HOME > インタビュー > ウォークマンのエッセンスを完全注入!進化したXperia Z4の音楽再生機能に迫る

<山本敦のAV進化論 第57回>ソニーモバイルのキーマン2人にインタビュー

ウォークマンのエッセンスを完全注入!進化したXperia Z4の音楽再生機能に迫る

公開日 2015/06/05 12:29 山本敦
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

国内ではドコモ専用機ではあるが、ハイレゾ対応のコンパクトモデルである「Xperia A4」が発売される。ハイレゾのイヤホン出力が最大96kHz/24bitまで、LDACは非対応というZ4よりも小粒なスペックであるものの、ハイレゾ再生の裾野を広げるコンパクト機として意欲的なモデルだ。

Xperia A4

「海外でもハイレゾの注目度が徐々に上がっています。特にヨーロッパではXperiaのどの機種がハイレゾに対応しているのか問い合わせも多く、ハイレゾに先行対応するXperiaにとっては有利な環境が整いつつあります。既にハイレゾ対応のスマホは他社も発売していますが、本当に“いい音”で音楽が聴けるようにチューニングされているスマホはXperiaのほかにないと自信を持っています。ウォークマンやスピーカー、ヘッドホンも含めて“ハイレゾのソニー”という市場のイメージ拡大も追い風に、Xperiaの高い音楽再生能力をよりいっそうアピールしていきたいとおもいます」(伊藤氏)

今後はXperiaを軸にエンターテインメントライフをリッチにするアクセサリーにも注目したい。以前、当連載でも取り上げたBluetoothスピーカー“Smart Bluetooth Speaker”「BSP60」(関連記事)のように、ソニーモバイルでは独自にアクセサリー製品の開発にも力を入れている。「Xperiaの魅力を高めるためのアクセサリー商品の拡充も大事な戦略のひとつです。ソニーモバイルならではの発想の柔らかさや、スマホをつくっている現場から生まれる独自のアイデアが色々とあります。そこから新しいものが生まれることを、私たちも期待しています」と伊藤氏は語る。

“Smart Bluetooth Speaker”「BSP60」

MWC 2015に出展したソニーモバイルのブースでは、代表取締役社長兼CEOの十時裕樹氏が会見を行い、同社を今後成功に導くために目を向けるべき“2つの資産”が「長年蓄積してきた技術的なノウハウとリソース」、そして「ベンチャー精神」であると述べた。

十時氏は自身ソニーに入社して以来ソニー銀行の起ち上げや、グループ会社であるソネットの経営にも深く関わってきたベンチャー精神にあふれる人物だ。そして、いまソニーのグループ内でも新しい意欲に満ちたスタッフから、新鮮なアイデアを集めてビジネスの軌道に乗せるための仕組みが整いつつあるという。

かたや、Xperiaと音楽コンテンツサービスとの連携は今後どうなるのだろうか。今年の春にはソニーが展開してきたクラウドベースの定額制音楽配信サービス「Music Unlimited」が終焉し、スマホの「ミュージック」アプリの左メニューはすっかり寂しくなってしまった。グローバルではグループ会社のソニー・コンピュータエンタテインメントがSpotifyをベースにした「PlayStation Music」を導入し、モバイル機器との連携も進めているようだが、日本では今後どうなっていくのだろうか。

「国内でのPS Musicの展開に関しては既に発表しているように、導入の可能性は検討していますが、今のところ何も決まっていません。ただ、ハイレゾも含めて様々なパートナーとの提携の可能性は常に模索しています。例えばPS Musicという形を取らなくても、国内独自にパートナーと一緒に音楽配信をやるということも考えられます。今は色々な可能性を探っているところです」(伊藤氏)

インタビュー中の様子

このところのスマホやタブレットがオーバースペック気味に感じているユーザーも多くないだろうか。だからこそ、これからは機能だけでなく音楽や映像、動画や写真撮影など体験の品質でスマホやタブレットの価値が再評価されべきだと思う。

Xperiaという名前には、真ん中にある“e”が“Experience”を意味しており、これにラテン語で“場所”を表す“ia”が続き、新しい“体験が生まれる場所”というシリーズのコンセプトが隠れている。

Xperiaは使い込むほどに、ソニーがオーディオビジュアルやデジタルイメージングの分野で培ってきた技術とノウハウが注ぎ込まれているスマホ・タブレットであることが見えてくる。特に音のチューニングをここまで徹底的に追求したスマホはほかに無いだろう。ハイレゾを聴いたり、4K動画や写真を撮ったり、体験によってもたらされる感動がつながっていくことで、開発者が目指してきた「完成形」の意味がさらに広く伝わっていくはずだ。

前へ 1 2 3 4

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE