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<開発者&評論家対談>話題騒然の注目機! ソニー「SA-Z1」「DMP-Z1」の音質・思想・技術を徹底解明!

2020/09/09 構成:ファイルウェブ編集部
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ソニーのパーソナルオーディオ製品のフラグシップ機が連なるSignature Series(シグネチャーシリーズ)。ファイルウェブでは、ニアフィールドパワードスピーカー「SA-Z1」(税抜78万円)とデジタルミュージックプレーヤー「DMP-Z1」(税抜95万円)という超高級機コンビでのレビューを掲載したが、今回、両製品の開発者である加来欣志氏と佐藤浩朗氏にも直撃。オーディオ評論家・岩井喬氏を交えてオンライン対談を行い、その音質の秘密に迫った。

なお、今回1万字超という長編で特濃な記事になっているが、それでも取材時から泣く泣く削った部分も多い。ファイルウェブのYouTubeチャンネルでは、記事では削った部分も含めた対談取材時の様子を動画で公開しているのでこちらも合わせてチェックしてみてほしい。

■根底にあるのは長年培ってきた「ソニーの音」

編集部 SA-Z1とDMP-Z1については先日のレビュー記事のほか、国内発売決定時のニュース記事、IFAやCESといった海外イベント現地からのレポート記事など様々な情報をお届けしてきています。それだけ注目が高いモデルであるということですが、岩井さん、とんでもない製品が登場しましたよね。

岩井氏 そうですね、値段も含めて驚きました(笑)。加来さん、まずはSA-Z1の開発コンセプトを改めて教えてもらえますか? 加来さんはこれまでARシリーズなどピュアオーディオ系の製品に多く携わってきた方ですが、今回はなぜパワードのニアフィールドスピーカーだったのでしょうか?

オーディオ評論家 岩井喬氏

加来氏 少し長くなるのですが、まずは今の世の中の状況についてふれたいと思います。現在、音質にこだわりを持って音楽を聴く方々の「音楽の聴き方」は2種類あると思っています。まずは従来からのスピーカーリスニング、そしてもうひとつがハイエンドヘッドホンリスニングです。

ソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ(株) シニアアコースティックアーキテクト 加来欣志氏。SA-Z1の開発を担当

そして、ヘッドホンリスニングにおいては、ヘッドホンに対する褒め言葉として「スピーカーみたいな音だ」という表現を使うケースに出会うことが多々あるんです。つまり、ヘッドホンならではの音の解像感の高さに加え、スピーカーのような空間表現も求める方々が増えているということなのではないでしょうか。

一方で、ホームオーディオでもハイエンド化が進んでいますが、こちらでは部屋の影響を大きく受けるので、従来のスピーカーリスニングをハイエンド化していくのは少々ハードルが高い部分があるのは否めないと思います。

そこで、部屋の影響を受けづらいであろう第3のリスニングスタイルとしてニアフィールドリスニングを提案しようと考えたのが今回のSA-Z1です。ヘッドホンのような耳に直接届く解像度の高い音と、スピーカーならではの空間表現を両立させるというのが開発コンセプトなのです。

岩井氏 なるほど。佐藤さん、Signature Seriesとして目指していたものに共通点みたいなものはあるのですか?

佐藤氏 ウォークマン「NW-WM1Z」開発のときに(※佐藤氏は歴代ウォークマンも手掛けている)、加来さんに“フラグシップの音作り”とはどうあるべきかと相談しにいったことがあるのですが、「どんなジャンルでもちゃんと鳴らすのがフラグシップだよ」と言われまして非常に共感しましたね。

ソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ(株)エレクトリカルエンジニア 佐藤浩朗氏。DMP-Z1の開発を担当

正直、据え置きオーディオとポータブルオーディオの部隊って、音質の方向性についてそこまでいつもガッチリ擦り合わせているわけでもないんです。でも、話してみると根底に流れているものは一緒だったので、長年培ってきた「ソニーの音」が染み付いているのかなと感じてうれしかったですね。

■SA-Z1の音質は? 音楽ジャンルの相性は?

編集部 岩井さん、SA-Z1の音質についてはどう感じていますか?

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