ダイナベクター、特殊焼鈍磁気回路搭載のエントリーMCカートリッジ「10XA」
編集部:成藤正宣ダイナベクターは、独自の「特殊焼鈍磁気回路」を搭載したエントリークラスのMCカートリッジ「10XA-H」「10XA-L」2モデルを、7月1日(火)より発売する。価格は121,000円(税込)。なお、同一モデルの新品買い換えや、既存モデル「10X5」「10X4」からの買い替え時は、トレードイン価格の96,800円にて購入できる。
1978年から続くMCカートリッジ “10Xシリーズ” の最新モデルとして、独自技術「特殊磁気焼鈍」を採用した磁気回路により、さらなる性能向上を図ったというモデル。より伸びやかで明瞭なサウンドを再生し、エントリーモデルの枠組みを超える魅力的なアナログ再生を届けるとしている。
特殊磁気焼鈍とは、磁気回路に使用する純鉄に対して行う、焼鈍温度、焼鈍環境、加熱時間、加熱率、冷却率などさまざまな要素の最適化にこだわった焼きなまし処理のこと。これにより純鉄の優れた磁気性能を引き出し、歪みの無い優れた解像力、のびやかな広域の表現、音場空間の広がりを再現するという。
特許技術である「ソフト化マグネット」も採用。磁力の強力なネオジウム磁石を搭載しつつ、独自の手法で内部磁気抵抗を減らすことで、歪みやある種の “うるささ” を抑え、スッキリとした音離れの良さを実現したとのこと。
針形状は高域特性に優れたシバタ針タイプIII、カンチレバーには軽量な硬質アルミニウムパイプを採用。レコードの溝に対する追従性を高め、これまで以上に分解能の高い音楽再生を追求した。新たにアルミ削り出しヘッドブロックも装備し、ヘッドシェルへの取り付けを強化。市場にあるほとんどのトーンアームに取り付けられるよう配慮した。
なお、同時に発売される2モデルの違いは、10XA-Hが高出力モデル、10XA-Lが低出力モデルという位置づけ。10XA-Hは2.8mVの高い出力電圧により、MCカートリッジの特徴を備えながらもMMカートリッジのように扱うことが可能。推奨負荷抵抗は1,000Ω以上で、MMポジションのPHONO入力(47kΩ)に接続する。
一方の10XA-Lは出力電圧0.5mVで、さまざまな昇圧トランスやヘッドアンプと組み合わせてMCカートリッジの魅力を存分に引き出せるモデル。ヘッドアンプの推奨負荷インピーダンスは100Ω以上となる。
周波数特性は20Hz - 20kHz(±2dB)。チャンネルセパレーションは25dB以上(@1kHz)、チャンネルバランスは1.0dB以下(@1kHz)。適正針圧は1.8 - 2.2g。本体質量は約7.5g。
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