DVD再生画質には不満も − 「PS3」購入1週間目の○と×

2006年11月16日
PS3の発売から約1週間が経ち、筆者宅には発売日に購入できたPS3が設置されている。発売日に掲載した記事では、BD-ROMプレーヤーとしての画質や操作性を中心に項目を決めてテストを行ったが、今度はこの1週間でテストした細かな設定などの結果をお届けしよう。なお、今回は視聴室ではなく自室でテストを行い、モニタはD4までの入力に対応した50型プラズマテレビを使用している。

今回は購入したPS3を約一週間使ったBD、DVDプレーヤーとしての使用感とPS3のネットワーク機能などをまとめてレポートする

●BDプレーヤーとしては性能十分、ただし出力解像度に制限がある

AVファンから見たPS3の位置づけは、やはりBD-ROMプレーヤーとしての用途だろう。画質については前回チェックしているが、購入した「プロデューサーズ」「南極物語」「アンダーワールド2レボリューション」といった作品を自宅で視聴するようになってもBDプレーヤーとしてのクオリティは十分。ディスク挿入からの読み込みも数秒で終わり、メニューの操作も快適でBD-ROMプレーヤーとしての完成度は高い。

ただし一点だけ、本体の騒音について前回記事を訂正しておきたい。この1週間使用した間、自宅で何時間も電源を入れたままの状態で使用していた結果、PS3の騒音はやはり多少大きいかもしれないという印象に変わった。前回は一般的なDVDレコーダーと同程度と表現したが、PS3はそれよりもよりうるさい。比較的静かなプロジェクター程度と表現すれば伝わるだろうか。

発売前から目を付けていたBDの3作品を再生してテスト。今月から来月にかけて相当数のBD作品のリリースされるため発売が楽しみだ

BDの再生はクロスメディアバーからディスクを選んで再生する。ちなみにディスクが入れっぱなしで電源を切ると、次回起動時には自動的に再生がスタートする

PS3とテレビとの接続方法は、HDMI端子ではなくD端子(独自のAVマルチ端子接続が必要)を使って接続することもできる。そこでHDMI接続からD端子に変更して映像をチェックしたところ、D端子の720pで出力した映像は輝度が低く精細感も甘いなど、メニューを一目見て分かるほどに出来が悪い。ただし同じD端子でも1080iのクオリティの映像は特に問題がなく、D端子出力は必ず1080i出力を使うことを推奨する。HDMI接続は精細感のある1080i、滑らかさを重視した720pどちらでも良いだろう。もちろんHDMI接続、D端子接続ともに1080pを使用できれば悩まずに済むはずだ。

PS3のD端子出力は独自のAVマルチ端子から接続する。PS2向けとして発売されていた周辺機器メーカー製のケーブルをそのまま使用できた

PS3はHDMI、D端子の同時出力が行われない。このため両方の端子を併用する際には本体の設定を毎回変更することになり、やや面倒

このほか、これはBD-ROMを再生していた際に確認したものだが、BD再生の際には映像出力の解像度設定が1080p/1080iに固定されているようだ。この制限により、メニューを720pで表示していた場合はBD-ROMを再生する際に解像度が自動的に1080iに変更される(メニューに戻ると解像度は自動的に元の設定に戻る)。また、HDMI接続で解像度を頻繁に切り変えた場合にはテレビとのコネクション確立に失敗することもあったが、その場合はテレビ側の電源を入れ直せば復帰した。普段から720pで表示していてBD再生時のみ切り替わる程度ならば特に問題は発生しないものの、いささか気になる動作である。

●DVDプレーヤーとしての性能には疑問

PS3を導入するAVファンのなかには、BDプレーヤーとしての性能のほかにもPS3を使って現行のDVDの再生にも使いたいという人も多いだろう。そこで実際にDVDを再生してDVDプレーヤーとしての性能もチェックしてみた。

DVDの画質はAVレビュー2005年3月号に付属していた「DTSデモディスク ナンバー9」を使ってテストした

PS3のDVD再生画質だが、率直に言ってあまり良くない。昨今のユニバーサルプレーヤーやハイビジョンDVDレコーダーなどはアップスケーリング回路を使ってDVDでも精細感を向上させているが、PS3の映像は良くも悪くもDVDそのままのクオリティといった印象で細部の表現は甘い。また、視聴中に特に気になったのが下の写真に示したシーンで、PS3を使ったDVD再生では、大画面で観るとすぐに分かるほどのアラが見えてしまった。

PS3で再生。全体に縦縞が入っているのが分かるだろうか。今回は機材の都合でD端子で撮影を行ったが、D端子よりHDMI接続の方が、また静止画より動画で表示した方が問題の縞がよりハッキリ分かる

別のプレーヤー(HD DVDプレーヤーのHD-XA1を使用)の映像。ちなみにこちらもD端子で接続して出力設定は480pを使用している

このように、PS3のDVD再生機としての性能は今ひとつと言わざるを得ない。将来的に、DVD再生画質もファームウェアのアップデートによって更新される可能性があるものの、しばらくはDVDレコーダーなど適当なDVD再生機器も確保しておいた方が良さそうだ。

●映像配信サービスもスタート

PS3には、ディスクのほかにも高画質映像を楽しむ手段が用意されている。SCEが提供するPS3向けのオンラインサービス「PLAYSTATION Network」を使った「PLAYSTATION Store」だ。ちなみに初回利用時にはファームウェアのアップデートとアカウント登録が必要となるが、ここでは省略する。

「PLAYSTATION Store」は、メニューの「ネットワーク」からアクセスできるインターネット回線を使ったゲームや動画などの配信・販売サービスだ

操作はPS3上で動作するブラウザを使って行う。上下左右キーで選び○ボタンで決定するという操作はなかなか使いやすい

「PLAYSTATION Store」で現在提供されているのは「007/カジノ・ロワイヤル」の予告編や各種BD-ROM作品のデモ、ゲームのデモ映像など。映像はどれも2分程度の長さだがAVCフォーマットを使ったHD画質で配信されておりBD-ROM作品の画質の良さを十分伝えてくれるほど高画質なものだ。家庭のテレビで気軽に再生できることもあり、無料で見られるデモとしては魅力的な内容である。

各種ゲームのデモ映像などで容量は60〜200MB程度。実測最大20Mbpsのテスト環境ではどれも5分足らずでダウンロードできた

ダウンロードした映像は内蔵HDDに保存されメニューの「ビデオ」に追加され、いつでも再生できるようになる

●次回は音質を中心にクオリティをチェック

今回はPS3のビデオ関係の機能をチェックしてみたが、AV機器として見たPS3の性能はこれだけではない。来週は音元出版の視聴室に取材の場を移して、音質などクオリティをチェックする。

(折原一也)

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