受賞インタビュー「ソニーマーケティング」

下野 裕

従来にはない感動を届ける商品を連打
高付加価値商品販売で市場活性化を牽引
ソニーマーケティング株式会社
執行役員
プロダクツビジネス本部 本部長
下野 裕

数多くの技術に裏打ちされた高価値商品が市場を鼓舞するソニー。VGP2019でも、批評家大賞に輝いた4K有機ELテレビ「A9Fシリーズ」はじめ、数々の商品が賞を獲得する。次にどのような驚き≠フ提案を繰り出すのか。一挙手一投足に注目が集まる。
インタビュアー/竹内純 Senka21編集長、写真/君嶋寛慶

TVで見たいものは
テレビだけじゃない

2018年の映像、音響、カメラの市場を取り巻く環境の変化をどうご覧になられますか。

下野例年にも増して変化の大きな年となり、環境がかなり変わって来ていることを実感します。テレビは、4Kの浸透で大画面化や有機ELが伸長し、12月1日からは新4K8K衛星放送が開始されます。付加価値の高い商品を提供できるチャンスが広がっています。音響分野ではブルートゥースをはじめとするワイヤレスのヘッドホンが牽引役となって市場を活性化しており、カメラでは各社のフルサイズミラーレス参入で、ミラーレスが本格化した1年となりました。今後この流れがますます鮮明になると確信しています。

テレビでは、そうした高付加価値化への進化の象徴ともいえる「A9Fシリーズ」が批評家大賞に輝きました。

下野4K有機ELテレビ「A9Fシリーズ」と4K液晶テレビ「Z9Fシリーズ」は、MASTERシリーズを銘打ったブラビアのフラグシップモデルです。クリエイターの思い描く世界を忠実に再現する画質は、プロ用マスターモニターに匹敵するレベルで、最高の視聴価値をお届けします。そして大切なことは、そうした技術が順次、その他のモデルへも広がり一般的になっていくことです。

テレビ市場では、若者を中心にしたテレビ離れから2、3台目需要がシュリンクし、また、テレビの故障率が下がり長寿命化が進んでいます。しかしそこにも需要を創造する切り口がまだまだある。ソニーでは、@画質・音質の徹底追求。A盛り上がりを見せるネット動画を、手軽に楽しめる音声検索を含めて機能として充実させていくこと。そして、BGoogleアシスタントなどIoTを活用した連携強化で、リビングでセンターの役割を担う存在とすること。この3つのポイントからブラビアの訴求力強化を進めています。

Android TV機能を搭載したブラビアのネット接続率は、今では7割超と驚異的な数字で、Netflixをはじめとするネット動画との連携強化は不可欠の要素です。これまでお客様への認知を高め、積極的に使っていただく取り組みを地道に展開してきましたが、ようやくその土台が築けたのではないかと思います。

この一年、特約店の皆様には、店頭でネットワークに接続し、お客様が動画の閲覧や音声検索も含めサクサクと体験できる環境を整えていただきました。年末商戦では北川景子さんを起用して、「TVで見たいものはテレビだけじゃない」をキャッチコピーに掲げた強力な販促を展開して参ります。

従来の概念では通用しない価値を伝えられる場、体験できる場が重要になりますね。

下野大画面化が進展し、「壁掛け」に対する問い合わせも増えています。直営店舗ソニーストアで開催する壁掛け設置の実演会にも大きな反響があります。お客様の中には大型のテレビを壁掛けにする際にどのような工事が必要になるのか不安や疑問を感じる方もいらっしゃいますので、実演会で丁寧に説明することでその不安を払拭しています。また、インテリアの一部とした捉え方も壁掛けを後押ししているのではないかと考えています。

テレビを買い替えられたソニーのお客様は視聴時間が伸長しており、内訳では、ネット動画やYoutubeの視聴が増えています。新しいコンテンツの楽しみ方にテレビが寄り添い、期待以上のものをお届けしていく。その“違い”を実感いただかないことには、お客様の買い替え動機は刺激できません。4K化でさらに高画質となり、大画面の訴求にも追い風が吹きます。A9Fシリーズでは、ネット動画などを楽しむ上でも反応速度が速く、音声検索やアプリの立ち上げもサクサク動く点も見逃せないセールスポイントです。

下野 裕

「あっ!」と驚く商品が
お客様の心を動かす

ハイレゾを牽引するオーディオ市場では、Signature Seriesより、重さ2.5s、95万円の超弩級DAP「DMP-Z1」が話題です。

下野ソニーストアで開催する体験会も盛況で、予約も想定を上回る勢いです。ソニーでは「for and by Music Lovers」〜音楽を愛する人のために〜をオーディオの基本コンセプトに掲げています。シグネチャーシリーズは、かつてない“感じる”音楽体験をお届けするべく、アナログとデジタルの高音質技術を結集して世に送り出すもの。本当に素晴らしいものをコツコツと積み上げて開発しており、DMP-Z1も音のためにやるべきことをやりつくしました。付加価値の高いものを、きちんと説明して買っていただけるように、今後も引き続きクオリティを徹底追求していきます。お客様を「あっ!」と驚かすようなものをお届けして参ります。

他社からフルサイズミラーレスが投入され活気づくカメラ市場はいかがですか。

下野ソニーのミラーレスは、そうした中で何年も先を進んでいると自負しています。その優位性を、「高画質」「スピード」「機動性」「スタミナ」「専用設計レンズ」の5つの選択基準から訴求しています。また、Eマウントはステップアップしても1つのマウントで済むことはお客様の安心にもつながるポイントです。レンズもイメージセンサーもエンジンも内製化している大きな強みを活かし、今後も魅力ある製品をお届けしていきます。

特約店の皆様には、デジタル一眼の売り場を、従来の一眼レフからミラーレス主軸へ代えた再構築をご提案していますが、実践される販売店が拡大し、手応えを感じています。また、プロサポートやαアカデミーなどのインフラもソニーストアを拠点にさらに充実させていきます。

「店頭まで見に行きたくなるワクワクする商品」「持つ喜びをくすぐる提案」に注力されていますが、19年にはどのような驚きが待ち構えているのでしょう。

下野今年は犬型ロボット「aibo」が大きな話題を提供し、秋に行われたカメラのショーでは、今までにない動物の「瞳AF」を実現したカメラの実用化を目指していることを発表しました。ソニーには、テレビやオーディオ分野に自社開発した数多くの技術があり、それらを次々に新しい提案に結びつけていくと同時に、汎用モデルへ順次降りていく好循環を生み出し、市場を大いに盛り上げていきます。

年末商戦では、北川景子さんを起用したブラビアの販促に加え、イヤホン・ヘッドホンでは米津玄師さんを起用して、音楽性を前面に打ち出したWF-SP900のTV CMを強力に展開します。また、来年以降は、αのさらなる商品開発や20年の東京五輪を見据えたプロサポートでの万全な体制の構築、買い替えが盛り上がるテレビでは、単価ダウンをカバーするインチアップ、グレードアップ、周辺機器の同時販売の徹底など、あらゆる面から付加価値販売をさらに突き詰めて参ります。

◆PROFILE◆

下野 裕
1961年10月22日生まれ。千葉県出身。1985年 ソニー株式会社入社。AV、IT、デジタルイメージング、TVと一貫してプロダクツマーケティングを担当。2015年よりプロダクツマーケティング担当の執行役員に就任。現在に至る。

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