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DITA、新フラグシップイヤホン「VENTURA」発表。エントリー機の「PRELUDE」も
編集部:杉山康介シンガポールのオーディオブランド・DITAは、新フラグシップイヤホン「VENTURA」、およびエントリーイヤホン「PRELUDE」を発表。川崎のfinal本社にてメディア向け説明会が開催された。
「V4ドライバー」搭載、DITA史上最も複雑なチタン筐体の「VENTURA」
説明会に登壇したDITA社長のデニー氏は、最初にDITAブランドの歴代フラグシップの系譜を解説。2017年に登場した「DREAM」はチタン鋳造筐体を大きな特徴とするモデルで、今なお探しているコレクターもいるほどに、日本で高い人気を誇ったという。
2019年リリースの「DREAM XLS」では、DREAMのシルエットを踏襲しつつデザインをクリンナップ。チタン素材を踏襲しつつ、社内では「サンドイッチ構造」と呼んでいるという、複数レイヤーからなる筐体構造を初めて採用したモデルで、サウンドステージの広さが特徴だとする。
2022年に発売された「PERPETUA」は、初代DREAMのラウンドさとDREAM XLSのシャープさを融合したデザインを採用。チタン筐体、レイヤー構造に加え、初めてCNC切削加工を採用したモデルとのこと。
そして新たに登場する「VENTURA」は、チタン筐体、レイヤー構造、CNC切削加工という過去3機種のポイントを踏襲。サウンド的にも初代DREAMの細かい音まで聴こえるテクニカルさ、DREAM XLSの広いサウンドステージ、PERPETUAのナチュラルで綺麗な質感の全てを兼ね備えつつ、どれもを上回る高いクオリティを実現したと自信を見せる。
ドライバーには新設計の12mm径ダイナミックドライバー「V4ドライバー」を1基搭載する。振動板はチタンとセラミックの複合材をベースに、中域に温かみを持たせるべく金を蒸着。マグネットもボイスコイルの内側/外側に1個ずつ備え、駆動力を確保。
そして最大のポイントとなるのが、バッフルを4個搭載していること。これまでの同社イヤホンはバッフルを1個搭載する構造だったが、その場合、特定の周波数を調整するためにはバッフルの穴の大きさや透過率を変えたり、またはハウジング内の容積を変えることで対応してきたという。
しかしV4ドライバーはバッフルを4個搭載し、ドライバー内部をより細かく区切った構造になっているため、バッフル同士の距離を変えることでも周波数の調整が可能。これまで以上に細かな調整ができるようになったとのこと。
こういった様々なパーツを真鍮ケースに収納。音の自然さ、位相問題の少なさといったダイナミックドライバー1発のメリットを持ちつつ、マルチドライバー構造のような細かい調整を可能にしたとのこと。唯一のデメリットは「従来のダイナミックドライバーの2倍ほどの厚みになること」だと語っていた。
また、筐体は8個のチタン切削パーツと1個の異素材パーツによる、“DITA史上最も複雑な”構成で製作。「1個の異素材パーツ」が具体的にどこの部位か、またはどんな素材かについては、まさに今現在開発中なため答えられないとのことだった。
その他ケーブルやアクセサリー類はまだ決まっていないと説明。発売は6月以降を予定しており、価格は4,000-5,000ドル程度を見込んでいるという。
DITAらしさが詰まったエントリー機「PREUDE」
また、エントリー機の「PRELUDE」も同時に発表。こちらは6月ごろの発売を予定しており、価格は160-180ドル程度を見込んでいるそうだ。
ドライバーはドーム素材にPU、エッジ素材にPETを用いた10mm径ダイナミック型を採用。バッフルも2個搭載する。また筐体は3ピースのCNC切削アルミ素材で構成される。
元々はインドの代理店から「エントリーモデルが欲しい」という意見をもらったことから開発したモデルだとのこと。1DDや金属切削筐体など、DITAの特徴を詰め込んだ「DITAとしてのエントリー機」を追求した結果、完成度の高いイヤホンになったことから同社内では「E TOTL(Entry Top Of The Line:エントリーラインの最上位)」と呼ばれているという。
値段を抑える意味からも、ケーブルは3.5mmアンバランスのみを付属。その代わりにUSB-Cのドングルを付属することでユーザビリティの高さも担保しているとのこと。
発売はまだ先になるものの、両モデルとも4月26日に開催される「春のヘッドフォン祭 2025」での出展を予定。気になる方は是非ともfinalブースを訪れてみてほしい。
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