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【特別企画】アナログ出力でも納得のサウンドへ進化

世界的エンジニア・鈴木智雄が聴くiFI-Audio「micro iDSD BL」。自宅でも”スタジオと違和感のない音”が手に入る

2017/03/06 季刊・ネットオーディオ編集部:浅田陽介
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■これまでのDSDネイティヴ再生DACとは、全く違う音がした

1968年よりそのキャリアをスタートさせ、いまなお第一線で活躍するレコーディングエンジニア、鈴木智雄氏。サンタナやシカゴ、マイルス・デイビス、ボブ・ディランなど数々の伝説的海外ミュージシャン達の作品や、さだまさしや憂歌団、森山良子、宮本笑里など誰もが知っている国民的アーティストも手がける鈴木氏は、「音」に対して驚異的なまでのこだわりを持つエンジニアとしても知られている。

そのこだわりは使用する機材に自ら手をいれるところにまでおよぶもので、その結果生み出される音作りへのセンスは日本のみならず世界のミュージシャンや音楽ファンから絶大な支持を獲得している。

日本を代表するレコーディングエンジニアとして世界にその名を轟かす鈴木智雄氏。実は普段からiFI製品を愛用する同氏に、今回はmicro iDSD BLを聴いていただいた

そんな鈴木氏は、実はiFI-Audioのヘビーユーザーだ。micro iDSDでiFI-Audioに出会い、いまやiPurifier DCやiPowerなどさまざまなアクセサリーを欠かすことのできないアイテムとして愛用しているなど、同氏が持つiFI-Audio製品は非常に多い。

最初にmicro iDSDを聴いた時、鈴木氏はそのクオリティに驚いたという。

「最初は5万円くらいのDSD対応DACを知人の薦めもあって買ったんですよ。でも、その音には全然満足できなかったわけ。中を開けてチューニングもしてみたんですけど、ダメなものはダメだった。そんな時に旧micro iDSDを知って自宅のシステムにつないでみたんです。うちではアキュフェーズのデジタルプリを使っているので、旧micro iDSDのS/PDIF出力を使ってD/Dコンバーターとして使ってみたら、それまで使っていたDSDネイティヴ再生対応のUSB DACとは全く違う音がしたんです」

■「この値段でこの音が出るわけ!?」とiFI-Audioへとハマる

「micro iDSDについては、知人から"電源の供給方法を変えるともっと良い音になる”って聞いたので、電源線と信号線を分けた二股のケーブルを自作して、その電源側をアコリヴァのRBR-1に繋いで音を出してみたら、さらに音がよくなった。“これは使える!”とそれからiFI-Audioに興味を持って、ホームページをみたらmicro iUSBPowerを知って、そのあとiPurifier DCが出てきて……それらも買ってみたら、これがまた良い。いままで、RBR-1も相当良いと思っていたんですけど、併用するとそれ以上に良くなったんですよ。これには驚きましたね。“この値段でこの音が出るわけ!?”って、そこからiFI-Audioのある意味で地獄にハマったんです(笑)」

こちらが鈴木氏が愛用するiFI-Audio製品達。そのいずれにも高い性能を見出し「手放すことができない」と話す

鈴木氏が第一に考えているのは、スタジオと自宅での音が違和感のないものかどうかということだ。「そのためには使い方に工夫がいる」と前置きしながらも、鈴木氏は「それが7万円くらいのmicro iDSDでできるのはすごいこと」とそのクオリティに大小判を押す。

「工夫すればスタジオレベルの音が手に入る」と話す鈴木氏は、iPurifier DCやmicro iUSBPowerとmicro iDSDを組み合わせて愛用。micro iDSD BLも同じ環境で試聴を行い、そのアップグレードの度合いをチェックした

そんな鈴木氏も愛用するmicro iDSDは、先日黒いボディをまとったmicro iDSD BLへと進化を遂げた。発売後3年を経たいまでも最先端をひた走るデジタル部のクロックをさらにアップグレードしたほか、TI製のカスタムOPアンプの採用やOS-CONの採用によるアナログ信号と電源部の強化など、カラーリングだけではなく中身なアップグレードを遂げたmicro iDSD BLを、鈴木氏はどのように評価するのか。

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