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3Dプリントサービスも実施

フジフイルム、3D撮影可能なデジカメを正式発表 − 裸眼で立体視できるビューワーも

公開日 2009/07/22 17:02 Phile-web編集部
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富士フイルム(株)は、3D映像が撮影可能なデジタルカメラ「FinePix REAL 3D W1」や、専用メガネ不要で3D映像を鑑賞できるビューワー「FinePix REAL 3D V1」など3Dデジタル映像システム「FUJIFILM FinePix REAL 3D System」を8月8日より発売する。

FinePix REAL 3D W1 ¥OPEN(予想実売価格 60,000円前後)
FinePix REAL 3D V1 ¥OPEN(予想実売価格 50,000円前後)
3Dプリントサービス ¥500(1枚・予定価格)
※「W1」と「V1」の10万円前後でのセット販売も予定

■2組の撮像システムから3D画像処理する「FinePix REAL 3D W1」

FinePix REAL 3D W1

スライド式カバーを採用

デジタルカメラ「FinePix REAL 3D W1」では、2つのレンズと2つのCCDで構成される、2組の撮像システムを搭載。それぞれの撮像システムから得られた撮影情報から、焦点・明るさ・色調などの撮影条件に基づき左右均一な画像を取り込み、画像を解析し3D映像に合成する。これまで実現が難しいとされてきた光学ズーム時の3D撮影も行えるほか、30fpsでの3D動画撮影も可能だ。なお、本製品は「PMA09」(関連ニュース)や「PIE2009」(関連ニュース)にも参考出展されていた。

モニター部の様子。操作ボタンは入力時に青く光る

機体側面の様子


会場には分解モデルも展示。こちらは搭載された3DレンズとCCD

3D制御システムの「リアルフォトエンジン3D」

レンズにはフジノン光学式3倍ズームレンズを搭載。解放F値はF3.7(広角)からF4.2(望遠)で、焦点距離は35mmフィルム換算で35mmから105mmに相当するf=6.3mmから18.9mm。デジタルズームを併用すれば3D時で最大3.8倍、2D時で最大約17.1倍までズーム可能だ。また、これら2基のフジノンレンズを、堅牢なアルミダイキャストフレームに搭載している。

撮像素子には1/2.3型CCDを搭載。有効画素数は1,000万画素で、L(4対3 3,648×2,736)/ L(3対2 3,648×2,432)/M(4対3 2,592×1,944)/S(4対3 2,048×1,536)の各画素数での記録が可能。記録メディアはSD/SDHCカードを採用し、本体にも約42MBのメモリを内蔵する。

底面にバッテリースロットとSD/SDHCカードスロットを装備

3D画像の記録方式はマルチピクチャーフォーマットに準拠しており、MPO形式を採用。デフォルトの状態で3Dモードのシャッターを切った際には、2DのJPEG画像と3DのMPO画像を両方記録するように設定されている。

モニター部には、独自開発の2.8V型液晶を搭載。左目と右目に届く光の方向を高速かつ高精度に制御し、両目にそれぞれ別の画像を投影する「ライトディレクションコントロールシステム」を採用し、3D表示を可能にした。なお、液晶は2D画像の再生も可能で、ワンタッチで3Dと2Dの切り替えができる。

3D撮影には、オート撮影のほかに「アドバンスド3Dモード」を用意。異なる角度からの2D撮影を2回行い、1枚の3D画像に合成する「3D 2回撮り」と、電車や飛行機などで撮影者が移動しながら視点の異なる2枚を連写することで望遠感を立体的に映し出す「3D時間差撮り」という2つの撮影方法も選択できる。

3D時間差撮りなどの撮影モードを用意。メニューにはモードの説明などのガイドも表示される

そのほか、3D映像の視差調整機能も搭載。液晶モニターの3D映像を観ながらマニュアルで立体感の強弱度合いを調整できる。

視野調整などが可能

また、2D撮影でも2つの撮像素子を搭載しているという利点を生かした「ツインカメラモード」を搭載。シャッターを1回押しただけでテレ端とワイド端を同時に記録する「テレ/ワイド同時撮り」や、色調の異なる2枚の画像を撮影する「2カラー同時撮り」、感度設定を変えてシャッタースピードの異なる2枚を撮影する「高/低感度同時撮り」といった撮影が行える。

テレ/ワイド同時撮りの例

2カラー同時撮りの例

機体にはUSB端子とビデオ出力、DC入力端子を装備。駆動には付属の充電式バッテリーを使用し、3Dオート時で約230枚の撮影までの駆動が可能。

■裸眼で3D画像の閲覧が可能な「FinePix REAL 3D V1」

FinePix REAL 3D V1

本機のリモコン

裸眼で3D映像を閲覧できるビューワー「FinePix REAL 3D V1」には、3D/2D両用の8.0V型液晶を搭載。解像度は800×600で、3D時には400×600×2チャンネル。アスペクト比は4対3で、輝度は約250ch/m2。本体に512MBのメモリーを内蔵するほか、機体背面にSD/SDHCカード/xDピクチャーカード用のスロットを装備している。

左右の目に別々の画像が分離して届く「パララックスバリアシステム」を採用。垂直方向の連続したスリットが入ったバリアを液晶パネル上に配置し、裸眼で3D映像の視聴を可能にしている。

72コマの画像を同時に再生できる「マイクロサムネイル」や、大量の画像の中から目的の画像を検索する際に便利な「ピクチャーサーチ」などの再生機能を搭載。スライドショー再生は20種類を用意している。

様々な再生機能を備えている

表示する画像データは、メモリーカードからの取り込み以外にも高速赤外線通信での受信も可能。「FinePix REAL 3D W1」とのUSB接続による画像取り込みも行える。そのほか、画像表示では「FinePix REAL 3D W1」同様に視差調整機能も搭載している。

操作面には、青く光るタッチキーとタッチバーを搭載。指先で軽く触れるだけで画面操作や画像検索、3D/2Dの表示切り替えなどが可能だ。

■3D画像のプリントサービスも実施

写真の上にレンチキュラーシートを重ね合わせて3D画像を表現する方式

発表会の会場にはレンチキュラー方式の原理を説明する模型も

同社では、上記2機種の発売に合わせて3D画像のプリントサービスも実施する。プリントサイズは2Lとキングサイズの2種類を用意し、価格は1枚500円を予定しているという。申し込みは同社のネットプリントサイトおよび写真店から受け付ける予定。

同サービスでは、高解像でにじみの少ない高画質プリントと、立体感を生み出すレンチキュラーシートを一体化。特別な処理で最適な位置合わせを行うことにより両目に別々の映像を届け、両眼視差を発生させて立体に見える仕組みを実現させた。

本日の発表会に出席していた同社説明員によれば、申し込み受け付けは「8月上旬ごろにはできるようになるのではないか」とのことで、納期はウェブでの申し込みで1週間〜10日、店頭での申し込みで10日から2週間程度だという。

プリントサービスについては詳細がまだ決まっていない部分もあり、同社では8月8日より特設サイト(http://fujifilm.jp/3d)で告知するとしている。

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製品スペックやデータを見る
  • ジャンルデジタルスチルカメラ/静止画編集
  • ブランドFUJIFILM
  • 型番FinePix REAL 3D W1
  • 発売日2009年8月8日
  • 価格¥OPEN(予想実売価格 60,000円前後)
●有効画素数:1,000万画素 ●撮像素子:1/2.3型 CCD×2 ●記録メディア:内蔵メモリー、SD/SDHCメモリーカード ●レンズ:フジノン光学式3倍ズームレンズ ●電源:充電式バッテリー ●本体外形寸法:123.6W×68.0H×25.6Dmm(突起部含まず) ●本体質量:約300g(付属バッテリー、メモリーカード含む)
  • ジャンルその他
  • ブランドFUJIFILM
  • 型番FinePix REAL 3D V1
  • 発売日2009年8月8日
  • 価格¥OPEN(予想実売価格 50,000円前後)
●画面サイズ:8.0V型ワイドTFT液晶 ●解像度:800×600(3D時→400×600×2チャンネル) ●輝度:250カンデラ ●再生可能メディア:SD/SDHCカード/xD-ピクチャーカード ●再生可能フォーマット:JPEG/MPファイル/AVI/3D-AVI ●消費電力:約15W(3D動作時) ●外形寸法:216.0W×162.0H×30.9Dmm(突起部/スタンド含まず) ●質量:約630g(スタンド含む)