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公開日 2024/12/31 07:00
評論家は「曲のどんなポイント」を聴いている?

ジャーニー、LE SSERAFIM、ブルーノ・マーズ……オーディオ評論家が試聴に使った2024年の曲はこれだ!【Part.3】

岩井 喬/土方久明/杉浦みな子/秋山 真

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2024年もあとわずか。今年も多くのオーディオ機器が登場し、ファイルウェブではたくさんの新製品レビューを掲載させていただきました。

「オーディオ」というとジャズやクラシックの名盤を聴くイメージが強いかもしれませんが、近年ではJ-POPやロック、アニソン、EDMなど「今の楽曲」で試聴を行うケースも少なくありません。

そこで、ファイルウェブにて記事を執筆いただいているオーディオ評論家の方々に、この1年間に登場した楽曲の中から、「特にオーディオ機器の試聴で使ったリファレンス曲」をピックアップしていただきました。

また、それぞれの楽曲の聴きどころや、どの部分でオーディオ機器のどんな性能が測れるかなど、オーディオ評論家ならではのリファレンスポイントの解説や、個人的な思い入れについてのコメントもいただきました。

そしてApple Musicにて、皆さんがピックアップした楽曲をまとめたプレイリストをご用意。(一部未配信の曲を除く)。店頭でイヤホンの試聴をする際や、お持ちのオーディオ機器の性能チェックをする際の参考として、ぜひご活用ください!

編注:ご執筆いただいた先生方は製品評価の際、今回ご紹介する楽曲以外にも往年の名盤、評価の高い高音質盤など幅広く使われており、ご紹介する楽曲のみで試聴を行っているわけではない旨ご承知いただけますと幸いです。

山本敦先生、高橋敦先生、野村ケンジ先生の選んだ曲を紹介するPart.1はこちら
草野晃輔先生、生形三郎先生、海上忍先生の選んだ曲を紹介するPart.2はこちら


選考基準
・2023年12月頃-2024年11月頃にかけてリリースされた、またはタイアップに使用されるなどで日の目を見た楽曲であること
※基準から外れているが取り上げたい曲がある場合、1曲までなら可
・選曲数は1人あたり最大3曲
・あくまで「オーディオ機器の試聴に用いた曲」であり、「オーディオ的に高音質か」は必ずしも重視しない
・CDやサブスク、ハイレゾなどの媒体形式は不問。ただし媒体形式もポイントとなる場合、その旨を記載する




岩井喬先生が選ぶリファレンス曲
岩井先生が執筆したレビュー記事はこちら


ジャーニー/ラブ・ア・ウーマン



80年代の定番ヒットアルバム『グレイテスト・ヒッツ』が本年再びリマスターされた。オリジナル盤は1988年に登場しているが、「ラブ・ア・ウーマン」は黄金期メンバーで再結成した1996年の『トライアル・バイ・ファイヤー』からのシングル曲であり、2002年に登場したSACD盤から収録されている。

ジャーニーとしては数少ないストリングスを従えたバラードで、グランドピアノのレンジの広い透明感ある響きと、ヌケ良く表現力豊かなボーカルの伸びやかさが楽しめる。プロデュースを務めたケヴィン・シャーリーとジョージ・マッセンバーグ(ストリングス録音も担当)による王道のロックミックス、安定感あるサウンドが特徴で、リズム隊の適度な厚み、エモーショナルなエレキギターのプレイも凝縮された名曲だ。

スポットを浴びているように浮き上がるボーカル、ソロギターの描写も美しく、リヴァーブの清々しさ、バックを支えるストリングスの豊潤さがハイレゾによって分離良く描かれ、より生々しく感じられる。

ジョナサン・ノット:指揮/東京交響楽団『チャイコフスキー:交響曲第4番』から第4楽章



2024年、クラシックの試聴盤として良く使ったのは2つの『チャイコフスキー:交響曲第4番』だ。一つはジョナサン・ノット指揮/東京交響楽団によるミューザ川崎でのライブ録音盤で、もう一つは秋山和慶指揮/日本センチュリー交響楽団による、びわ湖ホールでのステレオワンポイント収録のライブ盤だ。

後者は音場の臨場感と濃密かつエネルギッシュな音像が特徴だが、オーディオ環境を選ぶストイックな録音である。一方で、広く音の良さを推せるのは前者だ。

第1、第2ヴァイオリンを左右両翼に配置し、より旋律の動き、各パートの位置や音色を掴みやすくなっている点がポイントであり、奥行きも深い。楽器の響きと強弱を巧みにコントロールし、力任せではない繊細なハーモニーを重視する抑揚に満ちた演奏だ。弦楽器のきめ細やかさ、管楽器のふくよかさ、打楽器の存在感、いずれの点でもバランスが良い。しなやかだが情熱も織り交ぜ、本質に寄り添っている。

丁/呼び声



まもなく第2期の放送も開始されるTVアニメ『Unnamed Memory』の第1期OPテーマとして使われていた楽曲だ。ハープも織り込んだしっとりとしたサウンドで、ストリングスやアコースティックギターの弦は、粒立ちを丁寧に描き出しており、煌き良く際立つ。

高域のハリ鮮やかな音調に対し、キックドラムやベースは押し出し良くリッチな傾向であり、そのメリハリのバランスがどのように描かれるのかをよく確認材料として用いていた。落ち着きあるボーカルの質感、ボディの密度感がどのように表現されているかも重要なポイント。

初めのサビに入る直前、58秒で聴こえてくるシンセベースの音は試聴するシステムの低域特性を露わにする。イントロのコーラスが混濁せず、ボーカルと分離良く聴こえてくるか、低域の豊かさにマスクされず、弦楽器などのフレーズがクリアに描かれているか、実に多くのことが見えてくる楽曲だ。

土方久明先生が選ぶリファレンス曲

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