コンデンサー型に、新たな可能性もたらす「エナジャイザー」

iFI-Audio「Pro iESL」最速レポート ― これまで気づかなかったヘッドホンの新たな魅力にたどり着ける

岩井 喬

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2017年07月17日
■強烈なインパクトを放つコンデンサー型のドライバーアンプ

iFIオーディオのフラグシップである「Pro」シリーズ。そのファーストモデルであるヘッドフォンアンプ「Pro iCAN」はバランス駆動に対応するだけでなく、貴重なGE製5670を用いた管球ドライブと半導体ドライブを切り換えることができるユニークな構造を持たせるなど、高音質はもちろんのこと、機能性においても万能を目指すiFIオーディオならではのアイデンティティを詰め込んだハイエンド機として存在感を放っている。

このPro iCANに続くProシリーズ第二弾として登場するのが、コンデンサー型(静電型)ヘッドフォン用トランス結合エナジャイザー「Pro iESL」だ。

iFI-Audio Pro iESL(¥180,000/税別・写真手前)

Pro iESLは一般的なヘッドホンアンプに追加することでコンデンサー型ヘッドホンを使えるようにする、コンデンサー型ヘッドホン用アダプターユニットと捉えることができる。「ヘッドホン祭」や「ポタフェス2017」でも実機が展示され、多くのコンデンサー型ヘッドホン愛好家に注目されていたが、本日7月17日、いよいよ発売となった。

Pro iESLのポイントは本機単体では使用できず、前述のPro iCANとのペア運用、もしくはバランス駆動出力を備えたヘッドホンアンプ、プリメインアンプやパワーアンプが必要な点だ。音量調節も親機となるアンプ側で行う。

Pro iESLの接続イメージ。ヘッドフォンアンプやプリメインアンプ、プリ+パワーアンプに繋いでコンデンサー型ヘッドホンや普通のヘッドホンアンプでは鳴らしにくいヘッドホンをドライブする ※ヘッドフォンの保証対象外になる場合がありますので、接続については自己責任でお願いします

ここ数年のコンデンサー型ヘッドホン市場活況の中、あまり製品が出てこないのがドライバーアンプの分野だ。先般コンデンサー型のパイオニアブランドであるスタックスよりフラッグシップ機「SRM‐T8000」が登場し、改めてドライバーアンプに対してスポットライトが当たったといえるが、このPro iESLはそのインパクトに負けるとも劣らないプロダクトである。

プリメインアンプのスピーカー出力にコンデンサー型ヘッドホン用アダプターを取りつけて使用する製品は数十年前から存在するが、現在の高精度な電子設計の下で開発されたアダプターが紹介されるケースは少なく、Pro iESLはそうしたコンデンサー型ヘッドホン用アダプターの決定版といえる内容を誇る。“エナジャイザー"という名称が示すように、コンデンサー型ヘッドフォンに対し、エネルギー供給源として機能する本機の作りについて、紹介していこう。

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