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公開日 2025/04/02 07:00
フラグシップヘッドホンの技術を継ぐドライバーユニットの実力を聴く

“本当に良い音” を普段使いしよう。デノン新完全ワイヤレス「AH-C840NCW」「AH-C500W」レビュー

岩井 喬

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月単位で新たな製品が登場する完全ワイヤレスイヤホン(TWS)市場において、時間をかけて質の良いアイテムを開発しているデノン。2021年に誕生したブランド初のTWS「AH-C830NCW」「AH-C630W」もライバルモデルが多い価格帯にもかかわらず、デノンらしい安定感と音質の良さ、機能性のバランスが整ったワイヤレスイヤホンとして高く評価されてきた。


そしてこの春、その後継となる「AH-C840NCW」「AH-C500W」が登場した。



△写真左:AH-C500W(¥OPEN:想定実売価格税込15,000円)/写真右:AH-C840NCW(¥OPEN:想定実売価格税込19,000円)


 


いずれもオープンプライスだが、アクティブノイズキャンセリング(以下、ANC)機能を備えるカナル型AH-C840NCWがおよそ19,000円前後、インナーイヤー型のAH-C500Wが15,000円前後(ともに市場想定価格/税込)。音質追求型、機能性追求型、それぞれで強みを持つ製品が数多く存在する1万円以上2万円以下の価格帯となるが、デノンはどのような差別化を図るのか。


 


最上位ヘッドホンのドライバーを最適化して搭載。音質にこだわったカナル型&インナーイヤー型


デノンTWSの最大の特徴と言えるのが音質だ。デノンの音をつかさどるサウンドマスター、山内慎一氏が今回もチューニングを行っており、サウンドフィロソフィーである『Vivid&Spacious』に基づいたサウンド性を持たせている。



△Hi-Fiオーディオからサウンドバーまで、デノンの製品の音質を一手に手がけるサウンドマスター・山内慎一氏がチューニングを実施


 


『Vivid&Spacious』が導く音。それは楽曲制作者の意図した通り、原音忠実でありながらも音楽に没頭し、曲の始まりから終わりまで、ずっと聴いていたいと思えるような音作りを目指し、すべての音の表情を色彩豊かに生き生きと表現(Vivid)するとともに、音の位置関係、空間の広さと高さ、奥行きをありのままに表現(Spacious)するというものだ。


デノンのイヤホン/ヘッドホンのみならず、サウンドバーやAVアンプ、Hi-Fiコンポーネントに至るまで、この『Vivid&Spacious』を標榜した音作りがなされており、前世代はもちろんのこと、AH-C840NCWやAH-C500Wも同様である。


心臓部であるドライバーユニットも、有線ヘッドホン “リアルウッドシリーズ” のフラグシップである「AH-D9200」で開発し、特許を取得したものをTWS用に再設計。前世代機ではPU+PEEK素材を振動板に用いていたが、AH-C840NCW/AH-C500Wでは、フリーエッジ方式のバイオセルロース振動板採用12mmダイナミック型ドライバーユニットを搭載する。



△デノンのフラグシップヘッドホン「AH-D9200」(希望小売価格:税込214,500円)に使われるフリーエッジドライバーを、完全ワイヤレスにあわせ12mm径として再設計して搭載


 


サウンドチューニングにおいてポイントとなったのは、ハウジングに設けられた2つのエア抜き穴やノズル開口部に用いるメッシュ素材であったという。それぞれの箇所でどんな素材が最適かを探るべく、AH-C840NCWでは27種類、AH-C500Wでは36種類の組み合わせを試し、開放的なサウンドと汚れを防ぐための機能性を両立させたとのこと。



△ノズル・ダクト2箇所にはメッシュが取り付けられているが、ここも音質に関わるポイントとして徹底吟味。AH-C840NCWは27、AH-C500Wは36ものパターンを比較して、それぞれ最も音が良い組み合わせを採用したそうだ


 


2モデルとも同じドライバーユニットを積んでいるが、AH-C840NCWはこれまでのものよりもさらに強力なアダプティブ・ノイズキャンセル機能を備えており、遮音性の高いカナル型形式を採用。


一方のAH-C500Wはカナル型特有の閉そく感が苦手な方や、ANC機能に違和感を覚える方へ向けて提案されており、オープン型のような開放的なサウンド性と小音量でもバランスの良い高音質を楽しめること、そして適度に周囲の環境音を確認できる装着性を実現させるため、音質優先のインナーイヤー型を取り入れた。


音声コーデックはいずれもSBCとAACに加え、高音質かつ低遅延なLE AudioのLC3にも対応。また今後のソフトウェアアップデートにより、対応する送信デバイスから複数の受信デバイスで音声を受け取れるAuracastにも対応予定であるという。


長時間の装着でも圧迫感やストレスを感じない形状を求め、0.5mm単位の修正と検証を繰り返したというスティック部のあるボディ形状、および軽量化に努めた設計により、優れたフィット感を実現したこともAH-C840NCW/AH-C500W共通のトピックである。







△前世代機と同じスティック型形状を踏襲しつつ、0.5mm単位での調整を実施。ケースへの収納方法も、より取り出しやすいイヤホンを寝かせるような方式に変更されている(写真はAH-C840NCWとAH-C830NCWの比較)


 


通話用マイクに関してもビームフォーミング技術に加えてスティック形状を用いたことで、周囲の騒音からの影響を抑えつつクリアに自分の声を拾える他、通話相手の声も明瞭に再生する通話性能を備えたという。


AH-C840NCWでは “デノン史上最強” のハイブリッドANC機能を積んだという。フィードフォワード&フィードバックの2マイクを生かしつつ、新世代のアルゴリズムを駆使し、これまでよりも中低域のノイズを強力に除去できるようになった。


利便性の点では片耳を外した場合は外音取り込みモードに切り替わり、聴こえの違和感を解消。再び耳に装着すると自動的にANCがONとなるクレバーな仕様が特長となっている。またイヤーチップには医療用グレードのシリコンを採用し、肌にも優しい仕様とした。


バッテリー駆動時間はANC ON状態で本体が7時間、充電ケースが17時間となっており、ANC OFFでは本体が10時間、充電ケースが25時間まで維持できる。一方AH-C500Wのバッテリー駆動時間は本体が7時間、充電ケースが17時間だ。いずれもワイヤレス充電に対応し、専用アプリ『Denon Headphones』からの5バンドEQ、タッチセンサーのカスタマイズが可能である。


新ドライバーの実力は? 2モデルの音質をチェック

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