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【特別企画】2機種の製品レビューも

64 AUDIO ファウンダーに聞く、新ユニバーサルIEM「tia Trio」「U12t」に搭載された最先端技術の秘密

山本 敦

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2018年02月13日

シェル内部の空気室のサイズを最適化して、ダイナミック型ドライバーの背圧から生まれる空気の流れをバネのように使ってドライバーをスムーズに動かす。その効果を滑らかで力強い中域の再現力に結びつけている。

ヴィタリー氏は、『ミドルレンジ専用のドライバーを設けるよりも自然な音の繋がりを生むことができた』とその効果について触れながら、将来64 AUDIOのラインナップに広くこの技術を展開したいと述べた。

FXCは今後の64 Audio製品にも展開していきたいという

このFXCに加えて、エンクロージャーの筐体をオープンにした高域用のBA型ドライバー、各ドライバーから出力された音を1つの太い音導孔に導く「シングルボア設計」により、音導管やダンパーに起因する不要な共振を排除する技術などを束ねた最新の「tiaシステム」がtia Trioに搭載されている。

本体に付属するケーブルと低反発フォームタイプのイヤーチップを装着し、サウンドをチェックした。イヤホン側は2ピンの端子を採用するリケーブルと互換性を確保している。

その音質は鮮やかで、メリハリの効いた音を聴かせてくれるイヤホンだ。全体にバランスが良く解像度も高いが、特に中低域の張り艶が豊かで、ボーカルや主旋律のメロディをくっきりと鮮やかに描いてみせる。

東京スカパラダイスオーケストラの「Paradise has NO BORDER」から『Bliever』では、管楽器やピアノの音像が力強く定位し、前に押し出してきた。中高域がクリアでにじまず、手を伸ばせば目の前にいる演奏者に触れられそうな臨場感が迫ってくる。

特に中高域が豊か。クリアで臨場感あふれるサウンドを鳴らす

カラヤン指揮、ベルリンフィルによる「ドヴォルザーク:交響曲第9番 新世界より」の第4楽章では、荒波を航海する帆船のように力強いうねりをあげるオーケストラの抑揚感に身を任せられた。描き出される音場はスケールが大きく、尚且つひとつ一つの楽器の音にピタリと正確にフォーカスが定まる。柔軟でスピード感も豊かな低音に心地よく包まれた。tia Trioのサウンドは粘っこくて密度が濃い。同じ曲をU12tで聴くと爽やかな清涼感との対比が感じられた。

音楽のリスニング感を高めて、長時間再生の際には耳にかかる負担を軽減する「apexテクノロジー(Air Pressure Exchange)」は、いまや64 AUDIOのトレードマークだ。tia Trioには「Apex m15 Modules」に相当する低音減衰と、-15dBの遮音効果を備えたモジュールが内蔵されている。

モジュールをビルトインタイプにした理由を、ヴィタリー氏はフェイスプレートの美観をキープすることを優先したからと説明している。ハウジングの側面に設けられた小さな孔がベントの役割を果たしながら、ドライバーの背圧を最適化する。抜けの良さと開放感はまさしく64 AUDIOのイヤモニならではの持ち味だ。

「U12t」はtiaテクノロジー採用で、不要な共振を抑えリニアリティを向上

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