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公開日 2023/10/16 17:30
10月17日-20日の4日間開催

<CEATEC>Bluetooth新技術「AURACAST」を体験/日テレ「AI自動モザイクソリューション」が膨大な作業を自動化

編集部:松永達矢
エレクトロニクス/IoT関連の見本市「CEATEC 2023」が、10月17日-20日の4日間にわたって開催される。本日10月16日、一般開催に先駆けてメディアを対象としたプレスデイを実施。本稿ではBluetooth SIG、日本テレビ放送網ブースの内容をレポートする。

■Bluetooth SIG/AURACASTは2024年の本格デビューを目指す
Bluetooth SIG ブースでは、Bluetoothの新規格LE Audioに基づく配信技術「AURACAST」をフィーチャー。対応デバイスとイヤホンを手に取って機能を体感できるブースを展開している。

「AURACAST」をフィーチャーしたブースを展開

AURACASTとは、スマートフォンやPCなど単一のデバイスから、複数台のスピーカーやイヤホンに対して配信を行える機能。配信先のデバイス数は無制限としており、将来的にWi-Fiのアクセスポイントを選択するように、ユーザーの聴取したい配信を選択できるようにするとのことだ。

ブースではAURACAST対応のスマートフォンとイヤホンを用意。実際に機能を体験できる

ブースでは複数のシチュエーションを用意。アイリッシュパブのバーカウンターをイメージしたエリアでは、異なるコンテンツを放送する2台のモニターを設置。スピーカー出力はミュートされている状態だが、手元のデバイスでAURACAST情報をスキャンすると「TV1」「TV2」と音声チャンネルが表示され、それぞれタップすると装着しているイヤホンに対応した音声が流れるといった次第だ。

バーカウンターにミュートされたテレビが2台並ぶというシチュエーションは、日本国内ではなかなかお目に掛かれないが、「電車内のデジタルサイネージでAURACASTを使用すれば、流れる映像に対応した音声を直接耳に届けることができる」とブーススタッフが日本国内でのユースケースに例えた説明をしてくれた。

さらに、パーソナルな使用例として、対応デバイスで再生中の動画や音楽のシェアリング機能も紹介。椅子に腰掛ける友人……という体裁のマネキンが見ている動画の音声も、デバイスのペアリング設定をすること無くシームレスに聴くことができた。

ミュートされた音声を選択して聴くことができる

個人間での使用を想定してパスワードの設定も

接続台数は無制限というAURACASTだが、個人間での使用に際してパスワードを設定することも可能で、セキュリティやプライバシーにも配慮されている。

椅子に腰掛ける友人は、実は空港のフライトを待っているという設定。発着までの時間潰しのために動画を見ていた流れなのだが、フライトのアナウンスもAURACASTで該当のチャンネルを登録しておくことで、聞き逃しを防ぐことができる。

最後に広いホールでカンファレンスのデモンストレーションを実施。ホールの残響や周囲のざわめきで登壇者のプレゼン内容が聴き取りづらいシチュエーションでも、AURACASTでの配信を同時に行うことで、耳元のデバイスに確実に届けることができる。同時通訳など、聴取するユーザーに合わせた音声の配信も可能だとアピールした。

現在AURACASTに対応するデバイスとして、9月に国内で発売されたSamsungの「Galaxy Buds2 Pro」、QLED8Kテレビ、MICRO LEDテレビ(国内未発売)がリリースされているが、2024年を目処に本格的なマーケットデビューを考えていると説明してくれた。

■日本テレビ/放送局にとどまらない可能性を備える「BlurOn」
日本テレビでは、NTTデータの協力に基づくAI自動モザイクソリューション「BlurOn(ブラーオン)」のリアルタイムデモンストレーションを実施。これまで映像編集者が1フレームずつ行っていた人物の顔やナンバープレートへのモザイク入れを自動化することができる。

日本テレビブースの様子

バラエティ番組の制作における個人情報保護のモザイク入れは、1番組当たり約100時間を要していたとのこと。同社とグループ会社で実施した試験では、作業時間を最大で90パーセント程度効率化できる結果を得られたと説明する。当初は同業に当たる放送局向け用ソリューションとして考えられていたが、自動車業界や監視カメラを用いた動線分析といったニーズも高まっているとのことだ。

現在AIによる自動認識対象は、顔、頭部、全身、ナンバープレート、飲料、選挙ポスターの6種類に対応。導入についてもAdobe After Effectsのプラグイン、エッジデバイスでのリアルタイム処理、個別システム開発、日本テレビ側での作業代行といった多岐にわたる選択肢を提供している。

ブースに設置されたカメラでリアルタイムにBlurOn(ブラーオン)の効果を実証可能だ

現在はBtoBでの提供となっているが、ブーススタッフによると「民生からも多数の要望をいただいている」とのことで、将来的には簡単に利用できるWebサービスといったスタイルでの展開も展望している。

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