本多 勉

地域密着の営業力・サポート力で
時代のニーズを率先して切り拓く
株式会社ジュピターテレコム
取締役 副社長執行役員
ケーブルTV事業部門長
本多 勉
Tsutomu Honda

モバイル、電力、ガスなど、「J:COM Everywhere」のコンセプトを掲げてサービスの多様化を進めるジュピターテレコム(J:COM)。根底にあるのは、出発点となる“テレビ”を磨く力だ。そこで培われてきた、お客様と対面する営業力・サポート力を大きな強みに、激戦の市場にビジネスチャンスを拡大する同社の取り組みを、ケーブルTV事業部門の指揮を執る本多副社長に聞く。
インタビュアー/佐藤和俊 放送アナリスト  竹内 純 Senka21編集部長  写真/柴田のりよし

変化へ機敏に対応
4Kの機運を盛り上げる

コンテンツを取り巻く視聴環境が大きく変化しています。スマートフォンの台頭により、若者のテレビ離れも加速していますが、今後の動向をどのように見ておられますか。

本多テレビ放送というお茶の間に限られていた娯楽が、スマートフォンやタブレットなどさまざまなデバイスが登場したことで、よりパーソナルに、アウトドアでも楽しめるようになりました。見る番組も地上波だけではなく、インターネットの普及により、従来型の放送とは異なる枠組みのコンテンツが溢れています。自分が見たいものや知りたいことを、好きな時に、好きな場所で自由に楽しめる。お客様の選択肢が大きく広がっているわけです。

J:COMではテレビを主軸に据えたビジネスを展開しますが、そこでも、必ずしもリビングのテレビの前まで来ることなく、提供するコンテンツをお客様がより自由に楽しめる環境を整えることが大事になります。パーソナルな志向に合わせたサービスやコンテンツを充実させ、提供し続けていくために、タブレットやスマートフォンとの連携サービスをもいち早く強化しています。また、地上波ではカバーできない、メッシュの細かい地域ならではの情報を、その地域の皆様にはもちろん、全国へ向けて発信する取り組みにも力を入れています。厳しい競争環境下、こうした取り組みをご評価いただき、テレビのお客様は僅かずつですが毎年増え続けています。

注目と期待が高まる4Kに対する取り組みについてはいかがでしょうか。J:COMでは昨年3月から、NHKや民放局の4K・8K試験放送が視聴可能となり、またVOD等では4Kで制作されたオリジナルの時代劇「雨の首振り坂」等のコンテンツが話題を集めていますね。

本多4Kについては、我々はもちろん、テレビに携わる業界にとっては実に大きなインパクトがありますが、お客様の認知、理解が進んでいないことが大きな課題です。非常に高精細な映像サービスとして、とりわけスポーツなどダイナミックな動きのあるコンテンツは、キレがあり物凄く美しい。我々はそれをよく理解していますが、一般の消費者の方にはピンとこないわけです。それならば、見ていただき、実感いただく機会をたくさんつくることが最大のテーマです。

かつて、カラーテレビの映像を見てしまうと、白黒テレビには戻れなかったように、4Kのダイナミックな美しさが当たり前のものになると、もう後戻りはできません。当社でもさまざまな4Kコンテンツを制作、調達するほかJ:COMグループのジェイ・スポーツ(J SPORTS)でも積極的に4Kでの制作を進めていますが、各放送局さんでも準備を加速されています。

2019年にはラグビーのワールドカップが日本で開催され、2020年には東京オリンピック・パラリンピックを迎えます。国民全体の目が注がれる競技を4Kで放送できるのですから、期待も大きく膨らみます。そこでの成果を確実なものにするためにも、4Kの映像に触れていただくお客様をどんどんつくり、「テレビを買い替えるのなら4Kテレビにしよう」という機運を高めていかなくてはなりません。

地域に根差したJ:COMの存在は、お客様への4Kの関心や認知・理解を深めていく活動の中で、量販店や地域店にとって力強いパートナーと言えます

本多“地域密着”は我々の事業の上では非常に大事なテーマです。先ほど申し上げたように、地域の番組の情報発信にも大変力を入れており、家電店さんの店頭で、そうしたローカルの番組を流して販促にご活用いただいている例は少なくありません。4Kの啓発においてもJ:COMのコンテンツを積極的に活用いただきたいですね。販売店さんと我々に共通するテーマが“地域密着”ですから、一緒に取り組んでいけるテーマも少なくありません。4Kもそのひとつ。お客様に新しい気づきを一緒に提供していければと考えています。

今年はスポーツのビッグイベントの開催イヤーとなり、2月9日からは、平昌冬季オリンピックが開催となります。御社は公式ブロードキャストパートナーになられていますが、注目される放送内容のご予定についてお聞かせください。

本多自社で運営するコミュニティチャンネル「J:COMテレビ」(「J:テレ」)で、「アイスホッケー」「カーリング」「バイアスロン」「ボブスレー」「スケルトン」「リュージュ」をお届けします。競技の様子はもちろん、見どころやルール解説なども分かりやすく、生中継と録画放送でたっぷりとお届けします。J:COM初のオリンピック放送となった「リオデジャネイロオリンピック2016」に引き続き、番組MCに浅田舞さん、コメンテーターにオリンピックメダリストの森末慎二さんを迎え、アスリート視点で熱戦の模様をお伝えしていきます。詳細については決定次第、順次発表して参りますのでご期待ください。

本多 勉
新4K8K衛星放送スタートに、ビッグチャンスを掴み取る!

ホームIoT進展にも
際立つJ:COMの存在感

J:COMは単なる多チャンネルサービスではもはやなく、「J:COM MOBILE」「J:COM電力」「J:COMガス」などサービスを多様化。「J:COM Everywhere」のコンセプトのもと、くらしのサポートサービスにも注力されています。目指す姿をお聞かせください。

本多我々はテレビからスタートして、インターネット、電話、モバイル、電力などお客様の生活に欠かせない、また、生活をもっと豊かにするサービスを提供してきました。今後もお客様からのニーズがあり、我々が参入する価値があると判断したものは前向きに検討していきますし、すでに議論を重ねているテーマもいくつかあります。

ここで皆さんは、なぜ、ケーブルテレビ会社が電力やガスまで扱っているのか不思議に感じられると思いますが、それは、テレビで培ってきたお客様との深い信頼関係があればこそなんです。我々のビジネスの軸はあくまでテレビ。テレビサービスを磨くことが一番です。そこでお客様との信頼関係を厚くしていく中で、「こんな新しいサービスがあればJ:COMさんにお任せしたい」と言っていただける、お客様の生活をより便利に、豊かにするサービスへと広げているわけです。

IoTサービスも、私たちの身の回りの生活で、俄かに密接なものになろうとしています。

本多AIスピーカーが注目を集めるなど、「ホームIoT」の分野は今後、さらに成長していくことが予想されます。自らコーディネートして機器を買い揃え、接続・設定して楽しめる人は、現在は残念ながらごく僅かに過ぎませんが、何となく面白そうだけどどうしたらいいのかわからない、そういう人が数多くいらっしゃいます。

我々の強みは、これまでのサービスで培ってきたお客様と対面で行うサポート力です。機器の設定をはじめ我々が持つリソースやアセットを有効に活用できる、まさに格好の場と言えます。お客様がホームIoTという新たな価値を手に入れる上で立ちはだかる高いハードルをクリアするために、我々が大きな力になれると確信しています。

地域密着の強みが
新たなビジネスを創造する

高齢化社会の進展など、地域密着や地域経済の活性化といったテーマへの関心が高まる中で、地域情報発信という点でも注目を集めています。これからは、地域に根差した地方の放送局や新聞社と連携した取り組みも期待されるのではないでしょうか。

本多全社的な取り組みではまだありませんが、例えば、札幌で一番大きなお祭りである「北海道神宮例祭(札幌まつり)」では、STVラジオさんとコラボして生中継でお届けするなど、新聞社さんや地元のさまざまな企業や団体との連携が深まっています。より地域の活性化に貢献するためにも、さらに力を入れていくテーマのひとつと考えています。

いつでもどこでもあなたの街の最新ニュースがスマホで見られる、地域の“今”をお届けする全く新しい地域情報アプリ「ど・ろーかる」もそうした取り組みのひとつになりますね。

本多より小さな枠組みの地域を対象に、それぞれの局で制作する番組がいくつもあります。各地域のさまざまなフィールドで活躍している方をゲストに招いて、街と自分との関わりをお話いただく「ご当地人図鑑」、市長・町長さんが街の魅力を語る「長っと散歩」、高校野球地区予選大会などの地域スポーツなど、「ど・ろーかる」アプリで配信する番組を拡充しています。こうした番組は大変人気が高く、その街に住んでいらっしゃる方はもちろんのこと、故郷から離れている方にも「ど・ろーかる」は熱心にチェックされています。

高齢化時代を迎え、買い物難民や見守りサービスが注目され、地域電気店の存在も見直されていますが、J:COMでは全国11※拠点に約3,500※名のオペレーターを要するカスタマーセンター、約2,600※名の営業スタッフと約600※名のアフターフォロー部隊を有しています。このタッチポイントの多さは、これからの時代においても大きな強みではないでしょうか。(※人員数は2017年3月時点)

本多J:COMの一番の特長は営業力、サポート力です。お客様と接点を持つそうしたスタッフはほぼすべてが社員で構成されています。そこでは、J:COM本来の仕事ではなくても、お客様がお困りであれば、例えば、家電製品の設定をして差し上げるなど、お客様と会社とを強く結びつける存在となっています。放送、通信以外のサービスをすでにいろいろ手掛けていますが、今後、どんなことでお客様のお役に立てるのか。地域社会のニーズについてもしっかりと考えて参ります。

地域密着の取り組みに力を入れる地域店や家電量販店にとっては、J:COMは強力な商材であり、また、力強いパートナーと言える存在です。今後、家電のコントロールセンターとしての役割も注目されるAIスピーカーやさらなる普及加速が待望される4Kテレビの啓発においても、J:COMの活躍が大いに期待されます。

本多AIスピーカーの設定を店頭で説明を受けても、その通りにできないお客様もいらっしゃいます。しかし、J:COMならお客様のお宅に出向き、機器をお客様が安心して使える状態にして差し上げることができます。今後、家電店さんと一緒にそうした新しいビジネス構築にも力を入れていきたいと思います。また、将来は、STBと連携したケーブルテレビ会社らしい新しい付加価値をホームIoTの分野においても実現提案していきたいですね。

4Kについては、12月のカウントダウンに向け、ここでも電気店の皆さんと一緒に、実際に見ていただける機会を拡大していくことが、お互いのビジネス創造にも直結していきます。J:COMをはじめとするケーブルテレビにご加入いただけば、アンテナを替えたり、接続を変更したりすることなく、簡単に4K放送を楽しめるメリットもありますので、是非、拡販へのひとつの施策として有効にご活用ください。衛星による4K8K実用放送開始というビッグチャンスを是が非でも掴んで参ります。

▶ジュピターテレコム(J:COM)
https://www.jcom.co.jp/corporate/

◆PROFILE◆

本多 勉 Tsutomu Honda
1959年6月29日生まれ。北海道出身。1989年10月 第二電電株式会社(現KDDI株式会社)入社。00年4月 ネットワーク事業本部営業企画部長。04年4月 モバイルソリューション営業本部 モバイルソリューション関西支社長。06年4月 コンシューマ事業本部 ブロードバンド・コンシューマ営業本部長。08年4月 理事 カスタマーサービス本部長。10年10月 執行役員 カスタマーサービス本部長。11年4月 執行役員 ソリューション事業本部 ソリューション営業本部長。15年4月 執行役員(現職)KDDIまとめてオフィス株式会社 代表取締役社長。17年4月 株式会社 ジュピターテレコム副社長執行役員 ケーブルTV事業部門長。17年6月 取締役副社長執行役員 ケーブルTV事業部門長(現職)。

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