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「インストーラー」が主役に躍り出る!?

【年末特別企画】ホームシアターファイル誌編集長・川嶋がゼンブ答える! − 「2011年のホームシアターはどうなりますか?」<第2部>

2010/12/29 案内人/「ホームシアターファイル」編集長 川嶋隆寛
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住宅エコポイントで遮音対策もバッチリ!


川嶋 第2部では設備としてのホームシアターについて話しましょう。

『ホームシアターファイル』編集長 川嶋隆寛

2010年はホームシアターに関するソリューションが整備されました。これはとても面白い現象でして、iPadから内窓や住宅エコポイントまで、まったく別々で、全然関係なく見える事象が“ホームシアター”をキーワードにすると立体的な像を結んできます。

とりあえず「住宅エコポイント」「ネットワーク」「イージートゥユース」の3つに整理して話を進めます。

― 三題噺みたいですね。なんかまったく関係ないような気が…。

川嶋 まったく別々に見えるでしょ。でも全部関係しているんですよ。まず住宅エコポイントですけれども、どんな内容か知っていますか。

― ええ、うちも二重サッシにしようと思って、勉強したというか、妻に勉強させられましたから…(苦笑)。

川嶋 奥さんきびしいの〜、こわいの〜(笑)。じゃあ、奥さまに仕込まれた勉強の成果をちょっと披露してくださいよ。

― 家電エコポイントと同様に省エネ化を狙ったものでありまして、断熱性能の高い住まいを作ればポイントを差し上げますよ! というものであります。

新築の場合は、省エネ法の「次世代省エネルギー基準」を満たす住宅に一律300,000ポイント、リフォームの場合は窓まわりの断熱改修に7,000〜18,000ポイントが付与されます。掃き出し窓のような2.8平米を超える大きな窓には18,000ポイント、中型規模の内窓設置には12,000ポイント、小型の窓には7,000ポイントが付与されます。え〜、外壁や屋根・天井・床の断熱改修の場合は、外壁に100,000ポイントが…。

川嶋 ちょ…(笑)。はいはいはいはい、勉強されたことはわかりました。細かいところは経済産業省のホームページでチェックしていただくとして、とにかく住宅の高断熱化にポイントが与えられるわけですよね。で、住宅の高断熱化に手っ取り早いのが窓まわりのリフォーム、特に今ある窓にもう一つ窓を付け加える二重サッシ化。内窓の導入となります。これは窓一つならば1時間くらいでできますので、プチリフォームレベルです。

― あの、それがホームシアターのどこに関係あるのでしょうか?

川嶋 という質問を2010年はよく受け付けたんだけど(笑)。あの、逆に質問するけど、ホームシアターをやろうと思ったときにネックになることって何だと思います。

― いろいろあると思いますが。う〜ん、「お金がかかる」?

川嶋 …(苦笑)。まあそれもあるかもしれないけど、いまは安く始められるから。

― う〜ん…、う〜ん、なんだろうな…。ああ、「大きな音が出せない」。

川嶋 そう、そうです。『ホームシアターファイル』に寄せられる質問として、結構あるのが、防音に関してです。それこそ1千万円くらいかけて遮音工事をしっかりやれたらいいけど、普通はそんなスタジオみたいなものは作れないでしょう。でも、ブルーレイやDVD、CDなんかには適正な音量というのがあります。製作者サイドが、この作品はこのくらいの音量で楽しんでほしいという音圧レベルが。これが意外と大きいんですよ。でも住宅地やマンションだと音量は上げにくいですよね。

― お隣との関係がありますからね。

川嶋 じゃあどうすればいいのか? 音が漏れていくのは窓、ドア、換気扇、いわゆる開口部からが多い。実は壁とかからはあまり漏れません。特に音漏れが大きいのは、広い面積を占める窓です。ですから窓に遮音対策を施せば、もう少し音量を上げることができるんです。

そこで、手軽な遮音対策として内窓の導入を進めているんです。内窓をプラスして二重サッシ化すると、窓と窓の間に空気層が設けられますので、遮音性能が高まるというわけです。

― どの内窓でもOKなのですか?


AGC旭硝子の「まどまど」はとくにオススメしたい“ハイエンド内窓”
川嶋 どれでもかまいませんが、特にお薦めなのはAGC旭硝子の「まどまど」ですね。ガラスメーカーなので、ガラス自体がハイエンドなんです。「ハイエンド内窓」というか。ホームシアターショップのアバックやホームシアター工房などで取り扱っています。性能がとても高いですよ。あとホームシアターショップでよく取り扱っているのが、トステムの「インプラス」ですね。このふたつはショールームで実際に確認しましたが、遮音効果も良好です。で、高断熱化、高気密化が図られると、もうひとつ問題が出てくるんです。

― 遮音するだけじゃだめなんですか?

川嶋 遮音できて、大きな音で楽しめるようになるから、その点はいいんですよ。ただし音の逃げ場がなくなると、音が響きすぎることもあります。専門家は「音がライブになる」というんだけど、映画やコンサートのように映像をともなったサウンドは、もともと音に響きを付けているから、音は響かない方がいいんですね。音が響かないのは「デッド」というんですが、デッドの方がいいんです。これホームシアターの常識! …まあ、音が響きすぎるといろんな音響障害が出てきますし。

ソファーや人間でも、ある程度音は吸ってくれるんだけど、吸音材を使うことをお薦めします。吸音材は、大建工業やコスモプロジェクトからとても性能がよいものが出ています。これは『ホームシアターファイル』を読んでいただくとして、ひとつちょっとおもしろいものを紹介しましょう。「吸音ブラインド」というものがあるんです。


東京ブラインド工業の吸音ブラインド「フェルトーン」
東京ブラインド工業から発売されている「フェルトーン」(詳しいレビュー)という吸音ブラインドがあるんですが、リビングの美観を損なわずに吸音できるスグレモノなんです、これが。値段も手ごろだし、とりつけも簡単なので、これはお薦めですね。

…ちょっと話が逸れてしまいましたが、いずれにしても、住宅エコポイントをうまく活用すると、快適なホームシアターをつくることができるんです。

― 住宅エコポイントは2011年末まで期間が延長されておりますし。

川嶋 おお、勉強の成果ですね(笑)。


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