菅田将暉 × 池松壮亮のW主演! 何も起きないけど心地良い、高校生2人の河原で過ごす青春
ミヤザキタケルサブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2016年公開の『セトウツミ』をご紹介します!
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『セトウツミ』(2016年・日本)
(配信:U-NEXT)
発売元:ブロードメディア・スタジオ/販売元:ハピネット・メディアマーケティング
此元和津也原作の同名漫画を、『まほろ駅前多田便利軒』『星の子』『おーい、応為』などで知られる大森立嗣監督のメガホンで実写映画化。放課後に河原で過ごす高校2年生の瀬戸(菅田将暉)と内海(池松壮亮)。目的もなくダラダラと喋り、気になる女の子へ送るメールに悩み、ヤンキーの先輩にビビり、他愛のない時間を過ごしていくのだが…。
日頃映画を観ていく中で、「気楽に観られるものが良い」と思う瞬間はないだろうか。そんな時にご覧いただきたいのがこの作品。激しく胸揺さぶられるような劇的なことは何も起こらず、夕方に河原で過ごす平凡な高校生2人の小気味好い会話が繰り広げられていくだけ。
であるにも関わらず、何故こんなにも引き込まれてしまうのだろう。それはきっと、魅力ある俳優たちの絶妙な掛け合いによる部分が大きいが、誰もが通る学生時代、二度と戻ることのできないあの日々の感覚を呼び覚ましてくれるからではないだろうか。
大人になればなるほどに、学生時代のような友人関係は築きにくくなっていく。はじめに仕事ありきであったり、何かしらの損得勘定が働いてしまうことも少なくない。ありのままの相手を受け入れ自然と友人関係を築くのは、学生時代の方が容易くはなかっただろうか。そんなあの頃の感覚を味わわせてくれる2人の魅力あるダベりが、あなたの心の重荷を少しだけ軽くしてくれると思います。
(C)此元和津也(別冊少年チャンピオン)2013(C)2016映画「セトウツミ」製作委員会
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| ミヤザキタケル 1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 宝島社sweetでの連載をはじめ、WEB、雑誌、ラジオなどで、心から推すことのできる映画を紹介。そのほか、イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30 人のシネマコンシェルジュ」など、幅広く活動中。 |
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