オンキョーはオーディオ専門メーカーとしてはかなり早い時期から、高音質サウンドカードなどPC周辺機器の開発を手がけてきた。そうした経緯があるので、PC本体を開発したというニュースには驚かなかった。むしろ、独自の高音質技術を生かしたハイファイ仕様のPCをもっと早く発売して欲しかったと思う。
同社初のインテルViiVテクノロジー対応PCとして登場したHDC-7は、まさにそうした期待に沿って開発された製品である。既存のPCとの違いは外見からも明らかだ。幅435mmの横長の筐体はまさにコンポーネントサイズで、シャンパンゴールドの美しい仕上げが目を引く。インテルのロゴマークがなければ高級DVDプレーヤーと見間違えても不思議ではない。
PCとしての詳細仕様は別項に紹介するが、CPUやチップセットのグレードは現在の多機能AVパソコンとほぼ同等で、メモリは最初から1GBを搭載。HDD容量も400GBと余裕がある。前面下部のドアを開ければ、USB端子やIEEE1394端子はもちろんのこと、各種メモリーカードスロットが揃っており、いかにも使い勝手が良さそうだ。
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本体前面下部のドア内部には、メモリーカードスロットやUSB端子、iEEE1394端子が装備されている |
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背面端子部。HDCP対応のDVI端子を備え、HDMI入力端子付きのテレビと接続できる |
背面パネルの構成を見ると、金メッキ処理を施した7.1チャンネル音声出力端子の存在が異彩を放ち、本機がホームシアター仕様のPCであることを思い出させる。マルチチャンネル出力は同社のAVアンプ同様にわかりやすく色分けされており、デジタル音声出力は光と同軸を装備。映像出力はアナログRGBに加えてDVI端子をサポートしており、HDMI入力をもつディスプレイとの接続にも対応する。背面には冷却ファンが見えるが、高音質仕様を貫くための振動対策と静音対策は細部まで行き届いており、HDDへのアクセス音を除けば、通常の動作音はかなり低く抑えられている。オーディオ機器やAV機器と同様、ラックに入れてしまえば快適な視聴環境が得られるだろう。
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本体の内部構造。各パーツは音質を最優先に、AV機器グレードのものが使われている。また筐体は制振設計を施し、ノイズの発生を抑えている |
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アナログ音声出力には、オンキヨー独自の技術「VLSC」を搭載。パルス性ノイズの特性に着目した演算プログラムにより、原信号に忠実な信号を精製するものだ |
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