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公開日 2025/10/15 06:30
「AVC-A1H」「AVC-A110」をスタジオに導入

音のプロも信頼するデノンのAVアンプ。ドルビーアトモス制作の第一人者・古賀健一さんが語る音質的魅力

編集部:筑井真奈(聞き手/構成)

ドルビーアトモス対応のスタジオにデノンのAVアンプを活用


Official髭男dismやAdoのドルビーアトモス制作など、音質にこだわった立体音響制作に力を入れるエンジニアの古賀健一さん。良質な作品作りに必要なノウハウも積極的に発信しており、PHILEWEBにも度々ご登場いただき立体音響制作にまつわる最新情報を語ってもらっている。



ドルビーアトモス制作の第一人者でもある古賀健一さん


古賀さんは、2023年12月にドルビーアトモス対応のレコーディング&ミキシングスタジオ「Xylomania Studio」(シロマニアスタジオ)を立ち上げた。Studio 1は古賀さんが普段メインに使うスタジオ、Studio 2はレンタルユースとして貸し出しも行っており、デノンのAVアンプのトップモデル「AVC-A1H」を活用している(ちなみにStudio 1には110周年記念モデルの「AVC-A110」が入っている)。



Xylomania StudioのStudio 2に置かれているデノンのAVアンプ「AVC-A1H」


なぜミックススタジオにデノンのAVアンプが置かれているのか、その導入の背景を教えてもらった。


プロオーディオとコンシューマーの架け橋でありたい


取材時に伺った古賀さんは、ちょうどサマーソニックでのヒゲダンライブ音源の、WOWOW放送のためのミックス作業を行なっていた。数秒単位で試聴を繰り返しPCで細かく作業をしているので、何をしているのか?と尋ねると、「マイクにぶつかってしまった時などの細かいノイズをチェックして処理しています」とのこと。


言われなければ全く気づかないほどの細かいノイズである。エンジニアがどれほど綿密な注意を払って音楽制作を行っているのか、ということを改めて目の当たりにした。


10月17日(金)から公開される、ヒゲダンのスタジアムツアーを収録した映画『OFFICIAL HIGE DANDISM LIVE at STADIUM 2025』の最終調整が終わったばかりだという古賀さん。音楽だけではなく映画や配信映像コンテンツの主題歌や劇伴、さらにゲーム用の音作りと、ドルビーアトモスによる音源制作の幅を広げている。


「僕は音楽制作において、普通のユーザーさんがどういうふうに楽しんでいるのか、ということをエンジニアも分かっていないといけないと考えているんです」と古賀さんは力説する。プロ向け機材と、コンシューマー向けの機材は、多くの場合ブランドも違えば販路も違い、情報が集まるメディアも違う。その架け橋でありたい、というのは、古賀さんが一貫して考えていることだ。



エンジニアもコンシューマーオーディオをもっと知るべきだと力説する古賀さん


立体音響が着実に普及してきている


デノンのAVアンプが置かれているStudio 2はレンタルスタジオであり、古賀さん以外のエンジニアがミックス作業のために借りて使うことも多い。トップグレードのAVアンプを導入することで、未来を担う若手のエンジニアにも、コンシューマーのオーディオをきちんと理解してほしい、という願いも込めているようだ。



PMCのスピーカーをメインに11.2.6.4chのシステムを構築


Studio 2の環境はPMCのスピーカーをメインとした11.2.6ch(360 Reality Audioを作りたい場合はさらに下方向の4chも用意している)。ソニーのBDプレーヤーUBP-X800M2、Apple TV 4KやFire TV Cubeなども置かれており、環境はまさにハイクラスなホームシアターシステム。自分たちの作った音楽が、一般家庭に近い環境でどのように聴こえるのか、ということを知ることは、翻って良質な作品作りに生きてくる。


ちなみにAVC-A1Hはプリ機能までを使用しており、パワーアンプはプロフェッショナル向け8chアンプのLinea Research「88C03」を3基使用。AVアンプの使用方法としてはかなり贅沢なスタイルだ。



「AVC-A1H」はプリ機能のみを使用




パワーアンプはLinea Researchの「88C03」


古賀さんがアトモスミックスを担当したという5人組ロックバンドKroiのシングル「Method」のドルビーアトモス音源を聴かせてもらう。クールでファンクでヒップなスタイルが、意外なほどにドルビーアトモスとの相性が良くて面白い。


また後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)がフィールドレコーディング素材も交えて制作した「Recent Report I」などは、まさに立体音響の魅力満載。音の位置関係が精緻に見えてくることで、現実を超えた音響世界にどっぷり浸ることができる。



Kroi「Method」のドルビーアトモス音源


「ここ1年ぐらい、空間オーディオの仕事の依頼が広がっています。またドルビーアトモス作品を作ってみたいんですけど、どうしたらいいでしょうか?という問い合わせも増えています」と明かす古賀さん。一方で、立体音響制作に関する知識が十分ではないまま、予算や納期が十分でない仕事の依頼がきて頭を抱えることも多いという。だが、新規のお客さんからの相談があるということは、立体音響が着実に普及してきている、ということの裏返しでもある。


古賀さんのスタジオに来て、ステレオとドルビーアトモスのサウンドを聴き比べ、そのクオリティに納得し予算をきちんと組んでくれる制作関係者も多いという。「いいものを作ろう、という志のある人が確実に増えていることを実感しています」


良質なコンテンツと、良質なハードウェアはフォーマット普及の両輪でもある。その点でも、デノンのAVアンプはまさに普及の弾みとなる存在だ。


デノンのAVアンプは安心してユーザーにおすすめできる


2年間近くXylomania Studioを運営してきて、デノンのAVアンプにさらに求めることは?と尋ねると、古賀さんは「新しいコーデックにはどんどん対応していってほしいですね」と答える。中国では、新しくAVS3-P3というイマーシブオーディオのコーデックも立ち上がっているようで、そういった最新技術への継続的なキャッチアップは期待したいそうだ。


ちなみに、デノンの最新AVアンプ「AVC-X2850H」には、コンテンツにドルビーアトモス音源が “どれくらい” 活用されているかを可視化できる機能も搭載されている。これは古賀さんも以前からリクエストしてきた機能だそうで、「めっちゃ嬉しい!」と大興奮。


プロ向け機材では、音源の収録情報を視覚的に確認できるハードウェアは存在するが、コンシューマー向けとしては珍しい。たとえば映画『トップガン マーベリック』の「マッハ10」のシーンでは、ドルビーアトモスのフルチャンネルが存分に使われているのがよく理解できるのだ。



「AVC-X2850H」には、ドルビーアトモスの収録音源を可視化する機能も搭載。ハイトチャンネルまで存分に使って作られているか、ビジュアルで明らかにできる


古賀さんも、「ドルビーアトモス制作をウリにしている海外作品でも、実はトップチャンネルをそんなに使ってないものもあるんですよね(笑)」と声をひそめる。「こうやって可視化されることで、制作者がどこまで考えて音を作っているかっていうのもわかります」。収録情報が可視化されることで、AVアンプのフルスペックを十分に活かせるコンテンツを作ろう!と、制作サイドやエンジニアのモチベーションアップにもつながるだろう。


古賀さんのデノン製品への信頼は厚い。トップグレードでも100万円程度と、がんばれば手の届く現実的な価格、そして音質やスペックを妥協しない性能の高さはプロの耳も深く納得させる。


予算やシステムプランに応じたラインナップが用意されていることも重要で、「デノンのAVアンプは、ホームシアターを作りたい、という音楽関係者に安心して推薦できるんです」。古賀さんのスタジオでアトモスの魅力に取り憑かれ、実際に自宅でもちゃんと聴ける環境をつくろう、と考える人も多いという。その場合はデノンのAVアンプを推薦し、セットアップまでサポートすることもあるそうだ。


ちなみに、今年9月25日にコナミデジタルエンタテインメント(KONAMI)から発売されたサイコロジカルホラーゲーム『SILENT HILL f』(PS5/Xbox Series X | S、PC)の9.1.6chドルビーアトモスミックスの制作も古賀さんが担当している。「次は、スタジオにPS5も入れなくちゃと考えているんです」。「SILENT HILL」シリーズのドルビーアトモス対応なんて、考えるだけで背筋も凍る恐怖体験だ。


「ステレオでは聴こえなかった音がちゃんと聴こえることで、リスナーに “音楽って楽しいね” って思ってもらいたいんです」と、改めて立体音響の魅力を力説する古賀さん。デノンのAVアンプは古賀さんにとって、コンシューマーとプロ向けオーディオを繋ぐ、信頼できる相棒であるようだ。



古賀さんが普段メインで使っているXylomania StudioのStudio 1 




Studio 1にはデノンのAVアンプ「AVC-A110」を活用している




(提供:ディーアンドエムホールディングス)

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