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キーデバイスは直径5.8ミリの「マイクロHDユニット」

ビクターのヘッドホン“HP-FXC”シリーズ開発者に訊く − 独自技術「トップマウント構造」の秘密

公開日 2008/11/07 16:51 高橋 敦
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最近発売されたイヤホンの中で、HP-FXC70HP-FXC50は特に印象的な製品のひとつだ。「トップマウント構造」という新発想がまず新鮮だったし、その新発想が確かな成果、音質や遮音性につながっているというところに感心させられた。

この斬新なイヤホンはいったいどのような道程を経て誕生したものなのだろうか。今回、両製品の設計グループを率いた日本ビクター(株)AVCアクセサリー事業部 技術部 第1設計グループ 技師チームリーダーの石坂和則氏、ならびに広報窓口のAVCアクセサリー事業部 商品企画室 主席の柿本雅博氏にお話を伺う機会を得た。

(インタビュー・執筆/高橋 敦)


■マイクロHDユニットという“技術”がトップマウント構造という“発想”

−−今回、どのような開発経緯を経て、HP-FXCシリーズに搭載されている「トップマウント構造」という新しい発想を得たのでしょうか。

石坂氏:従来のインナーイヤー/カナル型のイヤホンはドライバーユニットの口径が最低でも8.5ミリほどあります。そのために耳穴から離れたところにしかユニットを置けず、音筒を通して音を届ける必要がありました。しかしそうなるとその過程で音に色々な影響が出てしまうことはわかっていました。


日本ビクター(株)石坂和則氏
ですので、前々から「ユニットを直接耳穴の中に入れて音を聴くことができれば、もっと音の良さを引き出せるのではないか?」と考えていました。しかし、それを実現するには、ユニットのさらなる小型化や音の良さを引き出す音響構造の開発など、新たに乗り越えなければならない数多くの技術的な課題が存在していました。

−−それが今回実現されたのですね。

石坂氏:はい。試行錯誤の末、直接耳穴の中に入れられる直径5.8ミリという超小型サイズでありながら、高精細サウンドを再生する「マイクロHDユニット」を新たに開発しました。その結果、音筒部の先端にユニットの配置を可能とする「トップマウント構造」が実現できたのです。正直なところ最初は、どれだけの効果を得られるか、不安な面もありましたが、想像していた以上の性能を発揮してくれました。


HP-FXC70が採用する「トップマウント構造」と「デュアルシリンダー構造」の図解

通常の密閉インナーイヤーとオープンインナーイヤーのヘッドホンと比較した、トップマウント構造の装着イメージ
−−マイクロHDユニットという“技術”がトップマウント構造という“発想”を実現させたということですね。

石坂氏:そういうことです。

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