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全体でも35億円の純利益計上

ソニー、テレビ事業が黒字転換 − 2013年1Q決算を発表

公開日 2013/08/01 15:49 ファイル・ウェブ編集部
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■円安の影響は?新興国市場の見通しは?

以下、質疑応答の模様をお届けする。

会見の様子

Q.スマートフォンとテレビの平均単価について、どれくらい単価がアップしたのか。

A.具体的には非開示だが、両方とも重点は高付加価値化。できるだけお客様にお金を払っていただける商品力にしようということでやっている。
スマホはXperia Z、Xperia Aが牽引している。テレビについては4Kだけでなく大型モデルでソニーのもっている技術を投入した商品を中心に単価アップが図られている。

Q.新興国市場の経済についてどのように感じているか。

A.中国は前年比だと実績は上がっているし年間でプラスとみている。ただ、当初計画との期待値では若干下回ってきているかなと感じる。中東は経済がどうということよりも、政情不安定な国がいくつかある。そういった要因が大きい。中南米は、ブラジルの経済が減速している。前年でからは伸びるとみているが、伸び率は期待よりも下回るとみている。

Q.ゲーム事業。利益見通しを引き下げているが、今期は赤字を見込んでいるのか。

A.5月時点で、収益は前年並み、ほぼブレークイーブンという話をしている。今回は為替の円安シフトということで説明しているが、円安はゲーム事業ではネガティブに効いていくる。一番大きいのはハードの製造で、ほとんどが海外での製造なため、そこでのコストアップ要因となる。そういった意味で為替の影響だけでいえばブレークイーブンを割ってくる。

Q.スマートフォン事業について、前年同月比の数字を教えてほしい。この1Qを終わって他社にはスマホ事業見直しという話もあったが、どういう商品が求められていると考えているか。

A.個別の数字については開示していない。どうやって収益を上げていくかということでは、ひとつにはお客様に喜んでいただける商品ということで持っている技術をすべて注ぎ込もうとした。そして、サプライチェーンの強化とマーケティングの強化も行った。エレキでもっている販売網はリテールで販売していく上で大変役にたつ。高付加価値商品に重点をおいているのが収益に貢献している。

他社についてのコメントは控えるが、ソニーグループとしてもっている様々な技術とお客様のニーズをできるだけ早くつかんで、よい商品を出していく。それがXperia ZやAの好評の理由だと思っている。また、今は特に競争が激しいのでグローバルに戦える体力も必要かと思っている。商品以外では、通信キャリアとの戦略的な提携は日本に限らず様々な地域でやっていく。

Q.PC事業について訊きたい。今後、ラインナップ追加などの対策は打つのか。

A.1Qの収益としては想定の範囲内。業界としてPCの出荷見通しは落ちてきているなかでのビジネスだ。想定からいくと出荷台数は影響をうけている。なかなか厳しい部分だ。

ラインナップ見直しは鋭意進めている。得意とするハイエンド領域を重点的にとっていく。ローエンドは、台数も落として、ハイエンドに注力するというのが基本的な考えだ。VAIO Pro13やDuo13は非常に好評なので、こういったところ中心にやっていく。

Q.映画と音楽ビジネスについて、収益をさらに上げるためにどういう取り組みが必要だと思っているか。

A.映画ビジネスでは、収益の柱になりつつあるのがテレビ施策やネットワーク事業だ。これをグローバルに展開するという意味では過去にもかなりの投資をしている。特にインドでの取り組みなどだ。コスト削減は全社通じて、共通して進めている。音楽については、成功要因は割と単純で、いいアーティストを揃えているということ。固定費削減との組み合わせで収益改善していく。

音楽出版、楽曲の権利ビジネスでは、EMIの出版部門を昨年に共同で買収した。この部分を大きくして収益を上げていく。CDから配信などへ音楽メディアは変わっていったとしても、大元の楽曲の権利なので将来に渡って収益が上がっていく。楽曲の権利そのものは不変なので大切な部分だと思っている。いわゆるパッケージメディアからデジタル配信にシフトするなか、音楽も映画もここが注力領域であり、ここに注力しているから収益も伸びている。

Q.経営戦略の話で、医療分野の強化ということがあったが現在の規模感や位置づけは?

A.我々の技術をいかせる分野だと位置付けている。例えば映像関係では、3D技術や4K技術を内視鏡に応用していくという切り口がある。また、画像の表示という意味では業務用OLEDディスプレイなどを応用していく。事業の規模感は2020年までに2,000億円くらいの売上にもっていきたいと考えている。医療分野については、様々な認可も必要なので時間がかかると思っている。

Q.サードポイント社との協議について訊きたい。どういう見解をもっているのか。

A.大変重要な案件なので時間を掛けてじっくり調査している段階だ。今の段階として見解はお話できない。

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