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【PR】音楽遍歴やポータブルオーディオへのこだわりも

アニメ監督・水島精二氏に訊いた、Astell&KernのハイレゾDAP「KANN ALPHA」を愛用するワケとは?

2020/12/19 高橋 敦
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ツインドライヴ 楽曲制作における作家陣との対話と同調

── 一方で、キャラクターソングを筆頭に完全にその作品のためだけに曲を作り上げるパターンもある。『D4DJ First Mix』のユニット曲は、どのようにして生まれたのか?

水島監督 「作品のために、それに一番フィットして力になる曲を作りましょう!」という場合は、もっと具体的に要望を出したりします。例えば、『D4DJ First Mix』のオープニング曲、主役ユニット『Happy Around!』の曲である「ぐるぐるDJ TURN!!」を作る時もそうでしたね。

「ぐるぐるDJ TURN!!」の前に、すでに「Happy Music♪」という曲を出していたんですけど、その曲がMVも含めて、ユニットの個性もアニメでやろうと思っていたことも、先取りで詰め込んであるような主題歌的な曲だったんです。実際のアニメのオープニングはそれを超えたいし、「DJ」というものも表現したかった。

そこで思い浮かんだのが前山田健一、ヒャダインさん。彼の作り出す、目まぐるしく刻んでくる曲展開が、DJの「つなぐ」「まぜる」にも通じると思ったんです。その上でさらに「ダンスやクラブミュージックのこういうリズムが欲しい」とか、曲の構成も「真ん中には別ユニットのPhoton MaidenとPeakey P-Keyをフューチャーするブロックが入ってきて、サビはヒャダイン節で!」といった具体的なお願いもさせていただいて。

歌詞は、『BanG Dream!』から続いて『D4DJ』のストーリー原案も担当していらっしゃる、小説家の中村航先生が主に書いてくださっています。中村先生にも「音楽を始めたばかりで楽しくて仕方ない女の子たちの初期衝動に溢れた、言葉遊びとか擬音で押し切っちゃうような、わけのわからない勢いのある歌詞を」って、これまた盛りだくさんのお願いさせていただいたんですけど……。

結果的に、最高のオープニングといえる自信作に仕上がりました! ヒャダインさんはさすが、要望をすべて盛り込んだ上で、期待を超えるものにまとめあげてくれて、編曲は「Happy Music♪」の作曲・編曲も担当したPandaBoYさんと、もう最強の布陣です。

中村先生も、想像を超えてわけのわからない歌詞を書いてくれて(笑)。「潮干狩りTime!わけわかめNight!」「お皿を回してエンガワGet!」ですよ?天才だなって思いましたよね。才能溢れる作家陣とセッションのような感覚で作ることができました。

拭えぬ過去 ジャンルレスに乱れ撃つ音楽遍歴

── DJとしての活動においても、作品の音楽面においても、その土台には監督自身の音楽的素養、音楽と触れ合ってきた歴史があるはず。さてその音楽遍歴は?

水島監督 上に兄貴がいるんで、その影響は大きいですね。いつだったか兄貴がオーディオコンポを買ったんですよ。おかげで兄貴が部屋にいないときに使えるようになって。まだ子供でレコードを買うお金はなかったんで、最初はラジオばかり聴いてましたね。

学生時代に聞いたラジオ、レコードから「自分の好きな音楽」が形成されていったと語る水島監督

高校に入る頃には、当時の貸しレコード屋でレコードを借りまくって聴きまくるようになりました。その時期に「自分が好きな音楽」というものができてきた気がします。あと小林克也さんが洋楽ヒットチャートを紹介してくれる「ベストヒットUSA」っていう番組があって、Van Halennの「Jump」などはそこで知りました。

J-POPだといつ頃だったか、大滝詠一さん、佐野元春さん、杉真理さんが組んだ『NIAGARA TRIANGLE Vol.2』にハマって。そこから遡って、大滝詠一さん、山下達郎さん、伊藤銀次さんの『NIAGARA TRIANGLE Vol.1』も聴きましたし、「大滝詠一の多重録音すげえ!」とか言い出すわけですよ(笑)。それで音楽誌「レコパル」を読んでるようなやつと話すようになったりして、そういう音楽も聴きまくるようになりましたね。

あとハードロックやヘヴィメタル、プログレなんかも好きですね。それはLOUDNESSが全米進出に向けて作ったアルバム『THUNDER IN THE EAST』に衝撃を受けたのがきっかけでした。そこから「Burn」っていうHR/HM専門誌を買うようになって……僕みたいなマニア気質の人間はハマるととりあえず専門誌を買い始めるんですよ(笑)。

破壊による再生 ポータブルオーディオへの凱歌

── 音楽にハマった人間の何割かはオーディオにもハマる。ハマるか否かは、その人の趣味嗜好と、そして「きっかけ」に出会うかどうか、だ。水島監督が出会った「きっかけ」とは。

水島監督 ポータブルオーディオとして最初に使ったものは、何かに当選して手に入れた東芝の「Walky」っていうカセットプレーヤーです。それからCDにMD、DATのも使ったし、iriverのMP3プレーヤーも使いましたよ。HDD搭載時代のiPodはとにかく曲がたくさん入るところが気に入ってました。

そんな流れなので、ハイレゾ対応ポータブルプレーヤーも早くから使い始めてはいましたし、ちょっといいお値段のイヤホンなんかも使ってはいたんですけど……。

あるとき、イヤホンをまたもう少しいいやつに買い換えようと思い立って、どうせだったらプレーヤーもグレードアップしようと思ったんです。それで「アニメ業界でそういうのに強い人といえば…」って感じで、音楽プロデューサーの佐藤純之介さんに相談したんですよ。アニソン界のハイレゾ制作ハイレゾ配信への流れを牽引した方ですからね。

そうしたらこっちは「今買うならどんな製品がいいのかな?」ってくらいのつもりだったんですけど、なぜかオーディオ代理店のアユートさんを紹介されて(笑)。

「AK320」「SA700」などポータブルプレーヤーも多数所有。イヤホンもカスタムIEMから手軽な完全ワイヤレスイヤホンまで所持し、聞き方に合わせて使い分けるという

それで聴かせてもらったのが「AK320」です。ハイレゾ音源に限らず、CDからリッピングした音源、MP3音源でさえも、今までとはぜんぜん違う空間的な広がりを感じて。ポータブルオーディオの再生音質に対する、これまでの認識をぶち壊されましたね。それがAstell&Kernのプレーヤーとの出会いです。いま思い返すと「純之介さんに相談するなんて沼への一本道だったじゃん!」ってわかるんですけどね(笑)。

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