【菅田将暉主演×クドカン】移住先はクセスゴ地元民ばかり! 爆笑と感動の移住エンターテインメント
ミヤザキタケルサブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2025年公開の『サンセット・サンライズ』をご紹介します!
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『サンセット・サンライズ』(2025年・日本)
(配信:Netflix)
楡周平原作の同名小説を、岸善幸監督、宮藤官九郎脚本、菅田将暉主演で映画化したヒューマン・コメディ。2020年、リモートワークの開始を機に他県への移住を考えていた釣り好きの会社員・西尾晋作(菅田将暉)は、宮城県南三陸にある4LDK・家賃6万円の神物件を発見!早速お試し移住をスタートし、釣り三昧の毎日を堪能。一癖も二癖もある地元民たちとも、持ち前のポジティブさと行動力で関係を築いていくのだが……。
震災やコロナ禍など、センシティブな題材を扱う作品となると、描かれるドラマは決まって重く深刻なものになりがち。だが、それらの題材を扱っているにも関わらず、こんなにも笑わせてくれる作品がかつてあっただろうか。晋作と百香(井上真央)の恋模様をはじめ、三宅健や竹原ピストル演じるクセ強な地元住民たちとの関わりなど、劇中には大いに笑える場面がてんこ盛り。
無論、笑いに振り切っている作品というわけではなく、震災やコロナ禍から生じる重く深刻な要素も扱われている。ただ、その塩梅が絶妙であり、序盤において大いに笑わされ解きほぐされた状態の心だからこそ、終盤において描かれていくドラマがより一層沁み渡る(原作者・監督・脚本家が皆東北出身という説得力も非常に大きい)。「軽い気持ちで」というと語弊がありますが、題材を前に臆する必要はありません。私たちが生きる現実に根差した力強い物語、そこから生じる笑い・痛み・感動で溢れた力作です。
(C)楡周平/講談社 (C)2024「サンセット・サンライズ」製作委員会
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| ミヤザキタケル 1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 宝島社sweetでの連載をはじめ、WEB、雑誌、ラジオなどで、心から推すことのできる映画を紹介。そのほか、イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30 人のシネマコンシェルジュ」など、幅広く活動中。 |
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