2013年度中の実用化目指す

富士通研究所、テレビ映像にデータを埋め込みケータイカメラで読み取る新技術

ファイル・ウェブ編集部
2012年06月04日
(株)富士通研究所は、テレビやデジタルサイネージの映像に情報を埋め込み、携帯電話のカメラで読み取って通信を可能にする新技術を開発した。

今回の技術は、テレビなどディスプレイに映る映像に関連した情報を、携帯電話でより手軽に利用できるようにすることを目的に開発された。

映像と携帯電話との通信をテレビやデジタルサイネージへ適用する場合、これまでは映像そのものの画質を劣化させないことと、離れた距離でも情報を受信できるようにすることが課題とされてきた。

富士通研究所では、光の点滅で0/1の情報を送信する「可視光通信」と、映像にノイズを加えて0/1の情報を伝える「電子透かし」のハイブリッド構成による技術を開発した。映像に微小な灯りを埋め込み、その微小な灯りの数を増滅することで、光通信のような明暗を緩やかに発生させ、情報を送信するというもの。ひとつずつの灯りの明るさは人間の目には認識できない程度だが、これらの数が変わることで、実際には灯りの総和が大きく変化するが、これを時間をかけて徐々に変化させることで、急激な明るさの変化を抑え、人間の目に負担をかけないようにしている。


開発技術の原理
また人間は画像の一部が急激に変化した場合はすぐに気がつくが、一方では徐々に変化した画像については知覚しづらいことから、今回の技術では当原理を明るさの明暗に応用して、画質の劣化を抑制した。


人間の目に知覚されなくなる仕組み
情報を携帯電話に送るためには、明暗のタイミングが異なる2種類の波を用意して、送りたい情報に応じて切り換えながら発信する。2種類の波の一方が「0」、もう一方が「1」を表しており、携帯電話は撮影した映像から画面の明るさの変化を抽出し、0/1の表示の順番を判定することで情報を読み取る。本技術では1秒で16bitの情報を送ることができ、2〜3秒程度撮影すれば受信が行えるという。


2種類の波で情報の送受信を行う
画面全体の明暗が人間の目に気付かれにくいため、明暗の変化を大きくすることができる。明暗の変化を大きくすると、より遠い場所から撮影しても検知できるため、例えばテレビを視聴中に、気になるCMを見つけた際、画面に近づかずに携帯電話のカメラをテレビの画面に向けて、情報が受信できる。


同社では本技術により、視聴者がテレビCMなどを携帯電話で撮影して、手軽にCMの商品サイトにアクセスしたり、サイトからクーポンを取得したりといったサービスが実現可能になるとしてる。またサービスを提供する側にとっても、CMの効果測定や、イベントに連動した新サービスの提供などができると説明している。


映像と携帯電話との通信による新しいサービスの例
今後はテレビの映像から携帯電話へ配信する通信速度を改善し、2013年度中の実用化を目指す。

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