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<山本敦のAV進化論 第63回>

「AWA」ロングインタビュー。AppleやLINEと競うための “秘伝のタレ” とは?

公開日 2015/07/23 10:55 山本 敦
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前述したとおり、Liteプランにはいくつかの機能制限がある。フルサービスのPremiumプランと聴取できる楽曲の範囲は変わらないが、任意の楽曲を検索して再生する「オンデマンド再生」ができなくなる。基本的にプレイリストやラジオステーションのみの再生となり、プレイリストでも、リストに並ぶ曲を上から順に再生できるだけ。つまり「あるプレイリストの○番目の曲をダイレクトに選択して再生」することができない。フルサービスと比べ、明らかに使い勝手の差が現れる。

AWAにはラジオ型のストリーミングサービスも統合されている

だが、ユーザーに様々な機能を開放した、充実したプレイリスト周辺機能はAWAの大きなハイライトのひとつだ。プレイリスト再生機能に制限を設けることでサービスの魅力が失われないだろうか。小野氏はこう答える。

「廉価版プランを設ける場合、オンデマンド再生を使えなくすべきという方向性は、各レーベルが共に音楽配信サービスに対してリクエストしています。これに従ってオンデマンド再生をNGにすると、プレイリストが自由に作れるというAWAの使い方と矛盾が起きてきます。プレイリストにしてしまえば、オンデマンド再生と同じ聴き方ができてしまうからです。そのために当初はやむを得ず、一部機能に制限をかけることになりますが、今後、何とかプレイリスト作成を実現できる方向に調整していきたいと考えています」。

なお、AWAを既に体験されている方ならおわかりだと思うが、アプリをインストールしてからサービスを使えるようになるまでの過程に、ユーザーの個人情報登録など面倒なステップが不要で、いきなり音楽再生が楽しめる便利さも特徴だ。同社では無料トライアル期間が終了した後も個人情報の登録など煩雑なプロセスを設けない方針だ。実際にはアプリ設定メニューから、2種類のプランのうち、利用したい方を選ぶだけになるとのこと。利用料金はアプリ内課金システムが使えるので、ユーザーはストアに紐付いているクレジットカードから自動支払いで利用できる。


■ユーザーが公開した90万件のプレイリストを起点とする、AWA独自のレコメンド機能

続けて、小野氏にAWAのサービスの特徴について語ってもらった。AWAのサービスに独自性を与えているのは、豊富なプレイリストまわりの機能とスムーズに操作できるユーザーインターフェースだ。


AWAには今回の取材を実施した7月中旬時点で、約90万件のプレイリストが登録されている。サービスインの時点ではAWAのスタッフが6,000件前後のプレイリストを用意していたが、開始後すぐにユーザーがつくったプレイリストが増え、現在の規模にまで拡大してきたのだという。

プレイリストについては、自分用として作成するだけでなく、一般に公開してシェアできるのが大きな特徴。ただし、一つの公開プレイリストに収録できる曲数は8件まで。小野氏が、数を絞り込んだ理由を説明する。

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