CAVIN大阪屋
北海道札幌市中央区北1条西3丁目3-8
TEL:011-221-0181
営業時間:10時30分 – 18時30分
定休日:水曜日
北海道を代表するオーディオ&ホームシアターショップといえば、ビル一棟まるごと店舗のCAVIN大阪屋(キャビンおおさかや)。創業昭和3年、店舗は札幌時計台近くにあり、4つのフロアはそれぞれ特徴を持っている。今回は2Fのホームシアターフロアで森田悠司氏から話を聞いた。
CAVIN大阪屋はシルバー基調のクールなビル一棟まるごと店舗で、1Fはソフトやヘッドホンなど初心者も入りやすいフロア、2Fがホームシアター、3Fがミドルレンジのオーディオ、4Fがハイエンドオーディオフロアと、専門性でわけて構成されている。
近くにある時計台にちなんで、クラーク博士の言葉ではないが「自己の良心のみに従え」‥お客さんが質問するまで基本的にはスタッフから話しかけることはせず、じっくり内覧できるのが特徴だ。とはいえ、エレベーターでどのフロアに降り立っても「いらっしゃいませ」と温かく迎えてくれるので気後れは無用。
専門店ならではの製品チョイスはもちろん、視聴環境も量販店とは一線を画す。スピーカーの比較試聴ではセレクターを使わず、都度ケーブルをつなぎ替えるなど、音に対するコダワリが強いのも特徴だ。
専門店にしてはめずらしくソニーの大型テレビがたくさん陳列されており、見比べできる。ホームシアターインストーラーならではの強みは、大型テレビの搬入や設置、壁掛け時の配線といったノウハウがあるところだ。量販店では相談しづらい案件ではライバルなしだ。
「チューナー類が内蔵されていて手軽さを求めるお客さまや、寝室などサブのお部屋には、テレビをお薦めしています。テレビは75型が多いです。マンションなどであればエレベーターに入るのは85型までといったところでしょうか。戸建てであれば100型の納品事例もあります」と森田悠司氏(以下、森田氏)
このようにテレビが大型化した世の中にあって、スクリーンとプロジェクターを使った大画面なら、100型や120型が当たり前。サウンドスクリーンを使った140型までの提案がよくあるといい、北海道ならではだと思い当たった。私がかつて訪問取材したユーザーさんも、150型超のサウンドスクリーンだった。
CAVIN大阪屋のサービスエリアは北海道の西半分が中心だが、ユーザーは北海道全域におよぶ。札幌以外にも旭川やニセコなど各地で出張イベントを行い、オーディオ&ホームシアターの普及に努めている。そんなイベントは、即売会というよりも啓蒙活動に近く、お店に足を運ぶ機会のなかった新しいユーザーの発掘を目指している。
「わたしが店頭に立ち始めた15年前と、最近はちょっと様子が違うように感じます。ホームシアター自体が一般的に知られていないのかもと。だから、若いお客さまが来ると嬉しくて。わたし自身もホームシアターが楽しいものだと実感してから、自宅でもスピーカーなどを天吊りして始めた経験があるので、もっとたくさんの方とこの楽しさを共有したいんです」(森田氏)
訪問している最中もリュックを背負った若者が「サラウンドをやってみたいんですが」とふらり訪ねてきた。森田氏は、もし抵抗がなければ中古品を混ぜるなどしてはどうかと予算的に無理のない提案をしていた。最初はスピーカー2本とAVアンプではじめて、徐々にステップアップしていくといい、等々‥。
CAVIN大阪屋は、わたしが過去に取材した例をみても、ハイエンドオーディオとハイエンドシアターが共存した名物ユーザーが多い印象だ。そんなこともあり「20年働いてやっと一人前」といわれる伝統に支えられた老舗であることは間違いないが、2階には気さくに話せる森田氏が、興味はあるけれどどう始めたらいいのか不安だというユーザーを待っている。ぜひ気軽に訪れてみてほしい。