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驚愕のコンデンサーイヤホンシステム

SHURE「KSE1500」開発者インタビュー。8年かけたのは「最高のイヤホン」を作るため

公開日 2015/10/23 17:25 文:高橋敦/聞き手:岩井喬・高橋敦
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ーーー その先のディスプレイを通しての操作も、ボリュームダイヤルがクリック可能で、ダブルクリックでメニューが表示されることにさえ気付けば、迷わず使えると思います。そのメニューの中で最も特徴的なのはパラメトリックイコライザーですね。

SHURE もちろんフラットな状態でシュアが考えるベストなサウンド、忠実度の高いサウンドになっているのですが、聴こえ方や感じ方は人それぞれです。このシステムはそれにも対応できるものにしたかったのです。

パラメトリックEQのカスタマイズ方法

ーーー SE846が採用しているような、ユーザーによるパーツ交換でのアコースティックなチューニングは考えなかったのですか?

SHURE コンデンサー型の超ワイドでフラットな特性をベースにすると、ああいったアコースティックな方式で狙い通りに制御するのは難しいと判断して、DSP処理でのパラメトリックイコライザーを採用しました。こちらですと例えばプリセットの「ディエッサー」(いわゆる「サ行の刺さり」などを抑える設定)のように、特定の狭い周波数をピンポイントで抑えたりといった使い方にも対応できます。

ーーー アンプ部分で他に「お?」と思わされたのは、iPhoneとの接続もアンプ側はUSBのAではなくmicroBの端子で行えるようになっていることです。これだとiPhoneもAndroidもPCも充電もすべてこの端子だけで行え、iPhoneのためだけにA端子を搭載しなくてよいので省スペースですよね。

SHURE 仕様を固めた約2年前のタイミングでちょうど、iPhoneともmicroBで接続できる規格が出てきたんです。滑り込みで採用できました。

ーーー そしてパッケージを見ると「ハイレゾロゴ」のデカールが貼られていますが、SHUREはこれを認定する日本オーディオ協会に加入していたのですか?

SHURE 今回新たに加入して認定を受け、ロゴを取得しました。市場にはこれに類するロゴがいくつか存在するようですが、日本オーディオ協会とはミーティングを行わせていただき、その取得プロセス等の信頼性を確かめることができましたので、今回この製品からロゴを付けています。

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