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さらば、グチャグチャLANケーブル − AV機器のネット接続は「無線LANコンバーター」で

公開日 2007/08/06 14:40
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■ネットワーク環境がマストになる次世代AV機器

昨今、レコーダーなどAV機器やPS3などのゲーム機がネットワーク接続に対応し、インターネット経由でさまざまなサービスを利用できるようになった。しかし、無線LAN機能を搭載する製品はごくまれで、ほとんどのネットワーク対応ゲーム機やAV機器は、有線LAN接続にしか対応していないのが現状だ。

これらの無線LANに対応しない機器をネットワーク接続するには、当然、有線LAN接続でネットワークケーブルを引き回すしかない。しかし、家の間取りによってはケーブルを引くのが面倒なので、ネットワーク接続を使っていない人も多いのではないだろうか。

これまでのAV機器は、ネットワーク接続機能はそれほど頻繁に使われていなかったので、それでもあまり問題がなかった。しかし、最近では、北米向けHD DVDソフト「FREEDOM」(バンダイビジュアル)のように、インターネット接続により、映像やデータをダウンロードできる市販コンテンツも登場してきている。次世代DVDでは今後、ネットワーク対応コンテンツが増えてくることだろう。次世代ゲーム機や次世代AVコンテンツを存分に楽しむにはネットワーク接続が必須となるはずだ。

東芝HD DVDレコーダー「RD-A600」の背面。ネットワーク接続のためのイーサネットポートを持つが、無線LANには対応していない

■有線LAN機器を無線でつなぐ「無線LANコンバーター」

そんな有線LAN機器のケーブル配線の悩みを解決してくれるのが「無線LANコンバーター」と呼ばれるジャンルの製品だ。無線LANコンバーターは無線LANルータと無線で通信する無線LANクライアントだが、USBなどでPCに接続し、無線LAN接続を可能にする通常の無線LANアダプターとはちょっと違う。

無線LANコンバーターはイーサネットポートを持っており、そのポートに有線LAN機器をケーブルで接続し、無線LANでホームネットワークに参加させることができる。たとえて言えば、無線LANコンバーターは無線でつながる「ネットワークハブ」のようなものだ。

有線LAN対応機器を無線LANコンバーターにケーブル接続することで、その機器は無線LANでホームネットワークに参加できる。写真は東芝RD-A600とアイオーデータ「WN-WAG/C」を接続しているもの

■どんな製品がある?

無線LANコンバーターは無線LANルーターを販売しているメーカーの多くから販売されている。たとえばバッファロー、アイ・オー・データ、NEC、コレガなどだ。

どのメーカーも、複数のネットワークポート(3〜4個程度)を持つものと、1つのポートしか持たないものの2種類を用意している。当たり前のことだが、1つのポートしか持たない製品の場合、当然、1つの機器しか接続することができない。これに対して、複数のポートを持つ製品であれば、ポートの数だけゲーム機やレコーダーを接続できる。

1つのポートしか持たない無線LANコンバーターでも、複数のポートを持つものでも、通常のイーサネットの場合と同様、ネットワークハブを接続することで複数の機器を接続できる。しかし、将来的に複数の機器を接続する可能性があるのなら、はじめから複数ポートを持つ無線LANコンバーターを選択すべきだろう。通常のユーザーなら、複数ポートの製品をおすすめする。

アイ・オー・データ「WN-WAG/C」


3つのポートを持ち、レコーダー1台と次世代ゲーム機2台を接続できる

主な無線LANコンバーター
メーカー 型番(クリックで公式サイトへ) 対応通信規格 ポート数 価格
NEC Aterm WL54SE2 11a/b/g 100BASE-TX×4 ¥OPEN(予想実売価格12,000円前後)
BUFFALO WLI-TX4-AMG54 11a/b/g 100BASE-TX×4 ¥12,075(税込)
BUFFALO WLI-TX4-G54HP 11b/g 100BASE-TX×4 ¥13,125(税込)
BUFFALO WLI3-TX1-AMG54 11a/b/g 100BASE-TX×1 ¥10,920(税込)
I-O DATA WN-WAG/C 11a/b/g 100BASE-TX×3 ¥16,485(税込)
I-O DATA WN-WAG/CM 11a/b/g 100BASE-TX×1 ¥13,125(税込)


■実際に使ってみる − 無線LANコンバーターの設定は?

無線LANコンバーターも設定が必要だが、設定項目は通常の無線LAN機器と同様だ。これはPCと有線LAN接続し、Webブラウザの設定ページから無線LANルーターの設定のSSIDやWEPキーなどのセキュリティ設定をそのまま入力するだけでいい。無線LAN機器の設定をしたことがある人なら、問題なく設定できるだろう。

写真はアイ・オー・データ「WN-WAG/C」の設定ページ

■有線機器の設定はそのままでOK

無線LANコンバーターに接続する有線LAN機器の設定は、普通の有線LAN接続と同じでいい。現在はルーターのDHCP機能によって自動的にIPアドレスを割り当てるのが標準的な使い方だが、無線LANコンバーターを使う場合でも、DHCP機能をそのまま使える。そのため、接続する機器のネットワーク設定でDHCP機能がオンになっていれば、自動的にIPアドレスを取得して、接続設定が終わる。

現在の有線ネットワーク機器はDHCPクライアント機能搭載が普通なので、通常、ケーブルを接続するだけで自動的に設定され、使えるようになるわけだ。これは次世代ゲーム機のPS3やXbox 360、レコーダーなどでも同様で、ネットワークケーブルを接続するだけで、ユーザーに特に設定することはない。

DHCP機能を搭載する東芝RD-A600ではケーブルを接続するだけで、自動的にIPアドレスが取得される


東芝レコーダーではネットワーク接続により、さまざまなオプショナルなサービスが利用できるようになる

■ネットワークが不可欠な次世代DVD環境への架け橋

前述のように、今後、次世代光ディスクコンテンツのネットワーク対応が標準的になってくると、AV機器もネットワーク接続が常識的に要求される。無線LANに対応しない製品が多い次世代ゲーム機やAV機器が多い現在では、それらをワイヤレス接続できる無線LANコンバーターは利便性が高い。ネットワークケーブルの引き回しに悩むケーブル難民にとっては、要注目の製品と言えるはずだ。

(一条真人)

一条真人 プロフィール
デジタルAV関連、コンピュータ関連などをおもに執筆するライター。PC開発を経て、パソコン雑誌「ハッカー」編集長、「PCプラスワン」編集長を経てフリーランスに。趣味はジョギング、水泳、自転車、映画鑑賞など。

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