【特別企画】5.6MHz DSDや384kHz/32bit PCMにも対応

B.M.C.「PureDAC」レビュー − バランス駆動ヘッドホンアンプ搭載の注目機

野村ケンジ

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2014年03月14日

ドイツのオーディオブランドB.M.C.のD/Aコンバーター「PureDAC」(関連ニュース)は、5.6MHz DSDや384kHz/32bit PCMのUSB入力対応に加え、バランス駆動ヘッドホンアンプを搭載するなど、現在進行形のオーディオをそのボディに一手に収めたモデルである。本機の実力を野村ケンジがレポート。人気ヘッドホン4モデルをバランス駆動で試聴するなど、この「PureDAC」を徹底検証した。

■高い技術力を誇るドイツのハイエンドオーディオブランド「B.M.C.」

東京インターナショナルオーディオショーのアクシス・ブースで、以前から気になっていたブランドがある。まるでアルミブロックから削りだしたかのような重量感溢れる筐体。フロントパネル中央には、上下めいっぱいの大きさの丸窓が設けられ、内部にはアナログメーターなどが収められている。遠目でもひと目でそれと分かる個性的なエクステリアの内部には、巨大なトランスや無数のコンデンサーを搭載するなど、高級パーツを惜しげもなく投入。ハイエンドオーディオと呼ぶにふさわしい豪勢な作りでありながら、非現実的な価格にはならず、頑張れば何とか手が届きそうなプライスタグで展開しているのが、B.M.C.であった。

ドイツに本拠を構えるこのB.M.C.は、実は設立が2009年と、スタートしてまだ間もない新進気鋭ブランドだったりする。とはいえ、オーナーでありエンジニアリング・デザイナーでもあるCarlos Candeias氏は、1986年には前身となる会社を立ち上げ、以来30年近くにわたってCDプレーヤーやアンプ、スピーカーの開発に携わっており、その技術レベルに関してはすでに高い定評を得ている。


同社が誇るアンプ回路“LEF”と、可変ゲインアンプ技術”DIGM”が採用されたモノラルパワーアンプ「AMP M2」
中でも特徴的なのが、これまでの概念と一線を画すボリュームコントロール方式。LEF(ロード・エフェクト・フリー)と呼ぶフィードバックレスのシンプルなパワーアンプ部に、DIGM(インテリジェント・ゲイン・マネージメント)というゲイン可変機構を持たせ、音声信号にいっさい手を加えずそのままダイレクトに送り込むことで、格別なピュアサウンドを実現しているのだという。また、同社製プリアンプなどと組み合わせれば、BMCリンクという独自の接続方法により、直接パワーアンプのDIGMをコントロールできるという点も興味深い。デザインだけでなく、システム的にも独自性の強いメーカーといえる。

■B.M.C.からバランス駆動ヘッドホンアンプ搭載DACが登場

そんなB.M.C.から、新たにバランス駆動のヘッドホン出力を装備するD/Aコンバーター「PureDAC」が発売された。その外観は、ひときわ大きなセンター“サークル”が奢られ、天板に至ってはそれに合わせて円柱デザインが施されている。そのサークルの内部には、デジタルディスプレイが収められている。アッシュシルバーに仕上げられた各ボディパネルは、既存モデル同様にハイエンドオーディオ然とした上質感が漂っている。それでいて、税抜価格220,000円というプライスタグが付けられているというのだから、外観を眺めているだけでもコストパフォーマンスの高さを感じてしまう。


B.M.C「PureDAC」 ¥220,000(税抜)
しかし、「PureDAC」の本質はデザインの良さだけではない。その内部には、独自のフィードバックフリーのフルバランス回路であるCI(カレント・インジェクション)を、DACのI/Vステージとアナログ出力に搭載。高い電流出力を維持しつつ、ドライバー段などを経由せず最短距離で出力することで、格段にピュアなサウンドを実現しているという。


前面のサークル部にはライン出力とヘッドホン出力のボリュームが個別に表示される。DSD、PCMハイレゾ(HR)と再生フォーマットも確認できる

LEF出力ステージは、特殊なカスコード接続によって、電圧増幅に対する電流源を分離構成とし、負荷から受けるさまざまな電気的影響を排除している

ライン出力でUSB-DACの実力を検証

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