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公開日 2025/12/23 06:30
連載「遠藤義人の全国のインストーラーを訪ねて」

技術と信頼にホスピタリティを加えて。山口サウンドテックは多様なライフスタイルを提案する体験型ショップ

遠藤義人

山口・防府にあるサウンドテックは、わたしが10年ほど前まで所属していた出版社の取材を受けてくれなかった。競合他誌とのお付き合いがあるからだと言われ断られたのである。なんて義理堅いお店なのだろう、いつかお会いしてみたいと思っていたところ、フリーランスになって晴れて面会。気難しい人かと思いきや、なんとも気さくで熱血漢の青年だった。その人こそ、現社長の三宅宏明氏(以下、三宅氏)である。



山口県防府市のサウンドテックを訪ねた


先代からの確固たる技術に、さらなるホスピタリティを


現社長と書いたのは、お会いした当時は現会長の三宅文雄氏が社長でいらしたからだ。何度かお目にかかったが、徹底した職人肌でありながら、義理堅く笑顔が素敵なところは2代目の宏明さんに受け継がれている。


三宅氏の代になってメカが前面に出たオーディオショップ然とした店構え(わたしはそんなお店も居心地がよくて好きなのだが)から、マニアでなくても居心地のいい体験型のショップへと一変した。最新のリニューアルが2023年1月で、従来の躯体や面影を随所に残しつつ、最新の提案やテクノロジー満載の体験エリアがいくつも設けられている。


仕掛けは盛りだくさんだが、ぜひ行って確かめて欲しいので、概略だけご紹介する。


オーディオルーム(1F左手)



メインのオーディオルームは、前方のステージ前に電源タップを設けて様々な機器を繋げ変えできるよう設計されている。天井を新しくしてコーナーは定在波軽減のためにカット。奥にはスリットを入れてベーストラップを作っている。


モルタル仕上げの硬質素材で誂えた床は厚みを変えた5層構造。チューニングポイントに合わせてゴムやロックウールなど素材を変えることで、響きも調整している。



専用電源は2回路用意しており、聴き比べもできる


リビングシアター(1F右奥)



110型スクリーンを核とした5.1chシアター。同じ部屋に、部屋を横長にしてソファをゆったり使った2.1chのテレビシアターも共存している。この部屋はちょっとしたホームオートメーションの体験ルームでもあり、照明や電動シャッターと連動している。



5.1chシアターでホームオートメーションを体験できる


DTMスタジオ&ゲーミングルーム(2F)



2階に上がると、より三宅さんのやりたいことが見えてくる。そのひとつが、マニアックな男のお籠もり部屋DTMスタジオ&ゲーミングルームだ。35dBの防音室で、狭小空間ながらPCとソフトウェアを使った制御された低音を体験できる。


視聴ポジションは部屋の中心。正面の壁に埋め込まれたウーファーとちょうど向かい合わせにもウーファーを備えているのが特徴だ。前面から発する低音波が背面に届くタイミングで背面スピーカーに逆位相を掛け、定在波を抑制する。


DSPとソフトウェアを使って実現しており、この機能OFFとで聞き比べてみると、確かに低域のディップが消えている。これは、音響的に不利な部屋寸法でもあきらめなくていいことを意味する。


この仕組みについては、独自のノウハウをさらに追究しており完成途上とのことだが、一聴して効果はすぐわかる。すでに3部屋の導入事例があるというから、悩んでいる人は相談してみてほしい。



約3畳の狭小空間だが、ミニDSPとソフトウェアを独自のノウハウで駆使することで、ハイエンド機器よりも費用を抑えつつ、音質も追求している


いよいよ2Fハイエンドルームへ!



サラウンド構成としては5.1.4ch、横長配置の広々とした豪邸仕様のリビングシアターだ。縦長に使って、オーディオイベント会場としても使用される。


いい音の仕掛けとしては、1Fオーディオルームでも用いられた部屋コーナーの定在波カットの手法と、2FのDTMスタジオ&ゲーミングルームで見られた「Double bass array(ダブルベースアレイ)」による低域の定在波カットの仕組みが導入されている。



2階奥で靴を脱ぐと、広大なハイエンドルームが現れる




部屋のコーナーを斜めにカットし吸音材を仕込みベーストラップを製作




KEFの埋め込みスピーカーはバックキャビネットに仕込んでビルトイン。別キャビネットに収めたウーファー4基の定在波を制御するため、対向面の背面にも4基のウーファーを埋め込んでいるのがお分かりだろうか(写真左右の壁面)




機材格納庫。プロジェクターはビクターとソニーで横に複数並べて比較視聴できる仕組み




スマートフォンで機器を制御できるホームオートメーションも完備


バー空間「LOUNGE」(2F)


実は2Fには上がり口に三宅さんお気に入りのバー空間があり、わたしもそこがリビングシアターのようなあつらえで気に入っていた。



「あの部屋は、まず一杯飲みながらゆったり寛げる共感や交流が生まれるLOUNGEという位置づけです。そのあとシアタールームで集中して映画や音楽の映像作品を堪能していただこうというイメージなんです」


「もし次にリフォームの機会があったら、サウンドスクリーンにしてみたい。スピーカーが視覚から消えて、フレームのない真っ白い壁一面に映像が床から天井まであったら気持ちいいと思うんですよ。音楽を聴くときも、好きなところにレコードジャケットを映したり。真っ暗い部屋よりも、ちょっと明るい空間で女性や子どもも含めたイベントをやってみたいんです」(三宅氏)


スマートでラグジュアリーな “生活” を提案する


オーディオビジュアルの裾野を広げるには、製品の意匠に意を払うよりも、こうしたライフスタイルの提案を行うことが大切だとわたしは思う。技術が伴っているのは承前、そのうえでユーザーに寄り添った適切な提案ができるサウンドテックは、あなたのやりたいことの道しるべになってくれる。



「磨きが多いですよ」とフロアマネージャー宮崎謙次氏(本来はたつざきだが文字化けするのでママ)らが機器の整備やケーブル製作を行う作業場




毎朝行われる朝礼にちょっとお邪魔。スタッフルームも円卓を囲み和気藹々


サウンドテックは、とにかく社長の三宅氏ご自身が楽しそうな職場なのがいい。


「いい店なんですよ。いい店になってきた。雰囲気がいい、そう思いますよ。笑っていると思う。楽しいと思う。技術はもちろんですが、おもてなしも大切ですから、スタッフの笑顔も大事なんです。両方なければいけないと思うのです。信用していただけるお店になっていきたいですね」(三宅氏)


そんなお店、行ってみたくなりませんか?


サウンドテック インストール最新実例


究極の没入感を味わうための防音型ホームエンターテイメント空間



ハウスメーカーのトップ設計士とともにデザインも細部までこだわった唯一無二のプライベートシアタールーム


ホームパーティを存分に楽しむため、マンションを大胆にリノベーション



地元の名士とも言える有名設計士と共に建築、寄りすぐりの家具、オーディオシステムが見事に融合。集う方々の心を満たす映像が目に浮かぶ


家族が集うリビングに音と映像のある暮らしをインストール



映画、スポーツ、音楽、ゲームとエンターテイメントコンテンツが臨場感たっぷりの音響で楽しめ、自然と家族が笑顔に包みこまれる


豪華なリビングにトーナルコーディネートを心がけた



リビングのイメージに合うシステムをインストール。モニターとプロジェクターの2ウェイ構成で、様々なシーンにて活用


老若男女、地元の音楽好きが集うプラットホーム的なミュージックカフェバー



テナントを活かし、大幅なリニューアルを行った。スピーカーは1970代の製品を同社社長がレストアし、リユースを実現。ストーリーが次の世代へ継がれていく




ビンテージ、アナログオーディオシステムを導入


海が見える別荘へ「快適な映像と音のある暮らし」をインストール



リラックスしたリゾート空間で日常の疲れを癒やす


新築住宅のリビングを寄りすぐりの家具とオーディオシステムをきれいに融合



人気の地元工務店とコラボした実例。家族や友人、またはお一人の時間もここで過ごせば特別なものに。ミッドセンチュリーの家具とクラシカルなオーディオシステムが見事に収まっている





サウンドテック


山口県防府市桑山2丁目11-32
TEL:0835-21-5555
営業時間:10時00分 – 18時00分
定休日:水曜日、第1・3火曜日



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