シャープ、モバイル機器向け広視野角液晶モジュールを開発〜発表会開催

2003年10月03日
モバイル液晶事業本部 片山幹雄氏 / 『モバイルASV液晶モジュール』を搭載した携帯電話のコンセプトモデル
●シャープ(株)は、モバイル機器向けの広視野角液晶モジュールを開発したと発表した。また本日、本技術に関して都内にて発表会が行われた。

発表会では、同社取締役 モバイル液晶事業本部 本部長の片山幹雄氏が新技術『モバイルASV液晶技術』を中心に新開発モジュールの説明を行った。

冒頭に同氏は、「ユビキタスネットワーク社会は、シームレスにつながることを期待している。人間が得る情報は、目と耳から得ることが大部分であり、同社はそこに注力した製品作りを続けてきた。今後、情報がよりシームレスにつながる端末が必要になってくる」と語った。

同社は、「システム化」、「音声の融合」、「高品位な映像」の3つの取り組みを進め、いつでも、何処でも、誰でもが映像と音を楽しめる“ユビキタスパネル”を目指した数々のテクノロジーを開発している。

今回発表された『モバイルASV液晶モジュール』は、液晶テレビ“AQUOS”に搭載されている『ASV液晶技術』と、携帯電話などに搭載されている半透過型液晶『アドバンストTFT液晶技術』を融合させることで、携帯電話やPDA、デジタルスチルカメラなどのモバイル機器向けに最適な、広視野角、高コントラスト、高速応答を同時に実現し、外光下で高い視認性を確保することができるようになった。

「カメラ付き携帯電話でのタテ撮り・ヨコ撮りや、デジカメ・DVカメラでの動画視聴の増加などの視聴スタイルの変化に対応する、『どこからでも見ることのできる液晶』を実現することができたのではないだろうか」と同氏は語った。


以下に発表会の最後に行われた質疑応答の内容を掲載する。

Q.今回の技術はモバイル機用ということで、低消費電力が重要ですが、携帯電話などで使われる2.4インチではどのくらいなのでしょうか?
A.透過率が落ちますので、バックライトを上げる必要があります。光学フィルムで上げることはできますが、LEDを増やすと消費電力はあげなければなりません。透過率が20%落ちていますが、商品によっては上げなければなりません。

Q.従来のテレビ技術と、モバイル技術のいいところを融合させたということですが、モバイルにASVを使う技術のブレイクスルーは何ですか?
A.液晶テレビは透過型なので比較的単純ですが、今回のモバイル技術は、構造は複雑。反射電極の場所と、透過電極の場所は厚みが違い、その中でうまく配向させるための構造や装置をすべてを開発することは非常に困難です。

Q.そうすると、コスト的にアップするのではないでしょうか
A.コストの話は、アップするとお客様に使ってもらえません。そこで、抑える努力はします。透過型であっても、反射型であっても、特殊なベースを使っているので、量産効果は期待できると考えています。

Q.12月からのサンプル出荷ということですが、具体的にどういう商品に使用し、どこで生産を行うのですか?
A.商品は、デジタルスチルカメラ、携帯電話、車などの相当な範囲にわたります。モバイル製品を扱う部門のすべてに展開します。

Q.従来のモジュールと比べてどのくらいの性能を発揮しますか?
A.従来のアドバンスTFTと比べて、一瞬にして違いがわかります。従来のコントラスト比は100対1さえありません。色再現性も高くなっています。人間の目が離れているために、実際のコントラスト比は下がってしまう。今回の液晶はブロードなコントラストを実現していますので、非常に高いコントラストを感じます。

Q.広視野角は、パーソナルユースの場では、他人に画面を覗かれやすいなどの不便な点があるのではないですか?
A.
Q.その問題を解決するために、スイッチで配向を変える仕様にしたりはできませんか?
A.またそういう発表をするときもくるでしょう(笑)

Q.今後モバイル製品は、すべて「モバイルASV」に変わっていくのですか?また、3D表示には使えますか?
A.3Dは簡単に作れます。お客様の中にはどうしても広視野角はいらないという方がいますので、本モジュールの完成ですべてのデバイスを用意しましたよ、ということです。でもきれいに見えるということは重要で、すべてを変えていきませんか?というのがシャープの提案です。

(Phile-web編集部)

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