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三洋の白物家電事業の一部をハイアールに譲渡

パナソニック、2011年度1Q決算を発表 − 売上高は前年同期比11%減

公開日 2011/07/28 16:14 ファイル・ウェブ編集部
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パナソニック(株)は、2011年4月1日から6月30日期間の第1四半期連結決算を発表した。計上された売上高は1兆9,295億円、営業利益は56億円。当期純利益は304億円の損失となった。

第1四半期連結決算の概要

昨年の838億円から大幅に下がった営業利益の内容分析


グローバル地域別の販売概況
同社は当期について、日本市場における自動車販売に好転の兆しが見られたほか、省エネ家電の需要拡大など景気回復の動きがあったものの、東日本大震災の影響による厳しい状況が続いたとしながら、加えて米国経済の停滞懸念やインフレなどの影響を受け、景気が減速傾向にあったとの見方を示した。

このような経営環境のもと、同社では創業100周年ビジョン「エレクトロニクスNo.1の環境革新企業」を実現するため、3カ年の中期経営計画「Green Transformation 2012」における2年目を迎え、成長へのパラダイム転換や環境革新企業への基盤づくりに取り組んでいた。しかしながら震災の影響により、第1四半期の連結売上高は前年同期比で89%の1兆9,295億円となり、また営業利益についても、材料費の合理化や固定費削減への取り組みを徹底しながらも、前年同期比で7%となる56億円に留まった。

デジタルAVCネットワーク事業は、BDレコーダーが好調に推移したが、薄型テレビやカーエレクトロニクス、携帯電話などの売上が減収となった。営業利益は販売減や円高の影響を受けて160億円の損失を記録した。

デジタルAVCネットワーク事業の業績内訳

ホームアプライアンス事業は前年同期比で6%増となる3,429億円を計上。エアコンの好調、洗濯機や電子レンジの堅調な伸びが増収に結びついた。営業利益は336億円を確保した。また電工・パナホームの部門は建築関連部門の電材・住建や電器部門が好調となり、売上高が前年同期比で7%アップとなった。営業利益も106億円と、前年から良化している。

アプライ部門の業績内訳

パナソニック電工の業績内訳

なお各種デバイスを製造するPED(パナソニックエレクトロニックデバイス)社は、今期は売上高788億円と前年同期比82%であったものの、昨年よりも利益率が改善。59億円の営業損失が、27億円となった。今後PED社は全投資額の6割をスマートフォン向けに投入。独自技術を使ったデバイスを海外で増産し、2013年までには売上高1,200億円を目指すという。

PED社はスマホ向けデバイス強化を図る

なお2011年度 第2四半期の連結業績見通しについては、6月20日公表時点の内容(関連ニュース)から変更しないことも明らかにされた。

■三洋電機の白物家電事業の一部をハイアール社に譲渡へ

また、三洋電機の家庭用・業務用洗濯機事業、家庭用冷蔵庫事業、東南アジア4カ国における白物家電販売事業を、中国海爾集団公司(ハイアール社)に譲渡することが明らかにされた。グループ内での重複事業を整理するため。「パナソニックブランドに集中することで、商品力強化と事業拡大を狙う」(上野山氏)とのことで、既に三洋電機の白物家電技術者が、パナソニックの製品開発に合流しているという。

ハイアール社に対して、ベトナム/インドネシア/フィリピン/マレーシアでの一定期間「SANYO」ブランドでの洗濯機・冷蔵庫など特定の白物家電、およびテレビの販売を許諾するという。


今後、両社は2012年3月末までの段階的なクロージングに向け、2011年9月末までに最終契約を合意締結すべく、協議・交渉を進めていくという。

本日開かれた業績説明会では、「ハイアール社に白物家電事業の一部を譲渡することは、ライバル企業に技術を提供し対抗メーカーを育ててしまうことになるのではないか」という質問が上がったが、同社の上野山 実氏は「白物家電に於けるパナソニックの技術力は圧倒的であり、保有している商材も広範囲だ。譲渡しても、白物家電市場のなかでナンバーワンを維持できる力を持っていると考えている。ハイアールは技術確保、パナソニックは雇用確保ができ、双方にメリットがあるかたちで売却できたと思う」と自信を見せた。

パナソニック(株)上野山 実氏

「重複事業の整理はまだ中盤くらいの段階。まだ残っていると考えている。今後、売却あるいは構造改革を行うことで、これを整理していきたい」(上野山氏)

■質疑応答

以下、説明会で執り行われた質疑応答の主な内容を掲載する。

Q.テレビ事業についてはどのような構造改革をおこなっていく考えか。
A.今年4月28日の記者会見でも説明したが(関連ニュース)、設備投資凍結とプラズマ/液晶テレビの棲み分け再考によるデバイスにこだわらないインチ戦略、日本の生産拠点見直しなどによる収支改善を図る考えだ。台数ではなく、収益を重視していく。現在具体案を詰めている段階。こちらについては上期業績説明会で発表したい。

Q.テレビの販売台数は前年並ということだが、想定と比べるとどのような結果だったのか。また、通期の市場見通しについてどのように予想しているか。
A.想定していた数字からすると10%くらい少ない。特に液晶テレビでは想定との差が大きかった。今期は欧州での落ち込みが最も大きかった。今後は、日本では1,000万台程度の需要を見込んでいたものが1,500万台くらいまで増えると見ている。

Q.グローバル全体売上が前年を割っているようだが。
A.北米と欧州はAV市場が10%ほど下がっている。特に欧州は4月からどんどん落ち、6月には約32%ほどまでになった。全体需要が下がっているなか販売が苦戦しているのが大きな要因だ。

また、新興国においては2つの要因がある。メキシコとブラジルが昨年同期比で大きく落としたのは、昨年の1Qはワールドカップがあったため。また、1Qは生産が落ちてしまい中南米に製品供給ができなかったことも理由だ。ベトナムや中国では、インフレが進んでおり消費状況が悪化していることが上げられる。中国はコンシューマー売上は堅調であるが、インダストリー関係が悪かった。部品の

2Qは、新興国(特に中南米)の売上挽回を見込んでいる。

Q.円高、そして電力不足により、モノづくりを取り巻く環境は今厳しい状況にあるが、こういった環境について長期的にどう見ているか。
A.来年には原子力発電所が全て止まると予想しており、今年は勿論、来年も電力供給は厳しい状況が続くと見ている。円高については、現在の状況は異常であり、この円高は長くは続かないと考えている。

また今後の事業についてだが、電力、賃金、税金などの問題により、日本でのものづくりは極めて難しくなってきている。そのため、日本のなかで工場投資するのは難しい。リチウムイオン電池は蘇州、PEDは台湾、アジア、中国などに移管していかざるを得ないだろう。

Q.1Qの業績を受けても通年業績予想は変更しないとのことだが、1Qの損失を補う回復策はどんなものなのか。
A.1Qは、結果を見てみると思ったより利益が良かった。固定費の徹底した削減が効果を発揮したのではないか。今後1年間通じてコスト削減を行っていくつもりだ。2Qは現状、販売が当初見込みより上がっており、下期もこの傾向は続くと見ている。昨年は特にデジタルAVC事業で下期の業績が悪化したが、今年の下期はもう少し上げられると思う。これからは節電など環境事業、そして復興需要が売上につながっていくと考えている。

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