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新店舗で採用した様々な新しい取り組みとは?

ビックカメラ宮嶋社長インタビュー。調布の新店に手応え、オムニチャネルにも本腰

2017/09/29 Senka21編集部:徳田ゆかり
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本日9月29日、東京都の京王線調布駅の地下化による再開発で誕生した商業施設「トリエ京王調布」内にビックカメラ京王調布店がオープンした。同社代表取締役社長の宮嶋宏幸氏が取材に応え、新店への手応えとこれからのビックカメラの展開を語った。

ビックカメラ 宮嶋社長

― オープンの手応えは。

宮嶋 地元の方々の期待が伝わってきます。昨日のプレオープンで限られた地元の方々に来ていただきましたが、皆様から応援や期待のこもった声を頂戴し、大変手応えを感じました。

京王調布店はこれまでの店舗と少し違う構成になっています。これからは特に女性のお客様からご支持いただき、もっとリピーターになっていただきたい思いがありますから。

家電店は女性にとって1人で行きづらい存在。それを払拭したい思いは5年前にビックロをオープンさせて頂いたときも同様でした。提案型の店作りをして、商品も若い女性を意識したデザイン性の高いもの、フォトジェニックなものを揃え、ご自分の生活の中にあったらどんな風になるかを意識していただきやすい店頭訴求、またSNSなども活用した発信をし、それをずっと積み重ねてきたのです。

京王調布店では、1Fに自転車やお酒といった商材を配置しました。男性的なイメージが強いカメラやパソコン、スマートフォンといったものより、ふと店に入りたくなるような構成です。秋葉原の新店でもお酒や日用品を1Fに配置し、非常に好評です。もっとも秋葉原はインバウンドのお客様が多くお土産を意識した品揃えになりましたが、京王調布店は日常的に何度もご利用いただけるような品ぞろえとなっています。

1階「自転車」コーナー

またもう1つ、1Fの奥には集合レジを作りました。ここでは各フロアの商品の会計がまとめてでき、またネットでご注文された商品を受け渡す窓口としても機能します。

我々はネットとリアルの行き来、「オムニチャネル」をどんな形でつくれるかを日々考えています。たとえば会社からネットで注文し、帰り際に店でピックアップしていただけることを想定すると、京王調布店は非常に向いた店だと思います。調布駅の広場口を出ていただき、店で商品をピックアップしてバスでご帰宅されるようなイメージですね。

また2Fにはサービスコーナーをおいて、お客様のお困りごとに対応します。特にデジタル関連の商品はご年配の方や女性の方にとってやっかいだと思いますので。こういったカウンターはどうしても上層階の奥におかれがちですが、あえて目立つところに置いて、サービス向上と立ち寄りやすさ、女性にとってもハードルの低いお店づくりを目指しました。

現場のメンバー中心に、長い時間をかけて検討した結果生まれた内容です。今後の店作りにおいても、こうしたコンセプトは役に立つと考えています。

― 年商目標は50億円ということですが、控えめではないですか。

宮嶋 本日のセレモニーの際にも市長を始めいろいろな方々とお話をさせていただき、調布駅周辺地域を盛り上げるためにいろいろなイベントが考えられていることや、来年のラグビーワールドカップのオープニングマッチは調布の東京スタジアムで開催されることなどいろいろな催しがあり、調布そのものの魅力も高まっていると感じます。

そんな中でご期待いただき、家電量販店が地元の方々から望まれていたことを実感します。我々もいろいろなイベントに参加させていただきながら、地元密着で地域を盛り上げたいと思います。

オープンに臨んだ当社のベテランメンバーも、ここはいけると声を揃えています。50億円は最低目標ですね。京王調布店は渋谷東口店の本館・別館を併せた程度の規模なので、その売上げを常に意識しようと、今朝の朝礼でも話しました。大きな期待をもっています。

― 船橋の新店なども女性を意識した店作りになりますか。

宮嶋 そうです。ずっと女性をキーワードにしていきます。船橋はデパートへの出店ですから、女性が立ち寄りやすい店作りは調布と共通した考え方になります。

これまで黒物と言われる商品は男性的な認識でしたが、今後は女性のお客様への意識がより重要になってきます。我々は専門的なことにもしっかりお応えできる知識をもった女性販売員もどんどん養成し、入りやすい店作りを進めます。そしてイベントなどの体験会や体感コーナーも充実させる。そうでなければリアル店舗は生き残れない、そんな危機感をもってやって参ります。

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