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「BD陣営の主張は笑止千万」 − 東芝の藤井氏がHD DVDの優位性をアピール

公開日 2006/03/31 19:07
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(株)東芝 執行役上席常務 デジタルメディアネットワーク社 社長の藤井美英氏
すでにお伝えしているように、(株)東芝は本日、世界初のHD DVDプレーヤー「HD-XA1」を発表、即日販売開始した。

発表会の席上、同社執行役上席常務 デジタルメディアネットワーク社 社長の藤井美英氏は、HD DVDフォーマットの説明を終えたあと、「気が小さいのであまりほかの悪口は言いたくないのだが」と前置きし、「最近のメディアの報道を見ていると、Blu-rayは高容量、HD DVDはディスクが低コストという構図で書かれているものが多い。また、BD陣営も『BDはレボルーショナリー、HD DVDは現行技術の延長線上』と説明しているようだが、これは非常に不本意。良い機会なので我々の主張を聞いてもらいたい」と、BDとHD DVDの技術面での比較について詳細に説明した。

藤井氏は、BD陣営が
・多層化技術
・ディスクのハードコーティング技術
・1080p再生
・BD-J(インタラクティブ技術)
・BD+(コピーガード技術)
の5点で優位性を主張していると指摘。それぞれについて、以下のように反論を展開した。

まず多層化技術については、「当初、BDは2層で50GBができると盛んに喧伝していたが、最近ではあまり聞かなくなった。0.1mmのコーティング層しか持たないBDより、0.6mmのHD DVDの方がはるかに多層化は簡単。BD陣営は50GB、100GB、200GBのディスクがいつ実用化するか説明する責任があるのではないか。HD DVDは現状で30GBの2層ディスクを実用化しており、現段階では30GBのHD DVDと25GBのBDでは、高容量なのはHD DVDということになる。技術的な意味でも、DVDに近い物理仕様で高容量記録を実現するため、BDよりはるかに多くの技術革新を行っている」と強く主張した。

HD DVDでは片面2層ディスクもローコストで製造できるとアピール

HD DVDとDVDを同一ディスクに収めるツインフォーマットディスクとコンビネーションディスクも用意する

光ヘッドの構造もシンプルと説明

ディスクのハードコーティング技術については、「技術はなかなか素晴らしい。我々も何かのかたちで利用したいと考えている」と一定の評価を示しながらも、「だからBDの方が優れているという主張は笑止千万。そもそも、0.1mmの保護層しか持たないBDでは、カートリッジに入れない限り必ずハードコーティング技術が必要になる。0.6mmのHD DVDは基本的にハードコーティングは不要だ」とBD陣営の主張を強く否定した。

1080p再生については、「素人を騙すには良い主張かもしれないが、テレビセット側でiをpに変換すれば何の問題もない。また、HD DVDでも将来的に1080pの規格化を検討している」と述べた。

BD-Jについては、「我々が搭載しているiHDとどこが違うのか。iHDを上回っているところがあれば教えて欲しい」と切り捨てた。

最後に、BD+については、「コピーガード技術の善し悪しは、コンテンツホルダー側の判断で決まるもの。AACSではダメというのは全く理解不能だ。我々がコンテンツホルダーとお話しして、BD+の方が良いと言ったのは1社だけ」とした。※初出時にBD+をソニーピクチャーズが支持している旨の表記を行いましたが、BD+を支持しているのはFOXです。お詫びして訂正致します。

ほかにも藤井氏は、「レンズとディスクの距離が短いBDでは、振動対策が必要になる車載用ドライブの実現はきわめて困難」と述べたり、PC用のドライブについても「BDではウルトラスリムドライブの実現は構造的にできない」と述べるなど、HD DVDの優位性をアピール。これらの主張をふまえ、藤井氏は「HD DVDはすべての面で技術的に劣っていない」と結論づけた。

(Phile-web編集部)

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