大きく、大幅減益の556億円(前年同期比27%減)となった。

エコソリューションズの売上高と営業利益

AVCネットワークの売上高は8,541億円(前年同期比3%増)となった。これはバーティカルソリューション事業が好調を維持しており、全体の収益を牽引したほか、セキュリティシステムなどの映像・イメージング技術も堅調に推移したことによる。営業利益は、バーティカルソリューション事業の増販効果と前年までの構造改革効果により、大幅増益の506億円(前年同期比134%増)となった。

AVCネットワークスの売上高と営業利益

オートモーティブ&インダストリアルシステムズの売上高は、2兆632億円(前年同期比1%減)。車載エレクトロニクスや北米向けインフォテインメントシステムは増収となったが、インダストリアル事業における一部事業の終息影響や、エナジー事業におけるICT向け二次電池の減収により、全体としては減収となった。営業利益は、減販の影響に加えて、オートモーティブ事業の成長分野に対する研究開発費の増加などにより、前年同期に比べて減益の845億円(前年比5%減)となった。

オートモーティブ&インダストリアルシステムズの売上高と営業利益

その他の売上高は、4,151億円(前年同期比7%減)となった。パナホームは増収となったが、全体としては事業譲渡の影響を受け、減収となった。営業利益は、パナホームの増益も寄与し、41億円(前年同期比171%増)となった。

その他の売上高と営業利益

2015年度通期の見通しは、売上高を7兆5,500億円(前年比98%)、営業利益を4,100億円(前年比107%)、純利益を2,800億円(前年比153%)とした。中国をはじめとする新興国の景気減速などの影響による経営環境の悪化を背景に、中国におけるエアコン事業やデバイス事業、国内住宅関連事業などで販売が減少しているため、2015年4月28日に公表した連結業績見通しを下方修正した。

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