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インタビュー

東芝映像ソリューション 中牟田本部長に聞く

東芝「レグザ」、9期振りの黒字化達成へ。営業本部長が語る改革への確かな手応え

PHILE WEB ビジネス編集部・竹内純
2020年01月28日
新たな体制構築に伴うさまざまな改革が実を結びはじめた新生・東芝映像ソリューション。2019年度は主力のテレビ事業が実に9期振りとなる黒字化達成が見込まれている。迎えた2020年は、東京オリンピックなどの大規模イベントも開催され、テレビ市場は一層の盛り上がりが期待されている。レグザの商品ラインナップや営業施策にもさらに磨きをかけ、手ぐすねを引く東芝映像ソリューション。次なるステージを目指す意気込みを、営業本部本部長・中牟田寿嗣氏に話を聞く。


東芝映像ソリューション株式会社
営業本部 本部長
中牟田寿嗣氏 Hisatsugu Nakamuta


プロフィール/1962年6月7日生まれ。福岡県出身。1985年4月 ソニー株式会社入社。パソコン「VAIO」やパーソナルオーディオのマーケティング、大手流通担当の営業に携わる。2019年5月 東芝映像ソリューション株式会社入社。営業本部本部長として、マーケティングや量販営業などの部隊の陣頭指揮を執る。趣味はバレーボール。

■“ワンチーム”となり強みを発揮

―― 新体制で生まれ変わり、新しい組織やさまざまな改革もいよいよ本格的に機能しはじめ、2019年度(2019年1月−12月)はテレビ事業として実に9年振りとなる黒字化を達成される見込みです。

中牟田 レグザを中心とした映像事業を手掛ける会社としての東芝映像ソリューションは、2016年が実質のスタートになります。前身の東芝時代から、テレビ事業は厳しい経営状態にありましたが、2019年度は黒字化の見通しです。実に、地デジ化でテレビ市場が活況を呈した2010年度以来、9期振りのことで、黒字化というひとつの結果が示せたことで、社員一同、さらに自信・元気が漲っています。

―― ハイセンスとのシナジーにより、部材の調達力をはじめとするコスト競争力の改善効果は言うまでもありませんが、お客様のライフスタイルやテレビ事業を取り巻く環境が大きく変化していく中で、いろいろな変革を実践されてきました。

中牟田 そのひとつが商流変更です。従来は、事業会社から販売会社を通し、流通へという流れでした。そこを、大手流通においては直接取引に変更する新たな商流を、昨年3月からスタートしています。当初、販売店の皆様にもご迷惑をおかけしましたが、ようやく軌道に乗りはじめ、効果を発揮しつつあります。

社内体制においては、これまで製品設計は東芝映像ソリューション、研究開発は東芝と役割が2つの会社に分かれていましたが、研究開発も東芝映像ソリューション内に一本化しました。これにより、東芝映像ソリューションにおいて、商品企画・研究開発から製品設計、そして営業に至るまでを一貫して行う体制が構築され、それぞれの意見も素早くフィードバックすることが可能となり、従来にはなかった大きな強みとなっています。

設計開発の責任者である安木上席副社長の席は私の3つ隣で、いつでも顔を突き合わせてダイレクトに意見の交換ができます。こんな恵まれた環境は他の会社には恐らくないでしょう。背水の陣を敷く中で、結果として、変化の激しい時代を勝ち抜くための理想的な体制を築くことができたのではないかと思います。

“ワンチーム”となった東芝映像ソリューションの強さをアピール

―― 中牟田さんが指揮を執られる営業部隊も多彩なタレントが集まっていらっしゃるそうですね。

中牟田 東芝のテレビ事業時代から長くレグザに携わってきたメンバーのほかに、いろいろな家電メーカー出身のものや、また、家電とは関係のない他業種からのメンバーがいます。そのため、コミュニケーションひとつとっても、これまで当たり前に使っていた用語が通じないなど不便なケースも見受けられました。身につけてきた企業文化や価値観が異なるわけですから、それをひとつに束ねていくことは正直、苦労の連続でした。

―― しかし、ひとつひとつの変革が、9期振りの黒字化として実を結んだ。

中牟田 東芝映像ソリューションという会社がまさに“ワンチーム”となった。皆の頑張りの成果に他なりません。販売店様にも大変感謝しています。

■健在!レグザ魂

―― 外から見ているとわかりにくくても、中に身を置くことで実感できた強みもあったのではないでしょうか。

中牟田 東芝映像ソリューションという組織の中に入った誰もが驚くのが、熱心なレグザファンの存在なんです。裏を返せば、いい商品を丁寧に作り続ける、決してぶれることのない姿勢と実践できる力が根っこにあればこそ、そこへファンが集まってくる。レグザの最大の強みですね。

例えば、レグザが業界に先駆けて提案を行った、見逃した試合や録り忘れたドラマも今すぐに楽しめる「タイムシフトマシン」は、本当に一度使われたらお客様はもう手放すことができません。テレビの買い替え時に、再びレグザを購入されるリピート率は我々の調査によると約95%にも及びます。

画質面からは映像制作に携わるプロの方からも高い支持を獲得していますし、約0.83msecのレスポンスを実現する低遅延ゲームモードは、「ゲームを楽しむならレグザ」と断然の評価が定着しています。趣味嗜好品であるオーディオとは違い、テレビは本来、生活必需品なのですが、レグザに限っては、趣味嗜好品的な色合いが大変濃い製品だと感じています。

熱心なファンからの支持を集めるレグザ。さらなるレグザファンの創造へ、メッセージの発信力を強化する

―― 熱心なファンに支えられている、しかも、そうした人たちのレグザへの想いが決して離れていかない。

中牟田 商品が大事なことは言うまでもありませんが、その魅力が伝わらなければ話になりません。どのようにしてお客様にメッセージをお届けするのか。私たち営業マンに求められているのは、わたしたちの想いを明確にわかりやすく伝え、ファンを創ることです。お客様はもちろんのこと、ご販売店の方も例外ではありません。

また、これまでの販促はどちらかというと、高い評価を集めるレグザエンジンによる高画質を正面切ってアピールするケースがほとんどでした。しかし、日々の生活の中でテレビを取り巻く環境や位置づけが刻々と変化していく中、ライフスタイル視点で新しい価値を伝える“コト軸の訴求”にも取り組み始めています。現在、「タイムシフトマシン」や「みるコレ」を前面に打ち出し、「レグザはクライマックスを見逃さない。」をキャッチコピーとして掲げてアピールしています。「過去番組表使っていますか」というキーワードを使ったバナー広告のクリック率は大変高く、私どものホームページに来訪いただけるなど、男性だけでなく、とりわけ40代・50代を中心とした女性層からも高い関心を寄せていただけるようになりました。

ここ数年、大変厳しい経営環境にあり、「せっかくいい商品を作り続けているのに」と行き場のない気持ちもあったと思います。しかし、マーケティングや営業戦略にも工夫を凝らし、それが成果としてつながってきた。“レグザ魂”は健在です。

■大型化、4K化でさらに注目高まるテレビ

―― 4K化や大型化の波に乗り、低迷を続けてきたテレビ市場もいよいよ上昇基調にあります。2020年はオリンピックが東京で開催されるほか、地デジ化により新しいテレビを手に入れたお客様もあれから約10年。重い腰を上げ、買い替えを真剣に検討するには絶好の機会となります。

中牟田 観戦チケットは大変高倍率で、実際にチケットを手にできたのは一握りの人に限られます。それならば、テレビの前で臨場感いっぱいに楽しんでもらいたいですね。過去にもこの時期はテレビを買い替えられる方が多いというデータがありますが、今回は東京での開催ですから、日本中が過去に例を見ない盛り上がりとなることは想像に難くありません。大画面の感動や高画質の感動で潜在需要を一気に顕在化させるチャンスです。春商戦から火をつけていきたいですね。

今回はNHK、民放を含めた地デジ6chすべてで長時間にわたり放送があります。年末年始などもそうですが、あれもこれもといった中から、見たい番組を臨機応変に見られる便利な機能がレグザの「タイムシフトマシン」。もっと多くの方に、その利便性を認知いただきたいですね。

使い始めたらその使い勝手から手放せない「タイムシフトマシン」

また、地デジをもっともキレイに見られるテレビがレグザです。5層のニューラルネットワークで映像の精細さを深層学習する深層学習超解像、映像の動きの速さに応じて適切なフレームを参照するバリアブルフレーム超解像、絵柄に応じた最適な復元処理で4K放送本来の美しさを再現する4KビューティX、地デジで気になるノイズを高精度に抑制する地デジビューティXなど、「AI超解像技術」により地デジも4K放送も圧倒的に美しく見ることができます。

地元開催となる今回は、テレビの年になることに疑う余地はありません。昨年のラグビーワールドカップの例を持ち出すまでもなく、他にもさまざまなスポーツ大会があり、そこへの注目度は大変高く、今年のテレビ商戦の鍵を握るのもスポーツです。お客様の関心がよりテレビにも向けられる中で、レグザの高画質の魅力を訴えるとともに、大きな強みであるタイムシフトマシンの認知を拡大する、大きなチャンスになると認識しています。

―― 低迷していたテレビ市場を一気に挽回して、新しい映像時代到来への機運を盛り上げていきたいですね。

中牟田 一昔前までは、一家にテレビが2台、3台あることは当たり前でした。スマートフォンやネット動画の普及により、今では子ども部屋にテレビはなくなりつつありますが、リビングには大画面高画質のテレビが置かれるようになってきていますので、今まで以上に大画面の感動と高画質の感動を訴求していきたいですね。

また、地上デジタル放送、衛星放送、ネット動画などの垣根がなくなりつつあります。8Kテレビも注目されるなどテレビ視聴の環境が大きく変わる中で、レグザは好きなタレントやジャンルを、テレビ番組に限らず、ネット動画を含めて見つけて楽しむことができる「みるコレ」の提案にも力を入れています。ネットとの親和性が大変高い機能ですが、こうした提案が強化されたのもここ数年のこと。今後も新たな視聴スタイルの提案に積極的な取り組みを展開していきます。

■シェア急伸、20%も目前

―― テレビ市場の一層の盛り上がりが期待される中で、「レグザ」の市場シェアが伸長しています。

中牟田 当社調査では、昨年4月末には10.4%だった数字が、直近では17.9%まで伸長しました。WEB販売を除いたリアル店舗のみのデータでは19.1%と2割に迫ります。商品の価値を認めていただき、最近ではご販売店が企画して行われるキャンペーンでも、レグザを採用していただけるケースが増えてきています。流通の皆様とも一緒になり、力を合わせて、進化したテレビの価値をお伝えしていきたい。

お客様は、今お使いの商品を購入された時のおおよその価格が感覚として残っていて、それをベースにして買い替えの金額や予算をイメージされています。すると、50V型超の大画面、そして有機ELも予算内になるお客様が数多くいらっしゃいます。液晶から有機ELへのシフトも本格化し、2020年は有機ELモデルの販売が飛躍的に増えると予想しています。

進化するレグザの価値を訴えていく

―― 御社の商品戦略においては、これまで市場でおざなりにされがちだった“テレビの音”の訴求に対するレグザサウンドシステム、テレビの壁掛けへの要望が高まる中、より幅広いニーズえる壁寄せテレビローボードなど、テレビの“コト提案”をフォローする独自発想のアイテムにも力が入ります。

中牟田 壁寄せテレビローボード「RWB-S150A」には大変大きな反響をいただきました。また、とりわけ音の訴求については、元々“重低音バズーカ”として、業界の先頭を切って提案を展開していた、いわば東芝テレビの十八番です。今年も音質面からさらに迫力あるサウンドをお届けして参りますので、楽しみにしていてください。

―― それでは最後に、9期ぶりの黒字化という成果を起点に、次のステージを目指す意気込みをお聞かせください。

中牟田 東芝映像ソリューションは社員一同、ますます元気が漲っています。黒字化はそのひとつの結果です。最高の商品とサービスを提供し、お客様のライフスタイルをより豊かに、便利に、楽しく変えていく。それが東芝映像ソリューションの掲げる経営ビジョンです。渾身の思いを込めて市場に送り込む商品の溢れる魅力をもっとわかりやすく、ひとりでも多くの人に徹底してお伝えして参ります。どうぞご期待ください。

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