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公開日 2019/08/14 07:00
<山本敦のAV進化論 第179回>

VECLOS新スピーカーの特徴を際立たせたDiracのオーディオ技術 ー 今後の展望を聞く

山本 敦

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新生オーディオブランドのVECLOS(ヴェクロス)が、独自の真空エンクロージャー技術を採用するワイヤレススピーカー「SPW-500WP」を発売した。本機はデスクトップ環境で楽しむサウンドに驚くほどの立体感を加える、Dirac Research(ディラックリサーチ)の音響技術を採用したオーディオ製品としても見逃せない。

今回はサーモスでVECLOSを担当する池田裕昭氏にあらためて新商品の特徴をうかがいながら、Dirac ResearchのErik Rudolphi氏、ならびに本機が搭載するスピーカーユニットやアンプの設計に技術を提供したパイオニアのサウンドスペシャリスト山下 力氏を迎えて、SPW-500WPの誕生秘話を語っていただいた。

左から山下氏、池田裕昭氏、Erik Rudolphi氏

■VECLOSの新スピーカーがDiracの技術を採用した理由

SPW-500WPはユニークな筒型デザインの真空エンクロージャーを採用するスピーカーと、アンプを一体化したワイヤレススピーカーだ。本機の実力についてはファイルウェブで詳しくレビューしているが、今回は本機の大きな特徴のひとつである切れ味鋭く立体的なサウンドとDirac Researchのテクノロジーとの結びつきを深く掘り下げてみたい。

Diracの技術を搭載したVECLOS「SPW-500WP」

SPW-500WPは国内のAV機器として初めて「Dirac Panorama」の機能を採用した製品だ。VECLOSがDirac Researchの技術を採用するに至った経緯をVECLOSの池田氏が次のように語っている。

「SPW-500WPは当社が2015年に発売したSS-A40以来、久しぶりに発売する電源内蔵のBluetooth対応ワイヤレススピーカーです。本機のアイディアが立ち上がった当初、パイオニアの方々からDirac Researchのテクノロジーをご紹介いただき、このユニークな立体音響技術を当社の新しいワイヤレススピーカーに活かしてみたいと考えて採用を決めました」(池田氏)

パイオニアはDirac Researchのオーディオ技術のライセンスを日本国内に提供する総代理店業務を行っている。パイオニアの山下氏には、当時からDirac Researchの技術がVECLOSの真空エンクロージャーと相性がとても良いということに確信を持っていたそうだ。

「当社も今から約3年前に、Dirac Researchが新たに発表したDirac Panorama Soundの技術紹介を受けました。VECLOSの真空エンクロージャーの中に2つのスピーカーユニットを水平対向配置にして、Dirac Panorama Soundの技術を組み合わせたプロトタイプを試作してみたところ、オーケストラの音源を再生した際に見事な立体感が再現できました。その成果を持ってぜひにと、私たちからVECLOSの方々にお勧めした次第です」(山下氏)

Dirac Panorama Soundの効果は大きなものであると語る山下氏

VECLOSの池田氏も、その時に初めて聴いた試作機のサウンドに良い手応えを得たと振り返っている。

「VECLOSのスピーカーシステムは真空エンクロージャーを活かすための、筒型のデザインを共通の特徴としています。SS-A40は左右別筐体のステレオスピーカーですが、次のモデルは立体感あふれるステレオ再生を一体型の筐体で実現したいと考えていました。Dirac Researchの技術は私たちの期待を具現化してくれるものでした」(池田氏)

SPW-500WPには、スピーカーの音場を補正する技術の「Dirac HD Sound」が搭載されている。このDirac HD Soundがあることにより、このスピーカーに正対して音を聴いた時に、正確に定位感と豊かな包囲感の両方を味わうことができるのだ。

本機が国内のAV機器として初めて搭載した「Dirac Panorama Sound」は、左右のスピーカーから出力された音が耳に届く時に発生するクロストークを解消して、チャンネルセパレーションの明瞭度を最大化するための音場補正技術だ。Dirac HD Soundは常時オンの状態で効果を発揮しながら、Dirac Panorama Soundについてはユーザーが本体のボタンからオン・オフを選んで楽しめる。このほかに低音再生を補強するパイオニアの「BEAT BLASTER」の効果を掛け合わせて、ユーザーが好みのサウンドバランスを楽しめところが本機の魅力だ。

Dirac Panorama Soundによる聴こえ方のイメージ

Diracの技術をどう活かすか

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