4K UHD BD『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』、リアルな音響で楽しむ体験型アクション
大橋伸太郎4K Ultra HD Blu-rayの注目タイトルを、プロの評論家が画質と音質の評価チャート付きで紹介する連載企画。今回のタイトルは現在発売中の『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』。画質と音質の見どころを、大橋伸太郎氏が自宅のホームシアターで徹底的にチェックした。
『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』
STORY
時は1980年代初頭。ヴェトナムからの難民船で、亡き母から伝え聞いた故郷・香港へたどり着いた若者、陳洛軍(チャン・ロッグワン)。格闘試合の賞金を騙し取ったヤクザと悶着を起こし逃げ込んだ先が治外法権の地、九龍城砦だった。住民たちとボスから受け入れられた陳洛軍だが、やがて出生にまつわる秘密を知り…。
CGとセットで蘇る九龍城砦。アクションの立体音響は細やか
「九龍城砦はもうないが、この映画で誰もが再訪することができる」とインタビューで語る俳優のテレンス・ラウ。その言葉通り、本作はスタジオや廃校に複数のセットを組み、CGを援用して再現した九龍城砦が舞台のいわば体験型アクション映画だ。ゴミ捨て場の汚臭が漂うような見事な美術(セット)である。
映像はHDR10だが、九龍城砦の迷宮感覚を再現するダークな明暗描写が映画のルックになっている。アンバー調の照明設定は『ゴッドファーザー』に倣ったものかもしれない。シーンによって俳優のシルエットを逆光が隈取るコントラストが付けられている。ピーク効果はCH4の刀の照り返し、CH8マシンガンの放つ光芒くらい。CH8盂蘭盆会の夜の城砦全景はCGだが美しい。
CH1城砦内を埋める住民たちの喚声にリアルな臨場感。CH3凧揚げのシーンの暗騒音も効果的だ。ワイヤーアクションとクンフーの擬闘に細かくフォーリー(擬音)と移動表現がつけられ、整音の仕事の細かさは本作の見所だ。
九龍のギャングたちは火器を使わず、刀とナイフで戦う。CH4/5/6/8の殺陣は刀の切り結ぶ鋭利な音が鮮鋭感豊かに音場に響き渡る。CH8のラストでイマーシブサウンドが効果を発揮。狭隘な九龍城内を一陣の突風が駆け抜ける。
SPEC
製作:2024年/香港 ●ジャンル:洋画アクション ●監督:ソイ・チェン ●出演:ルイス・クー、レイモンド・ラム、テレンス・ラウ ●本編ディスク:約125分、スコープ、HDR10 ●本編音声:広東語Dolby Atmos、日本語DTS-HD Master Audio 5.1ch ●字幕:日本語、日本語吹替用 ●特典:特典ディスクに収録/予告篇集、キャラクター予告、削除シーン、メイキング映像、撮影の舞台裏、インタビュー映像、舞台挨拶集
- トピック
- VODサービス/Blu-ray