構造改革費用計上もあり最終損益は123億円の赤字

ジャパンディスプレイ、'14年度は中国向けスマホ需要などで増収も価格下落で大幅減益

編集部:小野佳希
2015年05月14日
ジャパンディスプレイは、2014年度の決算を発表。営業損益と経常損益では設立以来3期連続の黒字だったが、当基準損益においては、深谷工場の閉鎖を始めとした事業構造改善費用の計上などもあって約123億円の純損失(赤字)となった。

売上高は7,693億400万円(前年同期比25.2%増)で、営業利益は51億4700万円(前年同期比81.4%減)、経常利益は18億6,400万円(前年同期比90.2%減)、当期純損失は122億7000万円(前年同期は当期純利益33,918百万円)。

売上高は第2四半期においては大口顧客への出荷遅れや従来の大手グローバルスマートフォンメーカーからの需要減などの要因により低調だったが、第3四半期より大口顧客向けの出荷が拡大するとともに、中国向けのフルHD以上のスマートフォン向けハイエンドディスプレイの出荷が増加し、通期では前期を大きく上回った。

一方で、営業損益と経常損益は、第2四半期の売上高減少やディスプレイ市場価格の下落に伴う売価低下などの影響により、前期に比べ減少。

また、当期純損益については、特別利益として補助金収入が135億円あった一方で、特別損失としてこの補助金に対する固定資産圧縮損119億円を計上。これに加え、会社更生手続きを行った取引先の債権に対し貸倒引当金繰入額21億円を計上したことや、今後の事業競争力強化を図るべく世代の古い第3世代LTPS液晶ラインを有する深谷工場の閉鎖を決定し事業構造改善費用95億円を計上したことなどにより、当期純損失となった。

なお、当年度は茂原工場の第6世代LTPS液晶生産ラインを月産5万枚に拡張するとともに、拡大を続けるハイエンドスマートフォンディスプレイの需要に応えるべく、石川県白山市に第6世代工場の新設を決定している。

スマートフォン、タブレット、フィーチャーフォン用のディスプレイが含まれるモバイル分野の売上高は、全売上高の79.9%を占める6,150億5,200万円。スマートフォン市場の拡大に伴い、同社の得意とする高精細LTPS液晶ディスプレイの販売が大幅に拡大したという。特に、第4四半期には、タッチパネル機能をディスプレイに組み込んだインセルタッチディスプレイ「PixelEyes」搭載のディスプレイ売上高が大きく向上した。また、世界に先駆け、精細度の高いWQHD(1,440×2,560画素)ディスプレイにおいて、インセルタッチ方式のディスプレイ量産も実現させている。

車載用機器、デジタルカメラやゲーム機等の民生機器、医療用モニター等の産業機器用のディスプレイの他、特許収入などでの売上高は、1,542億5,200万円。米国や中国における自動車販売の好調を背景に、車載用ディスプレイの販売が安定的に推移したほか、ゲーム機用ディスプレイの販売も堅調だった。

また、今後の車載用ディスプレイの販売拡大を見据え、米国ミシガン州デトロイト市近郊に、アメリカ地域販売会社であるJDI Display America,Incの新たなオフィスを開設したほか、台湾の子会社、高雄晶傑達光電科技股份有限公司 (Kaohsiung Opto-Electronics Inc.)における車載用ディスプレイのモジュール組立の生産能力増強を決定している。

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