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<IFA2008:VIP緊急インタビュー>IFA2008成功の背景をメッセ・ベルリン社ハイテッカー氏に聞く

2008/09/01
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メッセ・ベルリン社インフォメーション・コミュニケーション統轄本部長 イエンズ・ハイテッカー氏
世界最大のコンシューマーエレクトロニクスショー「IFA2008」は、9月1日より後半戦を迎える。昨年のショーよりもスケールを拡大し、来場者も数を増し、連日賑わいが続いている。早くも「大成功」と言ってよいであろう、IFA2008の手応えをメッセ・ベルリン社のイエンズ・ハイテッカー氏に聞いた。

IFAは世界最高のコミュニケーション・プラットフォームとなった

Q:IFA2008会場の熱気から、今年のイベントは間違いなく“大成功”であると言えるかと思います。この成功の秘訣はどこにあったとハイテッカーさんは考えていますか。

ハイテッカー氏:ドイツ国内の一般来場者の方々に向けては、MissIFAを用いた新しいキービジュアルで注目を引くなど、ベルリンをはじめとする都市でのプロモーション活動を徹底強化しました。プレスの方々、トレードビジターの方々に向けては、事前に各地域でIFAのプロモーション活動に力を入れてきたことが成果に結びついていると思います。

一般公開後は連日晴天に恵まれ、賑わいを増すIFA2008会場

Q:ハイテッカーさんが今年の展示のハイライトとして注目されたものをいくつかご紹介ください。

ハイテッカー氏:どれも素晴らしい内容ですので、何か特別に事例を挙げるのは難しいのですが、やはり一つめには“環境へのハイライト”を各社が競って見せてきたことです。省電力をアピールする製品が各ブースに立ち並び、環境問題への視点と関心をつくりだしました。環境に関するトピックスは欧州でも非常に重要であり、燃料費の高騰からも、今後さらに必要性を増してくると思います。

オーディオ・ビジュアルについては、ワイヤレス技術の展示に注目しました。ケーブルレスで映画や音楽が楽しめるというライフスタイルは、今後欧州の生活に大きな変革をもたらすことでしょう。またカメラ本体で撮影した写真データの編集・補正が行える商品など、入門者もオーディオ・ビジュアルがより簡単に楽しめる技術・製品が増えてきたことも、今後ユーザー層の拡大につながるものと期待しています。

Q:日本メーカーのコンシューマー・エレクトロニクス商品が欧州でヒットするための秘訣はどこにありますか。

ハイテッカー氏:日本メーカーの欧州におけるプレゼンスはとても高いものがあります。どのメーカーも欧州で成功するための技術力や開発力、強いブランド力を持っています。一方でヨーロッパのコンシューマーは決して「高い技術力」だけに注目しているわけではありません。彼らにとっては「ブランドイメージ」や「価格の手軽さや安さ」の魅力をもっと分かりやすく、強くアピールすることも大切です。例えばある日本のブランドに関して、そのブランドが日本のメーカーのものであることを知らない一般の方も多くいます。今後、日本のメーカーはそれぞれの商品コンセプトやブランドイメージをより強くコンシューマーにアピールするとともに、ヨーロッパの文化と人々をもっと深く理解しながらマーケティング力を高めていけば、さらなる成長を実現できるものと思います。

Q:今年のIFAは「超薄型テレビ」や「ワイヤレス伝送技術」など最新技術が紹介され、世界的なトレンドの流れと完全にマッチしたショーになりました。他の国で開催されるエレクトロニクスショーと足並みが揃ったいま、他のショーとの差別化を図る上で今後IFAは“独自の魅力”をどこに、どんな形でアピールしていきますか。

ハイテッカー氏:やはりIFAは一般来場者だけでなく、トレードビジターやメーカーの皆様にとって“最高のコミュニケーション・プラットフォーム”であることを特徴として強くアピールしたいと思います。IFAには欧州の様々な地域から、さまざまな文化を持つトレードビジターが集まる場所です。彼らは毎年この時期に開催されるIFAが、それぞれのビジネスの成長にとって極めて重要であることを知っていますし、実際にIFAで大きな成功を勝ち取っています。また現代のコンシューマー・エレクトロニクスやホームアプライアンスは進化のリズムがますます速くなっていますが、欧州はそれぞれに安定した成長を続ける市場を持っています。そこには安定したビジネスの成長を築くことのできる市場があります。またIFAが開催される街ベルリンは“文化のるつぼ”であり、様々な価値観が集うコスモポリタンな街であることも、忘れてはならない魅力の一つであると言えます。

Q:コンシューマ・エレクトロニクスの会場、ホームアプライアンスの会場、それぞれに集まる来場者に違いはありますか。


今年のイベントのテーマである「コンシューマー・エレクトロニクスとホームアプライアンスの融合」は成功を遂げている
ハイテッカー氏:一般のビジターについては確かに、エレクトロニクスにはマニアをはじめ先端技術や商品に関心のある方、ホームアプライアンスは家族連れと、それぞれにブースにいらっしゃる来場者の傾向に違いがあると思います。一方でトレードビジターの方々については全く反対で、エレクトロニクスとホームアプライアンスが共有する、例えば省電力化技術や進化したタッチパネル技術などのトレンドが一望できるIFAの魅力を、全てのホールをシームレスにご覧いただいて、実感をいただけているようです。

Q:最後に今年IFAに出展できなかったメーカーにメッセージをお願いします。

ハイテッカー氏:今年はエレクトロニクスとホームアプライアンスを融合させるという、IFAにとっても新しいチャレンジを実現することができ、大きな成功を収めようとしています。出展社の方々、トレードビジターの方々にも、それぞれのビジネスにさらなる広がりが見えてきたとご好評いただいています。ヨーロッパ最大のコミュニケーション・センターとして、来年はぜひIFAで手にできるチャンスを活用いただきたいと思います。

(Phile-web編集部・山本)

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