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公開インタビューにてサプライズ発表

【ヘッドホン祭】ULTRASONE、フラグシップ「Edition 5」の量産モデル「Edition 5 Unlimited」を発表

2014/10/25 ファイル・ウェブ編集部 小澤貴信
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ヘッドホン/イヤホン関連のメーカーが集うイベント「秋のヘッドフォン祭2014」が中野サンプラザで開幕。タイムロードは同社が取り扱うULTORASONEの最高執行役員であるMichael Zirkel氏を迎えた公開インタビューを行ったが、この場で“サプライズ”として新ヘッドホン「Edition 5 Unlimited」が発表された。

「Edition 5 Unlimited」

Edition 5 Unlimitedは2013年に発売された密閉型ヘッドホンのフラグシップモデル「Edition 5」(関連ニュース)の量産モデルとなる。価格は320,000円(税別)で、2014年11月下旬の発売を予定している。

ULTORASONEの最高執行役員であるMichael Zirkel氏

今回のインタビューは、そもそも発表済みの新製品である「Performance」シリーズと「iQ PRO」がテーマであったため、本機の発表は事前に告知されていなかった。しかし公開インタビューの終盤にて、Michael Zirkel氏が「サプライズがある」と宣言。突然の発表となったEdition 5 Unlimitedに、インタビューを観覧していた来場者からは歓声があがった。

サプライズとして「Edition 5 Unlimited」がポーチから取り出され、会場からは歓声があがった

Edition 5は、新技術「S-Logiv EX」と樫の埋もれ木によるエンクロージャーを採用したモデルで、世界555本限定にて発売。登場から1年足らずでこの上限に達したたことで、先日は生産終了もアナウンスされたが(関連ニュース)、再発を望む声が多く寄せられたことから今回の量産モデルを実現させたとのこと。

主な変更点は、希少性が高く加工の難しかった樫の埋もれ木を用いたイヤーカップを、内部構造やサイズはそのままに、他のEditionシリーズと同様にルテニウムコーティング素材のものに変更。表面はマット仕上げとした。これにより、Edition5の470,000円(税抜)という価格に対して、本機の320,000円(税抜)という価格を実現した。

世界限定555台で生産完了した「Edition 5」も展示された

Michael Zirkel氏はイヤーカップ素材の変更について言及。「埋もれ木というのは6千年から8千年の間、湿地帯に埋もれていた樫木で、非常に貴重なものです。そもそも、こういった材料をヘッドホンに用いるという発想自体がクレイジーで、加工も非常に難しいです。ただ、ほとんど化石化しているため軽量かつ緻密で、イヤーカップの素材としては理想的でした。しかし、とにかく貴重なため製品の価格も上がってしまい、もう少し価格を抑えられないかというリクエストもありました。ULTRASONEはお客様の要望にはいつも耳を貸すブランドですので、ならばと価格を抑えた量産型モデルを実現するに至ったのです」とコメントしていた。

イヤーカップ部は樫の埋もれ木からルテニウムに変更された

イヤーカップの素材を変更したことで音質に大きな変化が出てしまうのでは、という質問もあがった。Michael Zirkel氏はそれに答え、「イヤーカップをルテニウムに変更したことは当然サウンドにも影響しますが、ユーザーのためにもサウンドキャラクターをEdition 5と揃えたいと考えました。非常に困難な作業となりましたが、Edition 5と同じ傾向、かつ同レベルの音質を実現できましたので安心してください」とそのサウンドにも自信を見せていた。

一方でS-Logic EXや専用チタンプレイテッド・マイラードライバーは全く同等の構成をEdition 5から踏襲している。同社の低周波電磁波低減技術であるULE(Ultra Low Emission)技術も同様に採用された。

S-Logic EXは、自然な頭外定位を実現する同社の特許技術「S-Logic」を進化させたもので、Edition 5で初採用された。ドライバーをイヤーカップの内部に、振動板を前後・上下にそれぞれ斜めに傾けて、かつ耳の距離を離れた位置に配置することで、自然な臨場感と立体感を持つサウンドを再現することができる。

S-Logic EXや専用チタンプレイテッド・マイラードライバーは全く同等の構成をEdition 5から踏襲

ヘッドバンドはフルメタル仕様。イヤパッドとヘッドバンドにはエチオピア・シープスキン・レザーを用いている。なお、製造はドイツ本国にて行われている。

ケーブルは着脱式で、端子は引き続きMMCXを採用。NEUTRIK製ステレオ標準プラグを採用した4mケーブル、NEUTRIK製3.5mmステレオミニプラグを採用した1.5mケーブル、リモコンマイク付きの1.2mケーブル(ステレオミニプラグ)の3種類を同梱。そのほか、キャリングバック、クリーニングクロスが付属する。

なお主なスペックは以下の通り。形式は密閉ダイナミック型。再生周波数は5Hzー46kHz、出力音圧レベルは96dB、インピーダンスは32Ω、質量は280g(ケーブル含まず)。

また公開インタビューでは、もうひとつのサプライズが用意されていた。インタビューの最後にタイムロードの黒木社長より、限定版「Edition 5」を購入した方の中から抽選で1名(1ペア)を、ドイツのULTRASONE本社へ招待することを明かされた。抽選の対象となるのは、これまでの購入者、および今後の購入者の両方とのこと。詳細は後日発表されるという。

タイムロード 黒木社長

この公開インタビューでは、先行して発表されたPerformanceシリーズについても言及した。その詳細は別途レポートする。

なおMichael Zirkel氏への公開インタビューの第2回目が、明日10月26日の午前11時30分から同じく秋のヘッドホン祭2014の会場である中野サンプラザの、6階フラワールームで実施されるので、会場を訪れる方はぜひ足を運んでいただきたい。

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